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【インタビュー】DJ SCRATCH NICE 『Let This Be The Healing』| 環境が成長につながる

数多くのアーティストの楽曲を手掛けてきたプロデューサー・DJ・ビートメイカーのDJ SCRATCH NICE。盟友GRADIS NICEとのTwice as Niceなど様々なプロジェクトを手掛けてきた実力者がアルバム『Let This Be The Healing』を2025年にリリースした。世代を超えて名うてのラッパーたちが参加した本作から感じられるのはSCRATCH NICEと参加しているアーティスト陣の信頼関係から生み出された強度とあたたかさが同居した世界観だ。そんな極上のクオリティに仕上がった本作の制作の経緯について、話を聞くことができた。

取材・構成 : 和田哲郎

撮影 : 横山純

DJ SCRATCH NICE - 今回が初めてですね。

DJ SCRATCH NICE - 帰ってきたのが2022年の春ぐらいだったと思うんすよ。だから、今でちょうど3、4年ぐらいですかね。

DJ SCRATCH NICE - 自分自身は家でビート作ってとかなので、そこまでは変わらないですね。環境的にはそれぞれの良さがあると思うんですが、自分的にはニューヨークはより緊張感を持ってできる所だと思ってるから、いいなとは思いますけどね。それにNYに住んでいた最後の3年のうちの2年間はずっとコロナだったので、仕事も全部なくなって、ビートに集中してたし、よかったですね。

DJ SCRATCH NICE - 反映されてると思いますね。やっぱり向こうに住んでるときに、作ったビートは、ヒリヒリしてるというか、テンションも高い。帰ってきてからのビートのほうがちょっと優しくなったかなと思いますね。

DJ SCRATCH NICE - 前のビートもありますね。DJ SHOEがスクラッチしてる”FUKSession”は、結構前のビートだし。ISSUGIくんとBESさんとの"Moment Of Truth"も古めのビート。ただどれが向こうで作ったやつとかまではわからないです。全体的には帰ってきてから作ったものの方が多いですね。

DJ SCRATCH NICE - そうですね。最初の方には曲は上がってました。オファーして曲ができた後、その次どうしようって悩んだりして結構時間がたっちゃった感じがしますね。

DJ SCRATCH NICE - 思い始めたのは、いつだろう。でも、ISSUGI君との『366247』があったり、単曲でプロデュースとしてビートを渡すことはすごい多かったし、ビートテープとかも出してたんですが「ビートテープじゃなくてラップの入った自分プロデュースの作品を出したほうがいいんじゃない?」と周りから言われてて、それをきっかけに考え始めたんですけど、自分でまとめるってなると、結構難しくて。1個のビートがいいとか悪いとかの話よりも、作品を全体的に見てビートを選んだりとかもしなければいけなかったので、時間がかかりながら試行錯誤してました。でも、マジでちゃんと出さなきゃと思ったのは今年の4月くらいにそれまでのメンタルが変わったというか、追い込みをかけられたのはあるのかもしれないですね。

DJ SCRATCH NICE - そうなのかもしれないっすね。でも、意識してなかったですね。ビートを渡すときも、みんなにこういうテーマでお願いしたいとは言ってないし、多分みんなが感じたのが、ヒーリングみたいなものだったんじゃないですかね(笑)

DJ SCRATCH NICE - あるのかもしれないですね、意識してないですけど。

DJ SCRATCH NICE - 僕は昔のKanye Westですね。『The College Dropout』とかはめっちゃ聴いてました。インスパイアされてる部分はあるかもしれませんね。

DJ SCRATCH NICE - ビートが好きですね。あと結構、キャッチーな雰囲気好きなんですよ。ダークな雰囲気の音楽も好きなんですけど、ヒップホップってちょっとのポップさって絶対に要ると思ってて。それが聴きやすさに変わったりとか。ダークな中にキャッチーな部分があるのが僕は好きなんで。そういうところですね。最近のKanyeはあんまりちゃんと聴けてないんすけど。

DJ SCRATCH NICE - そういう好きなプロデューサーに影響受けてると思います。

DJ SCRATCH NICE - 最初は佐々木(KID FRESINO)一人でって思ってたんですけど、佐々木がヒデオ君(仙人掌)とどうかってアイディア出してくれたんです。ヒデオ君は元々最後の”Reminiscence”で入ってもらってたから、1人、1曲ずつでいいかなと思ってたんですけど、やってみてめっちゃ合うわと思って、佐々木とヒデオ君とでやりとりしながらやってくれたって感じっすね。

DJ SCRATCH NICE - 2024年の年末ぐらいかな。

DJ SCRATCH NICE - 彼の言ってることとか。普段の会話とかも結構、的を突いてくるというか。ラッパーとしてというか、人間的にナチュラルだし。あれだけナチュラルでいれるの、かっこいいなって思う。ラップも、どヒップホップなやつもできるし、それも踏まえて今の音楽性で進化しようとしていってんのが分かるから、すごいと思います。

DJ SCRATCH NICE - 何かのタイミングでビートをばって送って、MILESはその中から、これでやりたいって送ってきた。それで作品に入れることになりましたね。声も特徴的でラップを乗せてビートをかっこよくしてくれるラッパーの一人かなと思いますけどね。

DJ SCRATCH NICE - 僕はもう日々のルーティンみたいになってます。完全に生活の中には入ってますね。

DJ SCRATCH NICE - これが最後にできた曲で、他の曲を並べた時にハードな感じが足りないなと思って、この2人に声をかけた感じですね。Squash Squadすごく好きだったので、Vitoくんとも一緒にやれて嬉しかったですね。

DJ SCRATCH NICE - この2人も言わずもがななので、すごくスムーズに進みました。2人は互いにスタイルがあるし、安定感があってさすがって正直に感じました。二人のラップが戻ってきた時上がったの覚えてます。

DJ SCRATCH NICE - そうっすね、こういうのもあったらいいなと思ってて、The X-Ecutionersとか若い時めっちゃ好きで、彼らのアルバムでこういう形態の曲があったりしたんで、このビートだったらそういうのいいなと思って、SHOEにお願いしてスクラッチ入れてもらって。SHOEはプレイもすごくグルーヴのあるDJで生活とか全て含めてヒップホップの匂いしかしないやつなんでそういう部分も曲にいい意味ででたのかなと。

DJ SCRATCH NICE - このビートは絶対この2人だなと思って、あのビートを渡してて。

DJ SCRATCH NICE - 1曲単位だと全然、かかってないんですけど。ミックスとかはめっちゃ気になる所、いっぱいあったから、それで時間かかっちゃいましたね。

DJ SCRATCH NICE - 僕、基本的にあんましないんすよ。でも、今後は出来る限りしようかなと思ってます。それはこれまでにやった人が気になるからとかじゃなくて、自分がビートやるっていうことに対して、もっと向き合う姿勢が大事かなと。

DJ SCRATCH NICE - 例えばDJの時にこの人かっこいいからかけようって思うアーティストは、やっぱビート選びの部分が秀でてる人が一番最初にきますね。自分もビート作ってるから、この人こういうビートが好きなんだって、そこに基準とかこだわりがあるアーティストが好きですね。

DJ SCRATCH NICE - 大阪の友達にJelonicaのことを教えてもらってMV観たら、かっこ良くって彼が僕とFits Ambro$eの『Scratch Jointz』を聞いてるみたいなことを大阪のレコード屋の人に聞いてそれで去年か一昨年の末くらいに一回会ったことがあったんですよ。会ってからビート送ったら、2曲ぐらいピックしてその中の1曲がこの曲。最初は違うフロウのを送ってくれてまた新しくやりましたみたいな感じで乗っけてくれて、R&Bみたいな感じでやってくれました。

DJ SCRATCH NICE - あんまり聴かないですけどこの人いいなと思うシンガーは聞きます。ヒデオ君(仙人掌)のアルバム『BOY MEETS WORLD』の時は、"World Full Of Sadness"って曲でsogummって韓国のアーティストに入ってもらったこともあります。

DJ SCRATCH NICE - めちゃくちゃいいっすね。

DJ SCRATCH NICE - これも古くて。Jが「このビートでやる、やる」って言ってて。その間に自分のビートの曲が、他に3曲ぐらい出てたんじゃないかな。"Jiga"もそうだし、一緒にプロデュースした"Kids Return"とかもあったり、ずっと待ってたんですけど、全然返ってこなくて(笑)DaichiとJと遊んだときに「テツさん、Daichiとやるわ」って言って、Daichiのバースは返ってきたんすけど、Jのバースだけずっと返ってこなくて(笑)。完成したのは最後の方です。その後色々考えてエディットしたりして作り終えたって感じですね。

DJ SCRATCH NICE - そう。僕、Jに自分が没にするビートとかでも送るんすよ。送って聴いてもらって、「これ、どう?」とか聞いて、何でも送ってたんですけど。"Nov"のビートは送ったら、俺に聞かずぐらいのテンションで返ってきたんすよ、すぐ。

DJ SCRATCH NICE - ISSUGIくんとかにも送ったりするんですけど、全部送ってたのはJだけかな。Jは、聴く耳が柔軟というか。例えばJ自身がやらないにしても、「このビート、こういう感じだったら、はまるんじゃない」とか、「これ、こう変えたらいいんじゃない」とかアドバイスもくれたりしたんで。、FEBBのことがあった時くらいからずっと電話したりしてたんですよ。その時期くらいからビートを色々送ったりとかしてたら、全部送らないと駄目みたいな自分の気持ちにもなってて。

DJ SCRATCH NICE - 確かに。自分はラッキーだと思ってて。音楽とか、他のジャンルも分かんないですけど、自分の周りの環境が一番伸びるのに大事だと思ってて。身近にいい意味で長けて理解してくれる人がいるっていうのは、すごく自分にとっていい環境だと思ってて、その中でも特にJJJは自分にとってはそうでした。

DJ SCRATCH NICE - でも、アーティストっていう前に友達みたいな感じで見てたから。言葉じゃ説明できないというか。あと、僕にとっては理解者みたいなところはありました。

DJ SCRATCH NICE - いや。NYに行く前に東京に住んでたんすけど、Jがイベントに呼んでくれたことがあって、その時はまだ喋ったりはしてなかったですね。2018年ちょっと前ぐらいに一回、NYに来たんすよね。そこからずっと仲良かったですね。

DJ SCRATCH NICE - 本当、Daichiが入って、曲がまとまりました、曲の構成とかも最終的に色々一緒に考えてくれました。

DJ SCRATCH NICE - あのビートも最後まで、入れるかどうかを悩んだんですがB.Dさんから返ってきたのを聞いてこれ入れたらまとまるなと思ったのを覚えてます。あのビートとMILESのビートは対って言ってくれたんですけど、基本がメロウなビートが多かったんで、反対のビートも入れないとなと思って。

DJ SCRATCH NICE - ほんとに渋いって言葉が似合います。

DJ SCRATCH NICE - そうですね。あと、アカペラを違うビートとかに乗せたりとかもしたんですよ。B.Dさんの声の帯域っていうのかな、分かんないっすけど、全部、合うんすよね。安定感がすごいんだなと思って。

DJ SCRATCH NICE - トニーさんは、2015か6くらいにきてた時期に初めて会ったんです。そのときにちょっとしゃべったぐらいで。僕が帰る1年前にトニーさんが来たんですよね、ニューヨークに。そこからリンクすることが増えてって感じでした。

DJ SCRATCH NICE - トニーさんしかできないことを常にやっててかっこいいなと

DJ SCRATCH NICE - そうですね。普段話してる時も着飾んないで話してくれるし、すご
い心に刺さることとかを普段の会話で言ってくれますね。

DJ SCRATCH NICE - そうですね、これもトニーさんにしかできないことで他の人は絶対
できないものだなと。一回ドラムレスバージョンとかも作ったりしてみたり色々試してみ
たんですが、元のものに戻しました。

DJ SCRATCH NICE - トニーさんは日本人にはないスケール感がありますね。

DJ SCRATCH NICE - そうです。これも結構、早い段階でできてて。これも多分、ISSUGI君とBES君の曲と同じぐらいの時期にはとってくれてました。

DJ SCRATCH NICE - さっきも言ったけど、ビートをプラス10とかにしてくれるっていうか。やっぱ毎回返ってきたら絶対、良くなってる、あとぶれがないですね。

DJ SCRATCH NICE - あと、リリックとかも個人的には、すごい思い入れあることを言ってくれてるから。この曲を最初、シングルで出そうかなと思ってました。

DJ SCRATCH NICE - 特にないんですが、もっと出したいですね。Gradis Niceとも作ろ
うと喋ってます。あとはリリパが1月にありますね。

DJ SCRATCH NICE - ミックスはD.O.I.さんとChris Conwayってニューヨークの人と、あと、ドルネコ(弗猫建物)のTAPPO君にやってもらいました

DJ SCRATCH NICE - Chris Conwayに関してはニューヨークで一回彼のマンハッタンのスタジオに行ったことあって。一回、頼んでみようかなと思ってました。ミックスエンジニアとかマスタリングエンジニアってよく聞くと結構色が出るじゃないですか。chris conwayの真ん中で鳴ってる感じすごく好みでしたね。D.O.I.さんも最初は佐々木の提案で頼ませてもらって、ボーカルの処理がすごく良かって、"Phase"って曲でももう一曲お願いしました。TAPPO君はどっちかというとワイドにミックスする人かなと思っててハマったと思ってます。色々細かい注文したりしちゃったんですが、全部受け入れてくれました。

DJ SCRATCH NICE - そうです。トーヤと会ったのは俺がニューヨーク行った最初の時期に見つけためっちゃ簡単な仕事があったから入ったレストランにトーヤがいたんすよ。そこからの付き合いですね。そこから何年かしたら、デザイナーとしていろんな仕事をやっててLQQK STUDIOとかで働いたりとかもしてて。『Twice As Nice』のときもやってもらったし、今回、自分のをやってもらいました。

Info

2025/1/24(SAT)

DJ SCRATCH NICE「Let This Be The Healing」RELEASE LIVE @ WWW X

OPEN 18:00 / START 19:00

ADV. ¥3,500 / DOOR. ¥4,000  SOLD OUT

※税込 / ドリンク代別 / オールスタンディング

LIVE

DJ SCRATCH NICE

feat.

KID FRESINO, 仙人掌, MILES WORD, Vito Foccacio, Mr.PUG, Campanella, BES, ISSUGI, Daichi Yamamoto, B.D.

DJ

Fitz Ambro$e

SHOE

INFO:

WWW X 03-5458-7688

公演詳細URL:

https://www-shibuya.jp/schedule/019371.php

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2025/1/24(SAT)

DJ SCRATCH NICE「Let This Be The Healing」RELEASE LIVE AFTER PARTY @ SHIBUYA RING(ex. LOUNGE NEO)

OPEN  24:00

ADV : ¥2,500  *TICKET - zaiko : https://cultureofasia.zaiko.io/buy/1ArU:MFD:84611

DOOR : ¥3,000

※税込 / ドリンク代別 / オールスタンディング

SHOT LIVE : 

Campanella

DJ :

SCRATCH NICE

GRADIS NICE

BUDAMUNK

16FLIP

KID FRESINO

Info : https://shibuyaring.com

*This Party supported by clubasia.

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《ATTENTION》

※未成年の方のご入場は出来ません。入場時にIDチェックあります。

※ご入場の際ドリンク代別途¥700頂きます。

※再入場は出来ません。

*Persons under the age of 20 are not allowed to enter. There will be an ID check upon entry.

*Re-entry is not possible.

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