BESとISSUGIが2枚目となるジョイントアルバム『Purple Ability』を7月3日にリリースした。本作は、ヒップホップへの真摯な情熱と精緻なこだわりで共鳴し合う両者がそれぞれの異なる個性を存分に発揮しつつ、1枚の作品へと昇華させた傑作だ。1作目を経て、より強固な信頼関係で結ばれた2人と極上の客演陣やビートメーカーと共に紡ぎ上げたヒップホップを堪能できるだろう。FNMNLでは、この作品がどのように制作されたのか舞台裏を訊いた。
取材・構成 : 宮崎敬太
撮影 : 横山純
二人で作ったら自然とこうなった
-『Purple Ability』というタイトルはどのように決めたんですか?
ISSUGI - タカ(BES)さんが最初「Purple~」って言ってたんですよね?
BES - うん。俺、英語わかんないんで。前作が『VIRIDIAN SHOOT』だったから、次は「Purple Breath」みたいな「Purple」を使った言葉にしたかったんですよ。「紫」はよくリリックでも使ってるんで。他にも何個か考えたんですけど、最終的に『Purple Ability』になりました。
- 今回の作品は前半でお二人のヒップホップへの精緻なこだわり、そして中盤で非常にシリアスで内面的な葛藤が吐露され、最終的にヒップホップのポジティブなエネルギーを感じさせるという、ドラマチックな構成が素晴らしいと思いました。
ISSUGI - ありがとうございます。自分が曲順を決めさせてもらったんですけど、実はそこまで流れ考えて作ってないんですよ(笑)。だから流れに関してはタカさんと二人で作ったら自然とこうなった感じなんです。
作ったものをドラマチックに捉えてくれる方がいるっていうのはとても嬉しいし、そう言ってもらえるといいアルバムができたのかなって思えます。
- 事前にテーマやコンセプトを決めて作った作品ではない、と。
BES - そうですね。それぞれの曲の内容に関しては、ビートにインスパイアされたものが多いですね。あとどっちが先に書くか。
ISSUGI - 俺たちの作り方って、「今日はこのビート使って1曲を二人で完成させるぞ」ってやり方じゃなくて、俺とタカさんがそれぞれ好きなビートを選んで別々にレコーディングしていくんです。だから基本的に何曲も同時進行してるような状態。例えば、1回目にスタジオに入った時、俺が3曲録って、タカさんが別の3曲を録る。そうするとお互いに自分のパートが入ってない3曲が次回までの宿題になるんです。次に集まった時、お互いの空いてるパートを埋めれば6曲完成するというか。もちろん1曲狙ってその日にレックして完成させる時もありますけど、タカさんとやる時はいつもそういう感じでスピーディーにレコーディングが進んでいきますね。
BES - うん。今回もレコーディングの回数自体は少ないですよ。
- 今回もKojoeさんのスタジオでレコーディングしたんですか?
ISSUGI - 今回はKojoeくんのJ.スタジオは一回だけで、一番多くメインで録ってるのはDopeyくんのところですね。あとはSavanna studioも使わせてもらいました。
BES - DopeyくんはONE-LAWとかKING104とかがいるRGFというグループのメンバーで。Smile OfficeってYouTubeチャンネルをやってて、そこにはDopeyくんのビートで俺、KNZZくん、EATくん、BLYYのalledくんとかがそれぞれ一緒にやった曲が上がってます。
二人で1からビートを聴いて作り始めてるのでより密度のある内容になった
-『Purple Ability』がドラマチックなトーンになった要因はなんだと思いますか?
ISSUGI - ビートがそういうふうにさせていったというか。ビートを聴いてリリックを書くというのが全曲共通している流れなので、それが大きいと思うんですけどね。
- ビートはどのように選んでいったんですか?
ISSUGI - 絶対入れたいGwop Sullivanのビートが2つあって、それはすぐタカさんに提案しました。Scratch Niceのビートで自分がストックしてたやつもたくさん聴いてもらいましたね。
タカさんはBES & ISSUGIとは別にソロアルバムを制作していて、それ用にGradis Niceからまとめてビートをもらってたものがあって。その中に自分がすごく好きなビートがあったので、これソロで使わない感じだったらBES & ISSUGIで使っていいですか?(笑)。って聞いたりして今回はそこからも何曲か使わせてもらってます。
あとは俺が作った2曲目、6曲目、14曲目とかは「これどうっすか?」みたいな感じで聴いてもらって。アルバムの全体的なバランスを作っていった感じですね。
- ではリリックの内容に関してはトラックにインスパイアされることがほとんどだった、と。例えば、制作期間中にリリックに影響されるようなネガティヴなことがあったりしましたか?
BES - いや特に。昔に比べたら平和ですよね。
- ちなみに自粛期間はどのように過ごされていたんですか?
BES - (アルバムの曲を)何曲か録ってますね。
ISSUGI - そうですね。発売日は結構前に決まってたんで、ちゃんと余裕もってやってたつもりだったんですけど、そろそろ完成させないとヤバいってタイミングでコロナが流行りだしたんですよ。
だから締め切り間に合わないと思って若干焦りましたね。そして間に合わなかったですね(笑)。発売日延期しました。。
- 前半のうちに完成したのはどの曲ですか?
ISSUGI - "Welcome 2 PurpleSide"、"SoundBowy Bullet"、"Purple Breath"、"大丈夫?"とかは前半に出来上がってました。
- "大丈夫?"の「ファミレスでも練る/ISとBES/このプロジェクト」というリリックは個人的に面白かったです。二人がファミレスにいるイメージがない(笑)。
ISSUGI - (笑)。そんなことないですよ。一時期集合場所になってました。
BES - 何度ガストのランチを食べたことか(笑)。でも俺たちは結構どこでもミーティングしてるんですよ。「このインストでやろう」「次のスケジュールはどうしよう」みたいな。このリリックはそんな感じですね。
- サウンド面では、どのようなことを意識してビートをチョイスしたんですか?
ISSUGI - 自分的には前作のアルバムはGwopメインでいきたくて八割くらいがGwopのビートだったので、今回はScratch NiceやGradis Niceのゴリッとしたビートを多めに入れて通して聴いた時、前作とは違う印象に出来たらなって思ってました。あとは、3曲目の"Callback"や6曲目の"Interlude"、11曲目の"Skit"みたいなビートもアクセントになるだろうと思って配置したかったです。
- Gwop SullivanさんとScratch Niceさん、Gradis Niceさんの違うはどんなところだと思いますか?
ISSUGI - いい意味で全然違います。作れるものが違うというか。Gwopはドラムの鳴りとアタックがなんかめちゃ固いのとキックを裏で打つときの跳ねたグルーヴが好きですね。Scratch NiceとGradis Niceの2人の方がDJが作るビートだと思います。そういう部分も格好良くてすごく好きですね。
- Scratch Niceさん、Gradis Niceさんのほうがトラックにドラマ性がある気がします。
ISSUGI - あー、かもしれないですね。メロディアスなのは二人のほうが多いかもしれないです。
この2人がそれぞれ持ってるループで作るメロディの感覚は本当にすごくて、今まで彼らが作ってきた膨大なビートで打ち出してきたスタイル、積み上げてきた美学すら感じますね。
ラッパーでもDJでもビートメーカーでも、作る側じゃないリスナーもですね、何でもいいんですけどヒップホップが好きなやつ、ずーっと聴いてきたやつ程やられる共通のビート感、感覚ていうの絶対あると思っていてこの2人は正にそれを体現してるビートメーカーだと思いますね。
- BESさんはビートのチョイスに関してどんなことを意識しましたか?
BES - 俺はビートを聴いてカッコいいと思ったら「じゃあやろうか」って感じ。その場で次のレコーディングのスケジュールを決めちゃったり。すごく調子が良い時はスタジオでビートを聴いてをその場でラップを書くこともあるけど、今回はお互いにちゃんと予習してきたというか、事前に家でラップを書いてきて、スタジオではレコーディングすることに集中してました。長い時間スタジオにいる感じではなかったですね。
- 2作目だからというのはあるかもしれないけど、今回の作品は前作以上にお互いの良いところを引き出しあってるアルバムだと思ったんです。より作り込まれているというか。
ISSUGI - それは嬉しいですね。確かに2作目だからさらに自然といい感じのバランスになったというのもあると思うんですが、前作はもともとミックステープとして作りはじめていて、有り物のビートにラップ乗せてた曲が結構あるんですよね。そのアカペラを俺がGwopだったり自分のビートに差し替えたりしてるんですよね。
でも今回は二人で1からビートを聴いてラップも録っていたので、ビートに対してラップの乗せ方とかもより密度のある内容になったのかもしれませんね。
-『VIRIDIAN SHOOT』を出した後にツアーも行ってますよね?それが作品に反映された部分はありますか?
ツアーを経験してわかったお互いの良さってありましたか?
BES - そういうのはもうないよね。
ISSUGI - bedで遊んでたのが違うクラブに一緒にいってるくらいのノリです(笑)。
BES - ツアーは本当に楽しかった。行く場所行く場所で美味しいもの食べて(笑)。
ISSUGI - 全部で15箇所くらいかな。期間は覚えてないけど、話をくれたところはほとんど行った気がします。
BES - (Mr.)PUGくんがバックDJをしてくれたので三人で。
ISSUGI - 毎週品川駅から新幹線に乗っていろんなとこ行ってる時もありましたね。疲労感もありつつ(笑)。
- 今少しお話が出ましたが、今回のアルバムのジャケットには2019年1月閉店してしまった池袋のclub bedのロゴが入っています。せっかくなので、お二人のbedでの思い出も伺いたいです。
BES - ……最高の場所でしたね。いわゆる「遊び」はほとんどあそこで覚えました(笑)。初めて行ったのは19~20歳くらいの頃かな。地元が近いレゲエのセレクターをやってる先輩が出るっていうんで行ったんですよ。その時出てたのがDOBINSKIという人だったな。そこからちょいちょい行くようになったら、周りの人たちがbedでイベントを始めることになって俺も出るようになった感じです。あの頃は全然客いなかったなー。普通に3人とか(笑)。
ISSUGI - 実は前作のジャケ作ってからまだ誰にも突っ込まれていないんですけど、『VIRIDIAN SHOOT』と『VIRIDIAN SHOOT REMIX&INSTRUMENTALS』の2枚にもbedのロゴ忍ばせているんですよね。見つけたら 笑ってくれると思います。
- 二人が出会ったのもbedですか?
ISSUGI - そうですね。MalikもScratch NiceもOYGもbedで初めてあったはず。俺もタカさんも全然客いないところでガンガンやってましたよね(笑)。一時期イベントのオープンマイクのタイミングとかJomoさんがbeat boxする時とか、おれフリースタイルしまくってましたもん。あとなんか高校生の時にすでにbedに行ってたのは覚えてて平日のイベントに行った翌日そのまま学校に行ったり。
BES - 駅まで私服で来て、トイレで制服に着替えるみたいな(笑)。
ISSUGI - まーまじめに言うとbedがなかったら自分の音楽感は、また違ってたと思いますね。確実に自分の音楽を構築した場所の1つだしスキルアップさせてくれた。行けばいつでも入れてくれたし。
お互いに本当に信頼しあってるタカさんとStickyくんの関係がすごく好き
- 今回の作品には、bedとも縁が深い仙人掌さんとMr.PUGさんも"Trap to Trap "で参加しています。
ISSUGI -この曲はタカさんと「罠」というテーマを決めたんですよね。それでそれぞれが好きに書いてきた感じですね。
BES - 具体的にどういう罠にしようとかそういうのは一切なく。
-ラップする順番はどのように決めてるんですか?
ISSUGI - 先に書けたほうが最初のヴァースを担当することが多いですね。
-なるほど。ではそこで大まかなテーマや方向性が決まって、次に入れる人が合わせていくんですね。
ISSUGI - そうですね。だからタカさんが一気に4曲とか録っちゃうと次までの俺の宿題がものすごく増える(笑)。俺らの制作はそれのやり合いみたいな感じ。
- 作るのに苦労した曲はありましたか?
BES - ないよね。
ISSUGI - うん。全曲大体スムーズでしたね。
-ちなみにBESさんの過去の生々しすぎるエピソードが聞ける"Skit"は、Stickyさんが参加した"Inner Trial"のイントロ的なニュアンスなんですか?
BES - いや……、実は全然そんなこと考えてなくて。俺がアルバムを聴く時、いつもSkitは飛ばしちゃうんですよ。だからわかる人にはわかるくらいの小話をちょっと入れたくらいのノリだったんです。実は今回のインタビューではこの"Skit"のことをめちゃくちゃ聞かれる(笑)。
- ISSUGIさんとのジョイントアルバムなので、まさかこういった類の話が出てくると思ってなかったので、みんな引っかかったんだと思います(笑)。ちなみにStickyさんはどんな経緯で参加されたんですか?
ISSUGI - 自分がタカさんにお願いして、Stickyくんに参加してもらいました。単純に俺がStickyくんのラップが好きだから、というのもあるんですが、俺はタカさんとStickyくんの関係がすごく好きなんですよ。お互いに信頼しあってるのがわかるというか。だからアルバムでは、俺と近いヒデオ(仙人掌)とPUGに加えて、タカさんに近い人物であるStickyくんに入ってもらったらアルバムがさらに締まって良いものになるだろうという確信があったんです。
- BESさんから見てStickyさんはどんな人ですか?
BES - めっちゃいい人ですね。でも昔初めて会った時は超怖かったな。目がギョロっと見開いてて、今みたいに優しい目じゃなかった(笑)。坊主頭で。俺は最初SEEDAと友達で。A-Thugは(刑務所から)出てきたばっかで、後からSCARSに入れてもらったんです。Stickyとの付き合いはその頃からですね。当時は常に何かにイラついてるというか、機嫌が良いことがあまりなかった気がする。そういう印象でした。
ISSUGI - そうだったんですね。
BES - うん。でも「Baby Blue」で働き出してからは結構いい兄ちゃんって感じになったな。
- "Inner Trial"はどのように制作したんですか?
ISSUGI - 最初にタカさんがヴァースを入れた段階で、二人で話して曲のテーマを「内面の試練」にしようと決めたんですよ。それで俺もリリックを書いて、Stickyくんにもそのテーマを伝えて、それぞれのいろんなストーリーを書いてもらった感じですね。
- 三人それぞれの生々しいエピソードが非常に印象的でした。特にISSUGIさんはこういうリリックは珍しいですね。
ISSUGI - タカさんのヴァースがものすごかったんで。あれを最初に聴いた時、自分はこういうストーリーをリアリズムを持ってスリリングに表現できないなと思ったんですよね。
でも「内面の試練」というテーマで曲を作ろうと決まった時、自分のテーマというかヴァースの役割が見えてきた気がして。だから自分に関してはbased on a true storyなんですけど100%そのままではなくて部分部分で変えてる箇所はあって、そんな感じです。続きがあるんですけど今回の16小節だと書ききれないから、ソロの作品とかで3バースちゃんと書いてみたいと思いました。
- BESさんはどうやってこのヴァースを書いたんですか?
BES - ボサっと(笑)。
ISSUGI - 30分くらいで書いてましたよね(笑)
-(笑)。前作のインタビューでBESさんはラップスキルの細かいこだわりについてお話しされていましたが、やはり普段から鍛錬しているからこそ"Inner Trial"のようなリリックもスッと出てくるものなんですかね?
BES - どうだろうな。でも正直まだまだですよ。本当はもっと面白い話なのに、リリックではオチをしっかり表現できなかったりすることも普通にありますからね。
- "明日への鍵"は、Gradis NiceさんのメロディアスなビートとBESさんのフックががっちりとハマった印象がありました。アルバムのクライマックスですね。
BES - やっぱり生きてるとなにかしらのトラブルがあるので。例えば仕事が急にポシャっちゃったりとか。そういう人生の一喜一憂を俺なりにラップした曲ですね。
ISSUGI - おれは自分の内から出るノイズみたいな物にも心を整理して上向いてられればみたいな感じかな。Gradisのビートが最高すね。
作れるうちに作っちまえって感じ
-『Purple Ability』はジョイントアルバムとしては2枚目になりますが、制作は『VIRIDIAN SHOOT』の段階から決まってたんですか?
ISSUGI - いつ頃だったかは覚えてないけど、この2ndはタカさんからやろうって言ってくれたんですよね。
BES - 『VIRIDIAN SHOOT』は作っててものすごく楽しかったんですよ。一緒に回ったツアーも本当に最高だったし。それにライブ前にあまり酒を飲まないとか、ISSUGIの音楽に対する姿勢もすごく勉強になった。だからもう一回一緒にやりたいなって思ったんです。
- お二人にとって2枚のアルバムの制作、そしてツアーも含め、BES & ISSUGIというユニットはどのような経験になりましたか?
BES - 繰り返しになっちゃうけど、とにかく楽しかった。苦になる瞬間がまったくないというか。一人で作ってるとワケわかんなくなっちゃうから。
ISSUGI - タカさんは新作を作ること、ラップすることに対する意欲がものすごくある人なんですよ。たぶん俺の周りにいるラッパーの中でも1~2を争うレベルなんじゃないかな。そういう人と一緒にやると相乗効果があるというか、作品に詰め込まれるドライブ感も増すし。俺もタカさんからやる気をもらってものすごく意欲が高まる。会うと「誰々のビートで今やってる」「こういう曲を作ってる」とか話してくれるんですよね。常にラップやってるっていうか。しかも今までも散々ラップやってんのに、キャリアを重ねた今もものすごい勢いなんですよ。
BES - 作れるうちに作れるだけ作っちまえって感じなんだけどね(笑)。
ISSUGI -俺もめっちゃ作ってるんですけど、自分以外にこういうノリの人がいるっていうのがデカくて。嬉しいことっすね。
- 個人的にはお二人のユニットは今後も続いてほしいです。
BES & ISSUGI -うん、タイミングがあればやりたいですね。
ISSUGI - 次は何色すかね(笑)。
- ちなみに今回のコロナによる自粛でいろんなクラブやイベントが中止や延期を余儀なくされました。お二人はこれについてはどのように考えていますか?
BES - もう本当にコロナ早く全滅してくれよって感じですよね(笑)。もうわけわかんないじゃないですか、キャパの半分しか入れちゃダメとか。「じゃあその分チケット代高くしろってこと?」とか。ライブを有料配信する人もいるみたいだけど、今後は本当にどうこの状況とどう付き合っていくかというか。
ISSUGI -そうですね、自分も3月にGEMZのツアー 福岡/大阪/東京3カ所ふっとんで最初はまじかよと思ったけど。中々収束していかないし、付き合っていかないといけないんだろうなという部分もあります。まーでも早く爆音でライブやりたかったりクラブで音楽を聴きたい気持ちはありますね。人によって気をつけている度合いもまた違うとおもうので、そこも難しいし。
だから結局早く全滅してほしいですね(笑)。クラブとか今ほんとに大変だと思うし。出来る事したいっす。
- 最後にお二人はBlack Lives Matterについてどんなことを考えているか教えてください。
BES - まあ一概には言えないけどさ、アメリカがものすごい銃社会であるってことが問題を複雑化させてると思うよ。誰が悪いやつで良いやつかの区別がつかなくなってるように感じる。本来だったら、警官ももっとちゃんと観察して、本当に悪いかどうか見極めてから対応すればいい。でも向こうはスーパーマーケットで拳銃が買えちゃうじゃない?なんかあったらパンッて撃たれるわけじゃん。隣のカナダもライセンスさえ取れば銃を所持できるんだけど、使用する回数はアメリカのほうが圧倒的に多いんですよ。カナダは持ってても使わない。家に護身用として置いておく、みたいな。なんなら家の鍵もかけないらしいですからね。ちょっと話は逸れちゃいますけど、刑務所にいる時、アメリカの刑務官が日本の刑務所を視察しに来た時の話を聞いたんですよ。アメリカの刑務官は、日本の刑務官が銃を携帯してないことに驚愕してたらしくて。向こうは「このラインを超えたらマシンガンで撃つ」という決まりがあるにも関わらず、平気でそのラインを超えちゃうらしくて。
- お互いに対して抱いてる恐怖のレベルが日本人である我々の想像を超えるレベルだ、と。ISSUGIさんはいかがですか?
ISSUGI - 自分は世界中で起きてる問題の全てのことを把握して、それに対するアクションを平等に起こすということは出来ないと思っているんですよね。日本の問題ですら全てに目を配るのは到底難しいと思う。
そんな中で、Black Lives Matter になんで自分が思うことがあるかっていうと、やっぱりヒップホップが好きだっていうのとその根底に黒人の歴史があるからだと思います。勿論、黒人じゃないからその痛みを全て解りきる事はできないけど、ヒップホップにやられたAsianとして、自分が好きな大切な物を守るという意味で何かできることがあるんだったらしたいなと思います。
- 具体的に考えていることはありますか?
ISSUGI - 俺は思ったことをしっかり曲にできれば。それはBlack Lives Matterだけに向けてという事じゃないですけど。ずっと音楽つくってるので、作る過程の中に感じた事が自然と入ってくると思いますけどね、気持ちとして。
Info
アーティスト: BES & ISSUGI (ベス&イスギ)
タイトル: Purple Ability(パープル・アビリティ)
レーベル: P-VINE, Inc. / Dogear Records
品番: PCD-25291
発売日: 2020年7月3日(金)
税抜販売価格: 2.500円
URL https://smarturl.it/purple-ability
1. Welcome 2 PurpleSide
prod Gwop Sullivan
2. SoundBowy Bullet
prod 16FLIP & DJ Scratch Nice
3. Callback
prod DJ Fresh
4. Purple Breath
prod Gwop Sullivan
5. 大丈夫?
prod Fitz Ambro$e & DJ Scratch Nice
6. Interlude
prod 16FLIP
7. Hits a stick
prod DJ Scratch Nice
8. Trap to Trap ft 仙人掌,Mr.PUG
prod DJ Scratch Nice
9. Belly
prod Endrun
10. Stack the ...
prod Gradis Nice
11. Skit
prod Gradis Nice
12. Inner Trial ft Sticky
prod DJ Scratch Nice
13. 明日への鍵
prod Gradis Nice
14. Nice Dream
prod 16FLIP
15. BoomBap pt2
prod Gwop Sullivan