改めて大統領選出馬への意志を強調し、先日公開されたForbesのインタビューの中では自身の新党「The Birthday Party」を立ち上げること、また2月に新型コロナウイルスに感染していたことなどを明かし大きな話題を呼んだKanye West。そんな彼が、自身の思想や政策について説明する中で人工妊娠中絶の撤廃を訴えたことが批判を浴びている。
テスラのCEOであるElon Maskと手を組み政界進出へ本格的に乗り出すことを発表しているKanye Westは、インタビューの中で既にトランプ大統領を支持していないことを明かした。一方で自身が信仰するカトリックの思想に基づく政策を打ち出そうとしており、その中で人工妊娠中絶を始めとする女性の性と出産に関する健康と権利に関するサービスや、啓蒙活動などを行なっている団体Planned Parenthoodを「白人至上主義者が設置して悪魔の仕事をしている」と称し、「俺はプロライフで、聖書の言葉を信じているから人工妊娠中絶には反対している」と明言した。
アメリカにおける保守層であるキリスト教福音派は、彼らの教義に則り人工妊娠中絶に反対する運動を繰り広げてきた歴史がある。しかしこれは女性が性被害を受けたことによる妊娠か同意の上での物かを問わない上、女性が自らの身体について主体的な選択を行うことを阻害するため人権に対する考慮を欠いた思想である。
当然今回のKanyeの発言も激しく非難されることとなったが、これを受けた彼は自身のTwitterにて「この魂は生きるに値する」と改めて中絶に反対する旨を表明(現在は削除)。続けて、恐らく彼なりに「命の大切さ」を説くという目的で自身の娘たちの画像を投稿している。
— ye (@kanyewest) July 8, 2020
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当然女性の性被害や社会的な不均衡といった問題を無視し「命の大切さ」のみを根拠に中絶に反対することは欺瞞に満ちた考え方であるため、Kanyeが持つ思想の問題点がより浮き彫りになった形となる。果たして今後彼の政治活動がどう展開するのかは不明だが、願わくば真っ当な考え方を持つ人物がアメリカ大統領になって欲しいものである。FNMNLではKanye Westの大統領選出馬についての検証記事も掲載している、こちらもぜひチェックして欲しい。