現在のヒップホップシーン随一の変わり者であるVince Staples。「音楽を聴くのが嫌い」などインタビューに応える度に意表をつく発言を連発し世間を賑わす彼が、思わぬ思いやりを見せている。
GQのインタビューに登場したVince Staplesは、ファンに対して「もっと自分に自信を持ってほしい」と呼びかけている。「みんな、自分のことをもっと気にかけてほしい。それが俺の望むことだ。みんな俺を見て俺みたいになってほしい、俺はクソじゃないだろ?なぜなら俺は俺自身を見つめて、”俺はクソじゃない“って感じているからだ。それはクールだと思う、俺はみんなのこともクソじゃないって思ってるから。誰のこともクソだって思わない。みんな同じさ。俺たちはみんな人生の同じ道を歩んでいて、いつか死ぬ。死んだら臭くなって、防腐剤を注入されるんだ。もしかしたらポニーか何かに生まれ変わるかもしれないが、それまではみんな同じだ」という言葉は、彼のユニークかつドライな価値観が伝わって来るものだ。
さらに彼は、「みんな、自分のことをどう思ってる?大丈夫か?自分自身のことが好きか?俺は、みんなにそうであって欲しいんだ」と謎の呼びかけをしており、人々に高い自己肯定感を持つことを望んでいる。
自身のアンチに引退の資金を募るなどひねくれた面ばかりが目立つVince Staplesだが、このようにファンのことを気遣う考えも持っているようだ。以前彼は「俺は意地悪だからデートが上手くいかない」と吐露していたが、今回のように優しい一面を見せればデートを成功させられるようにも思える。
低い自己評価に苦しんでいる人は、Vince Staplesの言葉を思い出しながら彼の音楽を聴くことで少しだけ自分に自信を取り戻せるかもしれない。