FNMNL (フェノメナル)

【インタビュー】hime(lyrical school)『Wonderland』|ヒップホップでもなくアイドルでもなくリリスクらしさを

yuu、minan,、hime、 hinako、risanoの5人からなるlyrical schoolが、4/7(水)にニューアルバム『Wonderland』をリリースした。今作にはChelmicoのRachelやKMを筆頭にPESやALI-KICKなどの面々が制作に参加。ポップさとジャンルレスなテイストを織り込んだトラックに、バラエティーに富んだ5人のキャラクターを活かした内容になっている。

FNMNLではメンバーの中で最もラップに精通し、日本のラッパーのライブにも足繁く通っているhimeに単独インタビューを敢行。himeの目線からの現在のlyrical schoolの立ち位置や、自身のヒップホップ観などについて訊いた。

取材・構成 : 和田哲郎

撮影 : Cho Ongo

 - アルバムリリースおめでとうございます。himeさんがいることでヒップホップ、ラップ的な部分を担保しつつ、だからといって「lyrical schoolで100%ヒップホップをやります」となっても変だし、ポップさとのバランス感が良くなっているのかなと思いました。個人的にはいかがですか?

hime - 私も全く同じ感想ですね。それこそKMさんにプロデュースしていただいた”TIME MACHINE”のようにヒップホップな感じの曲もありつつ、“Fantasy”のようなアイドルらしさも残ったポップな曲もあって。今までのアルバムよりカラフルというか、良い意味でバラバラな曲だなと思って。そこが仰って頂いたようなバランス感になったのかなと思いますね。

 - カラフルになった要因は、メンバーを一新して体制が安定したというか、それぞれのメンバーのキャラクターがはっきりしたからなんでしょうか?

hime - キャラクターで言えば前作ぐらいからハッキリしだしていて。というのも、そもそも入ってきてくれたメンバー3人が元々の個性が強い。私もオーディションを見にいったんですけど、声が低いrisanoだったり、オーディションで私も一目惚れしたyuuの歌声とか、hinakoの可愛らしい感じとか、出会った時からキャラ自体はみんな確立されていたと思うんですね。バラエティ豊富な曲が出来たのは、みんながそれぞれ自分のキャラじゃない声も出せるようになったからかなと思っていて。hinakoは可愛いキャラでやってきたので、担当するパートも可愛い感じだったんですよ。でも“TIME MACHINE”だったら、今までだったらrisanoが任されるだろうパートをhinakoがやってみたり。あとvalkneeさんが作ってくれた“SHARK FIN SOUP”では、カッコいいパートをやっている。risanoも低いところじゃなくて高いパートをもらってたり、従来の割り振りとは違う新しい割り振られ方をしたのも要因かなと思います。

 - それぞれに割り振られたところ以上のものを、みんなが出せるようになってきたと。

hime - 私たちメンバーも出来上がったものを聴いて「これこの子の声なんだ!?」っていう感触があったりするくらい意外性が出ていましたね。

 - それは音楽に向き合う姿勢のようなものがより強くなってきたからこそ?

hime - それもありますし、私たちはライブも結構自由にやらせてもらってて、試せる機会が多いんですよ。他のアイドルさんって立ち位置も決まってたり、パートもガチガチに決まってたりするんですけど、私たちは立ち位置も途中からなくして、私はKANDYTOWNみたいになりたいんで、グルグル歩き回る感じでやっていて(笑)。ガヤとかも、Redbullの『RASEN』っぽい感じで、自分のパートじゃないメンバーがどんどん入れて欲しくて。理想がそういうものなので、型に嵌った従来のアイドル像というよりは、ライブで新しいことを試せたことがレコーディングにも反映されてる。「ちょっとやってみよう」みたいなのが出来るようになったのかなって。

 - レコーディングは、いきなり「じゃあこれをやってみよう」と言って出来るものじゃないですもんね。

hime - 私以外のメンバーも言ってたんですけど、今回の『Wonderland』のレコーディングが今までで一番準備してきたフロウで出来なくて。もちろんレコーディング本番なので、みんなそれに向けて仮歌を聴き込んだり準備していくんですけど、自分が用意していったものとは全然違うものが使われていたりするので。レコーディングで何パターンも「次あれっぽくやってみよう」「ここやってみよう」ってやったのが転じて、今選んでもらっているような感じになったので、普段試せていたからこそなんだなと。知らず知らずのうちに自分たちで引き出しを増やしていたというか。それを見つけて凝縮したアルバムって感じですね。

 - さっきKMさんの曲を「ヒップホップらしい」と仰っていましたが、あれも単純なヒップホップのトラックじゃないですよね。彼らしい展開もあるし、エレクトロニックっぽい音像。そういう広がりが音楽的にあるのが面白さかなと思っていて。そういうチャレンジは、lyrical schoolだからこそやり易かったところもあると思うんですね。自然に出来ちゃうのは、ヒップホップとアイドルの中間にいるからなのかなと。

hime - 嬉しいですね。私はもともとヒップホップがずっと好きだったので、100%アイドルとして見られるのがそんなに嬉しくないというか。めちゃめちゃアイドルグループだったら問題無いんですけど、ヒップホップもやっていきたいので「アイドル」って括られるのも嫌だったし、ヒップホップの畑にいって「え、ヒップホップなん?」って言われるのも嫌で、結構葛藤する立ち位置だったんです。でも仰って頂いたように、ジャンルレスにというか、どっちの分野の人も簡単に出来ないようなことをサラッと出来るのって、私も最近気づいたリリスクの強みだと思っていて。今作でそれを、リスナーの方にも気づいて頂けたら良いなと思います。

 - 個人的には“SHARK FIN SOUP”も面白いなと思って。

hime - 面白いですよね。

 - “SHARK FIN SOUP”を聴いた時にBAD HOPの“Chopstick”も自然に思い出して。

hime - え、え、嬉しい!私プレゼンでずっと「MVを“Chopstick”のMVと全く同じところで撮りたい」って言ってて(笑)。予算的にもきついけど、私NENEのヴァースが大好きで、そこを私がやりたくて。hinakoってSANTAっぽい動きが出来るんですよ。めっちゃ嬉しいです!

 - でもこの曲は、“Chopstick”が出来る前からあったんですよね。

hime - そうなんです、出来る前なんですよ。ずっと言ってたので嬉しいです!

 - 勝手に似てきちゃうっていうのは、ある意味時代性の反映ですね。でもこの曲は結構変な曲ですよね。歌詞を渡された時はどう思いましたか?

hime - 私そもそもvalkneeさんが好きで、最近聴くのも変な曲が多くて。それで言うと今回のアルバムでは一番今っぽいなと思ったので、変であれば変であるほど最近の自分には刺さって。だからこの曲は嬉しかったですね。あと、valkneeさんとやるのも初めてじゃなかったので、初めてだったらこんな曲来ないと思うんですよ(笑)。そういう点でも楽しかったですね。

 - ちなみに、最近好きな変な曲というのはどういうものですか?

hime - ラッパーで言ったらOnly Uくんとか、独特じゃないですか。私海外のラップも最近聴くようになって、それで言うとGunnaとかも、私からしたら良い意味でキモいというか。valkneeさんのディレクションも「癖ある感じでやって良い」って言われたので、Gunnaとかを想像して(笑)。

 - himeさんのヒップホップ観も広がっているんですね。

hime - 広がってます。前は本当に狭かったんですよ。本当に特定のアーティスト、TOCさんが大好きで、TOCさんだけだったんですよ。他のアーティストを聴くとしても客演だったりフィーチャリングだったり、何らかのTOCさん絡みの人だけちょっと聴いて、そこで広げるような感じで。幼稚園まではお父さんの影響で海外のラップを聴いてて。パパは本当に日本語ラップが嫌いなので、小学生の時はTOCさんをママとこっそり聴いて。中学ぐらいから自分でやり始めたので、その辺から「流石に色々聴かなきゃな」って感じで、ちょっとずつ色んなものを聴いて。高校生でバトルが流行り出したので、バトルも見て。今大学を卒業したばかりなんですけど、本当に今になって海外のラップを自分で聴くようになって。

 - きっかけはあったんですか?

hime - BAD HOPが中学ぐらいからずっと好きで。ラップやってる友達も、「やっぱり結局BAD HOPが最先端」みたいなことを言っていたし、今ってTikTokが流行ってて、ヒップホップどうこう以前に、TikTok経由とかで、みんな普通にBAD HOPは好きなんですね。それでパパとローライダーのイベントに行った時に、当たり前ですけど海外のラップが流れてるじゃないですか。どれを聴いてもBAD HOPっぽかったんですよ。だから本当に「BAD HOPって海外のものをちゃんと聴いてちゃんとやってるんだな」と思って、じゃあ最先端を知るには海外のものを聴くのが早いんだと。普通の人と逆でした(笑)。

 - それでGunnaとかを聴くようになったと。

hime - そうですね。

 - もうヒップホップはポップミュージックになってるし、じゃあその上でlyrical schoolが普通にトラップをやるだけだと普通になりすぎると、ある意味思うんです。で今作を聴いた時に連想されたのがハイパーポップっていう......。

hime - 私最近ハイパーポップ超好きなんですよね。

 - なるほど。今後リリスクがハイパーポップっぽい方向に進むのは、凄く可能性があるのかなと。

hime - 嬉しい、私もやりたくて。あのポコポコした感じが好きで、それをアイドルがやるのも良さそうですよね。

 - しかもハイパーポップって展開が複雑というか、一曲の中に色んな展開が入ってると思うんですけど、リリスクだったらそれを一人でやる必要が無くて、5人それぞれの味で出来るのかなと思ったりして。

hime - めっちゃやりたいんですよね。

 - “TIME MACHINE”もだし、“Bright Ride”や“FIVE SHOOTERS”あたりも結構トラックに展開がありますよね。そういう影響が自然に入ってきているのかなと思って。

hime - うちらってトラックだけで聴いたこと無いんですよ。最近ラップやってる友達が趣味でEPを作るって言ってて、出来上がったトラックを聴いて歌詞考えてる時に、「そっか、当たり前だけどその順番だよな」と思って。私たちって仮歌が乗った状態で来るんですよ。インストを出してたりもするんですけど、それは仮歌とか自分たちの声のバージョンを出した後とかに聴くので、先にトラックだけで聴いたことが無くて。結局レコーディングの後にトラックが変わることもあるんですけど、最初に聴いたことは無いなと思って。

 - なるほど。リリックを書くのもやってみたいと思いますか?

hime - やった方がいいですよね、むしろ。そこが「アイドルじゃん」って言われるところだと思うんですよ。もちろん書いて頂けるのも超ありがたくて、Rachelさんが歌詞を書いてくれた"Fantasy"の歌詞を読んだら「これRachelさんだろうな」って読んでるだけで思うし。歌を聴く前にリリックを見るんですけど、「絶対Rachelさん書いてるじゃん」って分かる感じだったし、それってうちらメンバーが書いたら出来ないものなので、人に書いてもらえるっていうのは新しいヒップホップのあり方というか、私たちにしか出来ない贅沢なことだと思うんですけど。でもその中に自分たちが書いたものがあっても良いと思うし、むしろ他のラッパーはみんなそうじゃないですか。そういうのもやれたら良いなって思いますね。ライブ曲では自分たちで書いてるものもあるので、次回とかからはやれたらいいですね。

 - ちなみに、hinakoさんの「次の一万円札の絵柄はアタシ」って歌詞は、アメリカのラッパーってお札を「Dead President」っていうスラングで言うことがあるんですけど、そういう意味まであった上でこんな歌詞なのかなと思って。

hime - えー!?どうなんですかね。Rachelさんに聞きたいですね(笑)。

 - そういうところも含めて面白いなと思いました。この曲だとどこが好きですか?

hime - ラストの、「ネガティブなことだけ本音だと思われちゃって」ってところですね。結構ふざけたりする箇所もあるんですけど、最後の最後で真理というか、ドーンともう一段階深くなる感じが良くて。Rachelさんの、明るいけど明るいだけじゃない感じが好きで。それが凄く反映されてるなって思うリリックですね。

 - himeさんもlyrical schoolのメンバーとして、しっかり振る舞っているかと思うんですが、こういう気分になることもありますか?

hime - 私はむしろずっとこうなんですよ。全然明るい、開放的な歌より内省的でダークな歌が好きで、めっちゃ分かりやすく言うと、Jin Doggってずっと叫んだりマイク投げたりしてライブするじゃないですか。それより悲しい方のJin Doggが好きなんですよね。だから歌詞も音楽も、攻撃的よりも悲しい方が好きなんですよ。

 - じゃあ、例えば一人で作品を作ることになったらもっと違うものが出来ていくんですかね。

hime - 明るいリリスクらしいものは出来ないというか、自分から出てこないからこそ、今グループにいる中でソロをやるのが難しいなと思っていて。私はリリスクのポジティブな感じを超大事にしていきたい。それにグループの中の一人が、超ダークな歌とか怒りに満ちた歌を歌ってたら嫌なんですよね。私が側から見てリリスクの子がそういうのやっていたら嫌なので、グループにいる間は明るくやりたいというか。リリスクらしさをずっと大事にしたいなっていう葛藤ですね。

 - でも、やっぱり個人で表現したいこともありますよね。

hime - その方がリアルですもんね。

 - ダークめな曲はずっと好きだったんですか?

hime - 最近自分でちゃんと認識したんですけど、Hilcrhymeしか聴かなかった時なんですけど、アルバムって色んなタイプの曲が入ってるじゃないですか。Hilcrhymeは明るい応援歌とかラブソングばっかりシングルで出るんですけど、アルバムの中には悲しげな歌も収録されていて当時もそういう歌が好きで。でも本当にアルバム曲なのでライブでもあまり聴けないんですよ。だから「私が好きなものって、シングルのように万人受けするものとは違うのかな」ってずっと思っていて。でも最近になって、Jin Doggの二面性とかを見ていると「私は全然こっちの方が好きだな」って気付きだして。当時は「私ってみんなとズレてるのかな」って思ったんですけど、最近BAD HOPのTiji Jojoがフック任されることが多いじゃないですか。Jojoもちょっと悲しげな感じが好きだったんですね。「最近Jojoも出てきてるし、私の感じって間違ってなかったんだ!」って思って、Jojoが出れば出るほど自信を持てて(笑)。

 - “Suicide”などはそうですよね。

hime - そうなんです。ああいうJin Doggが好きなんですよ!

 - どうしてそういう曲に惹かれるんでしょうか?

hime - 明るさに満ちた歌とかって、結構世の中にいっぱいあるというか(笑)。もちろんCMソングでもなんでも多いのは当たり前で、悲しげな歌ばかり流れていても怖いんですけど。だから、自然と触れるのがそういう歌ばっかりで、それこそ給食の時間とかに流れる歌も、盛り上がる歌ばかりじゃないですか。でもダークな曲って自分から好んで選ばないといけない状況にあるから、それが好きなんです。あと、「自分が持ってる薄暗い部分を、こんなに綺麗に言葉にしてくれるんだ」とか、曲に昇華したら実は大したことなくて「全然大丈夫なんだ」って気付けたり、それが出来るから好きなのかもしれないですね。

 - リリスクとしての活動があるからこそ、個人的にもバランスが取れてるって部分もあるんですか?

hime - そうですね。それこそ、リリスクで悲しげな歌ってあまり無くて。普段は本当に触れていないから好きなのかもしれないですね。ライブでも悲しげな表現をするより、自分たちの生い立ちを見せつけるラッパーとかとも違って、目の前のお客さんを楽しませたり元気にするためにやっていて。ステージに立つ自分はそうだけど、降りたらエモーショナルになる歌を聴いたり。そういう感じですかね。

 - 本人としては、そういうギャップは別に気にならない?

hime - リリスクにいる自分は別の人として思ってやっていますね。元々リリスクのファンだったので、ソロでやってたら「自分をどう見せよう」って思ってたかもしれないですけど、リリスクに入るときは「リリスクのhimeだったらどういう人なのかな」みたいに考えていて。今までのインタビューとかも、私が個人的に答えるとしたらもっと適当だけど、リリスクのhimeだったらどう答えるかを考えながら喋るような感じですね。他のメンバーがいるっていうのも大きいかもしれないですね。「これ他の子もやりたいだろうな」って思ったら、逆に私しか出来ないか、他の子がやらないことはなんだろうって考えたり。みんなが足りていない部分を補って、穴を埋めあってる感じなので、他の4人がいてくれるのが大きいのかなと思います。

 - 最初に、今回はみんな出来ることが増えたというお話がありましたが、その中でhimeさんが今作で「自分はこういうことが出来た」と思った部分や、新しいチャレンジの中で印象深いことはありますか?

hime - それは、“TIME MACHIE”の自分のヴァースですね。アイドルって結構ハッキリ発音しないといけなくて、私も最初は凄く発音がちゃんと聴こえるように練習したんですけど、一発目にKMさんに「もっと何言ってるか分からなくしていい」って言われて、凄く焦って。「こんなにハッキリ練習してきたのに、これじゃないんだ!」って思ってびっくりしちゃって。というのも、今までは例えば「笑う」の「う」が言えなかっただけでもそこだけパンチしたりしていて、聴こえづらいところも直して、なるべく届けやすくしていたんですけど。でもそれを全部崩していいっていうのが、今まで考えていたことと反対で。ハッキリ発音することばかり考えていたので、「崩すのか」って。でもそう言われれば、最近聴いてるラッパーも全員良い意味で何言ってるか分からないというか、歌詞を読んでやっと分かる感じじゃないですか。あれも、ハッキリ言ってたらあまり雰囲気出ないと思うんですよ。

 - そこが音楽の面白さですよね。舐達麻とかはリリックで食らうからカッコいいっていう考え方だろうし、でも音楽として声とかがカッコいいっていう、そのパターンもあって。後者のパターンを初めてやったってことですよね。

hime - そうですね。アイドルグループは絶対にやらないことだと思ってたんですけど、「やっていいんだ」って。実際そうやって録った方が、自分的にも普段聴いている曲とも近くなったし、しっくり来て腑に落ちましたね。私が崩せば崩すほどフックのminanさんが映えたり、他のメンバーにも良い方向で作用してるのも、出来てよかったなと思いました。

 - なるほど。

hime - もう一つありまして、“Curtain Fall”の最後のブリッジの部分が私なんですけど、これは「誰になるか分からないけどとりあえず録ってみよう」って感じだったんです。私は声を低めで悲しめな感じに持っていって、さっき言ったように「他の子がこういうことやるだろうな」って想像して練習してました。それで持っていったんですけど、プロデューサーに「もうちょっとエモく」っていうか、「迫力を出してやって良い」って言われて。それも自分が用意していったのとは反対のディレクションを受けて、「用意してきたのと全然違う!」と思って、そこで試してみたのが結局使われてるんですよ。そこも初めてで、そうやって言ってもらわなければやらなかっただろうし、それをやっていなかったらそこは私じゃないと思うんで、人からのディレクションで新しくやれたなっていう箇所ですね。

 - 自分では気付けない可能性というか。

hime - そうですね。

 - どんどん新しいこともチャレンジ出来そうですよね。ちなみに、今のヒップホップとかラップはこの2、3年で大きく状況が変わってきましたよね。武道館でやれる人が出てきたり、人気のある人も沢山いると思うんですけど、そういう状況はhimeさんから見ていかがですか?

hime - 単純に楽しいなっていうのがありますね。ちょっと前までは、舐達麻とか唾奇みたいなハッキリとリリックが聴こえるタイプが好きで、そういうタイプが主流だったと思うんですけど、最近はLEXくんとか、何を言っているのか一聴して分からなくてもカッコいい人が出てきたりして。そういうのも出会えなかったら聴かないじゃないですか。それこそ私がずっと、ちょっと前からの流れで唾奇しか聴いていなかったら、LEXとかもあまり刺さらないと思うんですね。でも色んなスタイルが出てきて、どんどんラップも広がって、バトルに出てる子が音源でもカッコよかったりして。前まで二分されていたところがどんどん一緒になっているというか、そういう部分が良いと思いますね。

 - そういう中で、lyrical schoolというグループが今後こうなればいいと思うことや、「こうなりたい」という部分はありますか?

hime - 色々なジャンルの高かった壁がどんどん無くなっていく感じが面白いって言いましたけど、低くなっているからこそ、それぞれのジャンルにメンバー個人でも行けたら良いと思って。私だったらもっとオートチューンを使ったり、何言ってるか分からなかったり、今の若い子たちがやっているようなことをやりたくて。risanoは今フリースタイルをやってるので、バトルに出まくってもいいと思うし。minanさんやyuuは(sic)boyとかHideyoshiくんみたいな歌えるタイプなので、そっちを強くしても良いと思うし。それで言ったらhinakoはヒップホップのゾーンというよりも、もっとアイドルらしくしてみても良いと思うんで。市場が良い意味でグチャグチャになってきたぶん、うちらもそこに参入しやすいというか。だからグループで、というより、メンバーそれぞれがグチャグチャに行けたら、リリスクとしての幅も広がると思いますね。

- ありがとうございました。

Info

タイトル:Wonderland(ワンダーランド)

発売日:2021年4月7日(水) VICL-65466

収録曲

1 -wonderland- (skit)   

2 MONEY CASH CASH CASH  

作詞/作曲/編曲:ALI-KICK

3 OK!  

作詞:大久保潤也(アナ)、ALI-KICK 作曲:大久保潤也、上田修平 編曲:上田修平

4 Danger Treasure 

作詞:Kick a Show, Sam is Ohm 作曲/編曲:Sam is Ohm, Kick a Show 

5 YABAINATSU

作詞:大久保潤也(アナ) 作曲:上田修平、大久保潤也(アナ) 編曲:上田修平、大久保潤也(アナ)

6 SHARK FIN SOUP 

作詞:valknee 作曲/編曲:okaerio

7 -earthbound- (skit) 

8 Fantasy 

作詞:Rachel(chelmico)  作曲/編曲:ryo takahashi, Rachel(chelmico)

9 TIME MACHINE 

作詞:Lil' Leise But Gold 作曲/編曲:KM, Lil' Leise But Gold 

10 Bright Ride 

作詞/作曲/編曲:PES

11 FIVE SHOOTERS

作詞:valknee 作曲/編曲:高橋コースケ

12 Bring the noise

作詞:MCモニカ(Byebee) 作曲:泉水マサチェリー(Byebee) 編曲:泉水マサチェリー(Byebee)

13 Curtain Fall 

作詞 泉水マサチェリー(Byebee), 木村好郎(Byebee) 作曲 坪光成樹  編曲 坪光成樹,高橋コースケ

14 SEE THE LIGHT 

作詞:大久保潤也(アナ), 泉水マサチェリー(Byebee) 作曲:泉水マサチェリー(Byebee)  編曲:上田修平

【配信情報 】

アーティスト名: lyrical school (リリカルスクール)

タイトル:Wonderland(ワンダーランド)

ストリーミング・サービスおよびiTunes Store、レコチョク、moraなど主要ダウンロードサービスにて4月7日より配信スタート!

Linkfire: https://jvcmusic.lnk.to/lyricalschool_wonderland

※音楽ストリーミングサービス:Apple Music、LINE MUSIC、Amazon Music Unlimited、AWA、KKBOX、Rakuten Music、RecMusic、Spotify、YouTube Music

「lyrical school oneman tour 2021」

4/17(土)16:30/17:00 心斎橋soma(大阪)

4/18(日)13:30/14:00 伏見JAMMIN’(愛知)

5/30(日)豊洲PIT(東京)

【主催】ブートロック 【制作】セブンスエンターテイメント

【お問合せ】セブンスインフォメーション 03-6380-6286 (平日12:00~17:00)

*詳細はオフィシャルHPまで

http://lyricalschool.com/

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