世界的にマリファナの解禁が進められつつある昨今。特にアメリカでは多くの州がマリファナの非犯罪化、合法化に踏み切っているが、そんな中、ついにニューヨーク州でマリファナの娯楽目的での使用と販売が合法化されることが決まった。
AP通信が報じるところによると先週土曜、ニューヨーク州のクオモ知事と州議会が、21歳以上の成人によるマリファナの娯楽目的での使用を合法化する法案に正式に合意。既存の医療用大麻のプログラムを拡大し、娯楽目的での販売のライセンスと課税のシステムを確率することが目的とされており、今週火曜に採決、4月1日までに予算の編成を進めるべく水曜日に予算案の投票が予定されている。
クオモ州知事はマリファナの合法化によりニューヨーク州に年間約3億5000万ドル(約383億円)の利益がもたらされるとの見積もりを発表しており、また今回の法案を提出した上院財務委員会委員長のリズ・クルーガー上院議員は「私がこの法案を提出した目的は、州内の有色人種コミュニティに大きな打撃を与える人種差別的なマリファナ禁止法を終わらせ、合法化によって得られる経済的な利益を利用してコミュニティを回復させることです」と、マリファナの使用や販売を合法化することで利益が得られるほか人種間の格差の是正にも繋がるという見解を発表している。マリファナが禁止されるに至る歴史と人種差別との関係はこちらを参照して欲しい。
ニューヨーク州に住む21歳以上はマリファナの使用、販売のほか、個人での使用を目的とした栽培も、成熟した株と未成熟の株をそれぞれ三本ずつまで認められることとなる。また3オンス(約85グラム)以下のマリファナの所持に課せられる罰則は撤廃され、過去に大麻が関連する犯罪で有罪判決を受けた人々の記録も抹消されることとなる。
法案は可決ののち直ちに発効となるが、販売の開始はニューヨーク州側が規則と委員会を正式に作成した後となり、販売開始まで1年半から2年が予定されているという。
大麻の合法化に向けた大きな一歩をまたもや踏み出したアメリカ。世界的に当然の流れとなっているマリファナの解禁に日本は大きく遅れを取っているが、いずれにせよ、今回のニューヨーク州の決定が明るいニュースであることは間違いない。