空族の富田克也監督による映画『国道20号線 デジタルリマスター版』や、空族が影響を受けたロードサイド映画3作品を特別上映する『ロードサイド・フィルム・フィスティバル<選べ、失え、行け!2022>』が10/15(土)から新宿K’s cinemaで開催される。
「撮りたいものを勝手に撮る」の名の下に『サウダーヂ』、『バンコクナイツ』、『典座 -TENZO-』などを送り出してきた空族。『国道20号線』は『サウダーヂ』の前夜、2007年に制作された作品だ。当時、トラック運転手をしていた富田克也が、国道沿いの郊外にパチンコ屋と消費者金融のATMが隣り同士にあることに気づき、そこを行ったり来たりしながら毎日を過ごす若者たちの物語を着想して作られた。国道沿いに立ち並ぶドン・キホーテ、パチンコ屋、ATMは当時の日本のどこの郊外にもみられた光景だった。まさに2000年代を代表するロードサイドの青春群像として名高い本作が、今回16mmをネガから2Kスキャン、5.1chに整音し直し15年ぶりに鮮やかに生まれ変わった。
今回の特集では、空族が影響を受けたロードサイドの映画を特別上映。まずは名匠・曾根中生がキャリアで一番の自信作と自負した実録青春ドラマ『“BLOW THE NIGHT ! ” 夜をぶっとばせ』、『シド・アンド・ナンシー』を手掛けた鬼才、アレックス・コックスが放つ灼熱のハイウェイアクションムービー『PNDCエル・パトレイロ』 、中国の巨匠、ジャ・ジャンクー監督の長編第3作目となる青春ドラマ『青の稲妻』の3作品を上映する。
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2007年に公開された『国道20号線』は16ミリフィルムで撮影されたが、資金の問題もあり当時のデジタル技術で変換後、完成され、これまでの15年間上映を続けてきた。しかしその間も16ミリフィルムの美しさを諦めきれなかった。そこで今回、全ての16ミリネガを2Kデジタルリマスター、音声も現在の技術によって全て一新。制作した私たち自身、これが同じ映画かと見まがい、ようやく『国道20号線』が完成したのだと確信できた。
そして15年の時を経て、”完成”した『国道20号線』を再見すると、当時、空族が影響を受けていた作品がいくつか思い浮かんでくる。これら三作品の舞台は国は違えど、いずれもロードサイドの青春を描いている。
『青の稲妻』は発展しつつある中国の地方に生きる行き場の無い若者たちを描き『PNDCエル・パトレイロ』はメキシコとアメリカンドリームはドラッグの一本道で繋がっていることを教えてくれた。『“BLOW THE NIGHT ! ” 夜をぶっとばせ』は「国道20号線」とまさに地続きだ。
ロードサイドから世界へ。道は常に繋がっている。―空族(富田克也・相澤虎之助)
Info
ロードサイド・フィルム・フィスティバル<選べ、失え、行け!2022>
提供:空族 主催:ブライトホース・フィルム 協力:日活、アダンソニア、ビターズ・エンド
期間:2022/10/15(土)~28(金)
場所:新宿K’s cinema 東京都新宿区新宿3丁目35-13 3F
2022年10月15日(土)~28日(金)新宿K’s cinemaにて開催!