『ラップスタア誕生 2023』に出場し、最後の8人まで残り一躍注目を浴びた東京出身のラッパーWhoopee Bomb。奇抜なファッションスタイルと同時にメロディックなフロウや、Rageなどのサウンドを取り入れたその音楽性でも注目されている。
現在21歳を迎えたWhoopee Bombが、同じく『ラップスタア誕生』に出場していたLOMとのコラボ曲"Yogibo"を、HEROIC LINEの育成プロジェクトDO IT OURSELVES.からリリースした。『ラップスタア誕生』後のマインドの変化や、今作の制作過程などについて話を聞いた。
取材・構成 : 和田哲郎
- 年齢はいくつですか?
Whoopee Bomb - 21歳になりました。2002年の代なんですけど、早生まれで。
- 音楽に初めて触れたのは?
Whoopee Bomb - 父が車の中でずっとEd Sheeran流してたんですよ。音楽に初めて触れたのはたぶんそれです。
- その時に聞いた感覚というか、覚えていることはありますか?
Whoopee Bomb - 僕的には、Ed Sheeranの音を聞いたら「旅行だー!」みたいな感じだったんで、ワクワクするっすね。今でも聞くと思い出します。その時はまだあんまりヒップホップとかは触れてなかったんですけど。最初に音楽に触れてかっこいいなと思ったのはEDMですかね。中学生ぐらいの時はEDM聞いてました。
- 世界的にもEDMが盛り上がっていた時期ですね。そこからヒップホップにたどり着くまではどういう流れだったんですか?
Whoopee Bomb - 中学の頃から『高校生ラップ選手権』や『フリースタイルダンジョン』の影響でフリースタイルバトルが流行っていて、廊下でサイファーするみたいな感じだったんですよ。高校でもちょっとサイファーしたりして、まだその時点では曲作ってなかったんですけど、大学に上がって作ろうってなって。なんやかんや今に至るみたいな感じです。
- 大学生の時にクルーを結成したんですよね。
Whoopee Bomb - そうですね。僕が作ったわけじゃないんですけど、友達にボリビア人とスペイン人のハーフの子がいて、大学1年生の5月くらい、その子が急に「俺たちで曲作ろうぜ」みたいに言い出して、グループ作られて。やってくうちにどんどん本格的になっていって、自分も本気になって。
- 周りでサイファーが流行っていたというのは、同世代のラッパーの方に取材するとみんな言ってますね。自分は中学高校の時にはヒップホップ好きなんて、クラスに一人いればいい方だったんです。サイファーはどれぐらいの人数が参加してたんですか?
Whoopee Bomb - 高校だと好きな人も増えてたんで、好きな人が集まって、多くて20人とか。少ない時は3人とかでやってたんですけど。
- ちなみにどこでやってたんですか?
Whoopee Bomb - 公園の変なブニブニの上に立ってやってました。 公園に赤とか青とかの丸っこい遊ぶやつみたいな。それの上にひとりずつ立ってやってました。
- ビートはどうしてたんですか?
Whoopee Bomb - 普通にYouTubeで調べて。中学の時は携帯持ち込み禁止だったので、僕がビートボックスしてそれでバトルしてました。
- それぐらいサイファーが自然に行われていたってことですよね。それから大学に進学して、友達が結成したクルーに入ったと。
Whoopee Bomb - でもその友達は辞めちゃったっていうか、ちょっとラップが下手すぎて脱退させられて。
- でもそのクルーを通してWhoopee Bombさんもしっかりやってみたいという気持ちが芽生えてきた。
Whoopee Bomb - もう今はガチっすね。大学1年生の終わりぐらいからはみんな本気でやってたと思います。
- 『ラップスタア誕生』に出たのは大学2年生の時。そこで人生が変わった感覚はありましたか?
Whoopee Bomb - あれで振り切れた感はあります。出る前から本気でやってたんですけど、ちゃんと打ち込んでいこうというか、本当に覚悟が決まったのは『ラップスタア誕生』がきっかけですね。
- そもそもなぜ応募しようと思ったんですか?
Whoopee Bomb - 前年のやつとかちょくちょく見てたりして、やっぱり自分の名を売るためには一番いいメディアかな、と思って。あと普通に出てみたかったっていうのもあるんですよ。いいとこまで行ける自信はあったんで。
- 自信はどういうところから来ていたんですか?
Whoopee Bomb - いや、もう自分の才能に自信があったんで(笑)
- 実際それで最後の8人まで残っていますね。ちなみに今年の『ラップスタア誕生』も見ていました?
Whoopee Bomb - 「HOOD STAGE」はあんまり見れてないんですけど、ちょくちょく見てたっすね。決勝もライブしたんで。今年のやつも普通におもろいなと思いながら見てたんですけど、特に何も思わずおもろいな、みたいな。でも、いい人見つけたら一緒に曲やりたいとか考えますね。今年出場していたNia Varanくんとか、いいなって思ってサイファー見た時点でフォローしてたんですけど、昨日会って夜通しスタジオで熱い話をしてきて。だから、一緒に曲作りたいと思える人がいたらいいな、みたいな見方もちょっとあるっすね。
- 去年は参加してどうでした?
Whoopee Bomb - リスナーの数が本当に全然変わったっすね。だいぶ増えたかなっていう。それと、やっぱりシーンの中の人と曲を作れるようになったのが嬉しかったですね。僕はだいぶリスナーだったんで、「1st STAGE」で会ったTade Dustくんとか、もともとめっちゃ聴いていて普通に嬉しかったっすね。
- ちなみにリスナーだった頃によく聴いてたアーティストは?
Whoopee Bomb - LEXくんはすごい聴いてたっすね。同い年だけどすごいと思います、マジで。Only Uくんも聴いてたっすね。
- 日本のラッパーが多いですか?
Whoopee Bomb - 昔は日本のラッパーをよく聴いてましたけど、ここ1年くらいはほとんどUSばっかりです。アメリカの曲がたぶん9割5分くらい。
- その変化はなぜ?
Whoopee Bomb - 自分がプレイヤーになったから、ってところもあると思います。でも普通に最初あんまり知らなかったっていうのもあって、聴き始めたらシンプルにかっこよすぎて、「かっこよ」みたいな感じで。
- 海外のアーティストで衝撃受けたアーティストって誰がいますか?
Whoopee Bomb - Kanye West(現 Ye)とか、Playboi CartiやTravis Scott、Lil Uzi Vert、Futureも好きですね。やっぱ最新トラップ系というか、オールドスクールよりはニュータイプみたいな。Rageとか、Gloとか、そういう感じが好きですね。
- 今あがったアーティストって、みんなファッション含めてスタイルがありますよね。
Whoopee Bomb - みんなバチバチでやばいですね。あと、Trippie Reddが一番影響を受けてるかもしれないですね。音楽的にも、ファッション的にも。
- 『ラップスタア誕生』が終わって、その後まとまった作品だったりハイテンポでリリースしていったじゃないですか。でも今年になってペースが落ち着いたのかなという気がするんですけど、それはあえてというか、理由があるんですか?
Whoopee Bomb - クオリティをちゃんと上げたいなって。自分も今ビート作ってて、わりとスタイルも変わってきてるんで、今のレベルに合わせてちゃんとしたもの用意してますね。これまでは、けっこうがむしゃらに出してたんで(笑)。あんまりよくわからなかったっていうのもあるんですけど、今年からはちゃんと考えていきたいなって。まあ前もちゃんと考えてはいたんですけど、一回計画立ててやっていこうかなっていう感じですね。
- 主にどういうところを変えていこうと考えているんですか?
Whoopee Bomb - リリース時期とかの仕組みをあんまり理解してなかったんで、フィーチャリングの人のリリースと1週間差で被っちゃうこととかがあって。あと、たとえば今回の"Yogibo"だったら、夏の歌なんで初夏の時期に合わせて出すとか。そこら辺もちゃんと調整していきたいなと。あと一番はビートですね。やっぱりタイプビートだと、送ってもらったりする分音質もちょっと下がってるのかなとか、ベースが全然出てないことも多かったんで、今後はライブのことも考えて、ちゃんと作っていきたいですね。自分でできるところは自分でやりたいんですけど、知り合いのビートメイカーさんも仲良くしてくれる方が増えたんで、クオリティ上げていきたいですね。自分で満足できる作品じゃないとあんまり出したくないなって思うので。
- そう思うようになったきっかけはありますか?
Whoopee Bomb - やっぱUS聴き始めてからですかね。サウンドのクオリティや規模感が、まだ日本と海外だと差があるなって思ってて。それこそドルビーアトモスとかを日本で使ってるアーティストってほぼいないですけど、海外だともうデフォルトみたいになってる。あとやっぱり、音の面でフューチャーサウンド的なのが好きなんで、自分もあんまりないものを作りたいなって思うようになりましたね。
- トラックを作り始めたのもそういう部分で。
Whoopee Bomb - そうですね。自分の想像を100%落とし込めるのは自分しかいないなって思って始めました。
- ソフトはなにを使っているんですか?
Whoopee Bomb - 今FLです。
- ビートは結構作っているんですか?
Whoopee Bomb - ちょくちょく作ってますね。1ヶ月半前くらいから始めたんですけど、もう15本くらいは作ってるかな。
- ビート作りは楽しんでできている。
Whoopee Bomb - めっちゃ楽しいっすね。ラップするのと同じくらい楽しいです。
- いいですね。自分で作れて自分で歌えたら、それが一番早いし理想にも合うじゃないですか。
Whoopee Bomb - 満足できるまで改善がきくっていうのがやっぱでかいかな。言葉で伝えてもレスポンス返ってくるまでに時間かかるし、伝わりきらないこともあると思うんで。だって、感覚的な話じゃないですか。それと、自分でビート作りたいなと思ったのは、999dobbyくん、lilbesh ramkoくん、kegønくんとか、世界観を作り上げるために一人でビートから作ってる人と友達になって、その人たちの影響もたぶんあるっすね。
- lilbesh ramkoさんとか、いろんなスタイルがあるけど、全部彼らしいみたいなところありますもんね。
Whoopee Bomb - なんのスタイルでも、やっぱリスペクトできる人はちゃんとできると思ってて。別に「この音楽だから」っていうのはないと思う。いろんなジャンルの人と仲良くなって、いろんな音楽に触れたいなと思います。
- 1年前の『ラップスタア誕生』を経なかったら、今のような考え方になっていなかったと思いますか?
Whoopee Bomb - たぶんあんまりなかったと思いますね。自分でビート作ることもできたらいいなぐらいには思ってたけど、今はとりあえずラップの実力を上げていくこと優先かな、みたいな。狭いところから視野が広がったかなって感じですね。
- "Yogibo"の話も聞けたらと思うんですけど、LOMさんは同期ですよね。
Whoopee Bomb - そうです、ラップスタアの。しかもサイファーが同じグループで、普通に友達ですね。
- どういうきっかけで作り始めたんですか?
Whoopee Bomb - これ本当は1年前に曲としてある程度形ができてたんですよ。LOMくんとは声的にも普通に相性よさそうだったし、作りたいねっていう話はしてて、最初に作ったのが"Yogibo"で。で、1年越しなんですけど、やっぱフックがキャッチーでいいなって自分で思ってたんで、バースだけ取り直してリリースしようってなって、MVとかも店内で撮らせていただけることになって、満を持してみたいな感じですね。
- YogiboというテーマはWhoopeeさんから?
Whoopee Bomb - そうですね。Yogiboがうちにあって普通に寝たりもするんですけど、Yogiboって1回寝たらマジで起き上がれないんですよ(笑)。で、それと恋人とか大事な人とかみたいな、離れられない感覚みたいなのをかけた感じですね。
- 比喩的にラブソングになっている曲が多いですよね。
Whoopee Bomb - 多いっすね(笑)。
- 歌詞を書く時は結構そういうモードになるんですか?
Whoopee Bomb - 僕どっちかっていうと歌詞よりフロウを先に考えることが多くて。今回は同時並行くらいだったっすけど、普段はほんとに、その場でマイクに向かってオートチューンかかった状態で奇声を発しながらやる感じなんで(笑)。あんまり考えて書くっていうよりは、やっぱビビッと感覚的にやっていく感じですね。
- フロウのアイディアはビートを聴きながら?
Whoopee Bomb - もうバラバラですね。歩いてたり駅でぼーっとしたりして思いつくことはたまにあるんですけど、そういう時は隠れてボイスメモにボソボソ録って、で、帰って撮り直したり。それ以外は基本的にマイクの前で、オートチューンかけた状態で適当に宇宙語でわちゃわちゃ言って、いい感じのフロウ探すみたいな感じです。
- 曲作りはスムーズに進むことが多いですか?
Whoopee Bomb - いやー、できる時は一瞬でできるんですけど、できない時は一回やめますね。
- ストックになっている曲もたくさんあるんですか?
Whoopee Bomb - そうですね、出してないのめっちゃあると思います。
- どれぐらいのスパンで曲作りしてるんですか?
Whoopee Bomb - 日によるんですけど、7月の前半は1日で2曲作らなきゃいけない時があったり、でも逆に忙しい時は1週間に1曲ぐらいしかできない時もあるんですけど、まばらですね。でも、歌詞書くのはめちゃくちゃ早いと思います。こないだ、とあるスタジオに10人ぐらい集まって、半分遊びみたいなサンクラに出すぐらいのノリの企画があって。1時間以内にフロウと歌詞考えて8小節蹴る、みたいな。で、レコーディング時間が1人10分だけっていう。僕はもう10分ぐらいでできて、一番乗りでレコーディングできたんで、たぶん早い方なんじゃないかな。
- でも、ワードチョイスもポップだと思うんです。フロウ先行とはいえ、そこに言葉を当てはめなきゃいけないわけじゃないですか。歌詞を書く上で参照してるものや影響を受けているものは?
Whoopee Bomb - やっぱ漫画とかゲームとかアニメとか好きなんで、そういうのもちょくちょく影響を受けてるっていうのもあるんですけど、でも、歌詞はほんとに自分の経験上のことしか言ってないですね。やっぱでも、直感が多いかもしれないです。Yogiboと恋人とで被る部分があるな、みたいな、ビビッときたんで、それをテーマ決めて、テーマに沿って書いていくって感じです。歌詞はそのパターンが多いですね。やっぱテーマ決めないとわけわかんなくなっちゃうっすね。
- "Yogibo"を皮切りにリリースが増えていく感じですか?
Whoopee Bomb - たぶんそうだと思います。わりといろんな人と客演で僕が入ってる曲とかもあるんで、それもちょくちょく出てくかな。
- 今って日本のヒップホップシーンも大きくなっていて、なによりサイクルがすごく速くなってるじゃないですか。そんなシーンにこれから挑んでいく、入っていくという上で、どういう部分をアーティストとして気をつけてやっていきたいですか?
Whoopee Bomb - さっきクオリティを高めるって言ったけど、ちゃんとクオリティ高めてからじゃないと、一瞬伸びたとしてもすぐに消費されて終わっちゃうと思うんで、やっぱそこですね。最終的な僕の目標は、聴いただけで頭真っ白になるくらい気持ちよくなれる音楽なんですよ。だから、サウンドを磨いていくっていうのが、目標に対してもシーンに対しても、挑戦していくための僕の武器にしたいですね。
- Whoopeeさんのスタイルって、どちらかというと日本ではオルタナティブなジャンルではありますよね。そこについて迷いはないですか?
Whoopee Bomb - 正直、こんなこと言ったら怒る人いっぱいいると思うんですけど、ヒップホップって文化があるのは重々承知の上で、音楽としてそんなに括らなくてもいいのかなって思ってて。だって他にいいものがあって、取り込んだらもっと良くなるのに取り込まないのはもったいないなって。最終的に究極の音楽を作りたいので、なにに対しても取り込めるところがあれば、全部取り込みたいですね、僕は。全部のいいところを吸収できたら、誰よりもよくなるじゃないですか、理論的に言えば(笑)。オルタナティブでもR&Bでもレゲエでも、使えるものは全部自分の曲に生かしていきたいですね。だから、ヒップホップの芯さえあれば、周りについてくる技術とかっていうのはそんなに否定的になる必要はないのかなと思います。
- ヒップホップの芯というのは、どういったマインドですか?
Whoopee Bomb - 僕の判断基準はもう、自分が納得できるかっていうことだけですね。自分がダサいと思ったものは絶対に出したくないし、一定ラインを超えてなきゃ出したくない。本当に自分がかっこいいとか、キャッチーで伸びそうだなとか、そういうふうにちゃんと思えたやつじゃないと、あんまり出したくないですね。
- そこの基準は厳しく持っているんですね。
Whoopee Bomb - そうですね。僕、フォロワー50人とかのラッパーの人から客演の依頼が来たとしても、ちゃんと全部聞いて、かっこよかったら絶対入るようにしてて。まだ僕はそんなに言えた立場でもないですけど、自分の中で、「この人とはまだかな」みたいになる人はちゃんと断るようにしていて。自分の中でかっこいいと思えたらって感じですね。
- 制作する上で、その基準で悩むことはありますか?
Whoopee Bomb - 一番は……でも、フロウが楽しくなりすぎて歌詞が思い浮かばないとかあるんで。
- それはいい悩みですよね。
Whoopee Bomb - US聴くようになって、フロウが変わってくじゃないですか。取り入れてレパートリーが増えてくと、日本語が合わなくなってくるところとかも結構あったりして。そこをちゃんと日本語で当てはめつつ、いかに個性を出せるかっていうのは考えてますね。
- 2、3年後あたりに達成したい目標ってありますか?
Whoopee Bomb - ずっと言ってるんですけど、やっぱ『POP YOURS』に出たいなっていうのと、あとはリスナーをどんどん増やしていきたいですね。月間リスナー10万人とか20万人いけたらいいなって。2、3年後となるとそうですね。究極的には自分で満足できるものを作りたい。音楽が本当に好きなので、自分でヤバいなって思える音楽を作るのが一番の目標ではあるんですけど。
- とにかく今は楽曲のクオリティにこだわってると。
Whoopee Bomb - 今はそうですね。クオリティもそうですけど、新しい技術をどんどん取り入れて、できることを増やしたいなっていう段階ですね。
- トラック作り以外にやりたいことがあるんですか?
Whoopee Bomb - 動画作成とかもやってみたいなって。あと、ラフミックスくらいまでなら自分で作れるんですけど、マスタリングも知識あったら曲に対する理解度も絶対変わってくると思うので、そういう部分もゆくゆく学んでいきたいなとは思ってます。
- いろいろ勉強したいという。
Whoopee Bomb - そうですね。いや、もう自分の曲を極限までよくしたいんで。
- ちなみにこの人と一緒に曲をやってみたいなというアーティストはいますか?
Whoopee Bomb - ちょっと書いてたんですよ、やりたい人リストみたいな。見てもいいですか……あ、僕、Yo-Seaさんと作りたいなって思って。本当に声が唯一無二っていうか、USでもどこでも通用する声だと思うんです。あと、この間ひらめいたのはレゲエのARAREさん。〈天国になどとうに行けないけど この音楽なら聴ける〉ってフレーズの。いっぱい作りたい人はいるけど、やっぱり僕は、その人じゃないとこなせない役割がある人と作りたいですね。
- Whoopee Bombさんが大事にしているオリジナリティを、相手のアーティストも持っていることが大事なんですね。
Whoopee Bomb - そうですね。さっきKanye Westの名前もあげたっすけど、曲に合わせて客演を選ぶ能力がものすごく高いなって思ってて。で、僕は誰かと曲作りたいから作るっていうのはもちろんあるんですけど、作ったイメージに最も当てはまる人をちゃんと入れたい、っていうって感じですね。それが無名だろうが有名だろうが、なにも関係なく。
- ディレクター気質というか、客観的な視線を持っているんですね。
Whoopee Bomb - 客演とか展開とか音のクオリティとか、最終的に全部含めて一番すごい曲を作りたいと思ってて。めっちゃラップが上手い人はいっぱいいると思うんですけど、全部含めてクオリティが高いものを作りたくて。
- ファッションもすごい考えてるのかなと。
Whoopee Bomb - いや、ファッションに関しては生まれ育ちが原宿付近なこともあって、結構見てきたっていう。あと、昔からウルトラマンの怪獣がめっちゃ好きなんですよ。ちょっとキモカワみたいなのがめっちゃ好き。カビゴンとか、ノコッチみたいな。ラッパーで言ったらTrippie Reddとか、そういうのがめっちゃ好きなんですよ。ビジュアルとして。
- ヴィラン的な。
Whoopee Bomb - ヒーローよりヴィランの見た目の方が好きなんですよね、どっちかというと。なんで、僕は最終的には人間やめるくらいのビジュアルを目指してるっす(笑)。Lil Uzi Vertの額にダイヤ埋め込んでるのとか、もうしびれたっすね。
- マーチャンダイズとか、ファッション関連でも将来やりたいことってあるんですか?
Whoopee Bomb - Tohjiくんとか、それこそ〈GR8〉とコラボしてグッズ出してたりするんですけど、出すなら自分でやりたいなっていうのはあるっすね。デザインできるかどうかは一旦別として、そういうのはめっちゃやってみたいですね。というより、わりとなんでも楽しいことはやってみたいですね。
- ちなみにPOP YOURSに出ることや、作品のクオリティを上げることが目標だと仰っていましたけど、今の自分に足りない要素があるとすれば、どういう部分だと思いますか?
Whoopee Bomb - 楽しくないことへの勤勉さですかね。いやもう、SNSとか全く更新できないんですよ、本当に。僕は曲を聴かせたいんですよ。やんなきゃいけないのはわかってるんですけど。やった方が確実に数字は伸びてくっていうのはわかっていても、動かないというか、思い浮かばないというか。楽しい時だったら曲なんていくらでもできるんですけど。
- 今はそこの使い方がうまい人が……
Whoopee Bomb - 重要ですよね、勝ち上がるには。なんとかそこもちゃんとやりたいですね。はい、頑張りたいです。
- 不得意なことをやってストレスためても仕方ないとも思いますし。
Whoopee Bomb - 元々がめんどくさがり屋なんで、それこそ楽しいことだったら無限にできるんですけど、そこですね、やっぱり。やりたくないことをやる能力が低い気がする。ラッパーの活動に関してはほぼほぼやりたいことなので、夜の3時ぐらいから新宿あたりで待ち時間放置されてもなんとかなるんすけど、ツイッター更新できないっす。インスタも。
- たとえば「今日かっこいい服着たよ」みたいなことを外に発信したい気持ちは特にない?
Whoopee Bomb - 僕、写真全く撮らなくて。気づいたら終わってるんすよ、一日が。今日は写真撮ろうと思ってたら、イベント終わって、普通に次の日みたいな感じだったり。服は好きなんすけど……なんで発信したいと思わないんですかね?
- でも、曲を聴いてほしいとか、目立ちたいという欲求はあるわけじゃないですか。
Whoopee Bomb - そうなんですよ。
- それ以外のところで目立ちたいっていうのは。
Whoopee Bomb - ないんですかね。やっぱMVでビジュアルは見てもらいたいですけど、普段のビジュアルは別にそんなに見てもらいたいって思うことないのかも。SNSちょっと頑張っていきたいと思います。
Info
2024年7月31日(水)
DIGITAL SINGLE『Yogibo feat.LOM』
https://whoopeebomb.lnk.to/yogibo
《LIVE》
2024年8月25日(日)
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