先日、二人の友人男性を殺害した容疑で起訴されたことが報じられたフロリダ出身の新鋭ラッパーYNW Melly。そんな彼の代表曲“Murder on My Mind”がApple Musicのチャートで1位を記録したことが明らかとなった。
アメリカのApple Music全体のチャートで“Murder on My Mind”は1位となっており、またSpotifyでは現在19位ではあるもののこれから再生回数が上昇していきそうな気配を見せている。
.@YNWMelly's "Murder On My Mind" has reached #1 on US Apple Music.
— chart data (@chartdata) 2019年2月16日
YNW Mellyは昨年、自身のクルーのメンバーであったYNW SakchaserとYNW Juvyを殺害したとして罪に問われている。このニュースを受けて彼の“Murder on My Mind”を「殺人を告白している」ものだと考えた人々が多く現れたようで、それが同曲の再生回数が伸びている原因だと考えられる。しかし“Murder on My Mind”は2017年にリリースされた楽曲であるため、歌詞も被害者の二人が殺害される一年以上前に書かれたものということになる。FaderのインタビューにてYNW Mellyは、“Murder on My Mind”を「銃器の所持で逮捕された経験を元に書かれたもの」だとしている。確かにリリックは「友人を誤って殺害してしまい、収監される」というストーリーのため今回の事件と整合性はあるが、どちらかといえば楽曲で歌われたことが現実になったと考えた方が正しいだろう。
昨年には、Spotifyのプレイリストから「差別的なコンテンツ」であるとしてR. KellyやXXXTentacionの楽曲が削除されたものの、皮肉なことにR. Kellyの楽曲の再生回数がそのことによって増加してしまったというニュースが報じられた。ストリーミングサービスの隆盛によって音楽へのアクセスが簡単になって以来、アーティストへの注目は再生回数という形で如実に現れるようになっている。殺人事件という不名誉な形で再ヒットした“Murder on My Mind”もこれから更に再生回数を伸ばして行くのだろうか?
YMW Melly自身は容疑を否認している殺人事件の裁判の行方も気になるところである。