新型コロナウイルスことCOVID-19の流行に伴い世界的にロックダウン、ないしは外出自粛が行われている昨今。ライブイベントやクラブイベント等が次々と中止となる中、音楽関係のイベントを従来同様に開催することが可能になる時期について専門家が見解を述べている。
New York Timesの特集記事に登場したペンシルバニア大学の生命倫理学者のジーク・エマニュエル氏によると、現在の感染防止策が継続され検査が拡大すれば外出制限等は今年の6月に解除される、との見込みを示した。一方で音楽のライブやスポーツイベントなど人々が高い密度で集まることについては、「経済の再起動は段階的に行われなければならず、人々が低いリスクで復帰するためには、作業の現場でより物理的な距離を置くことから始めなければなりません。建築物の中や製造業、オフィスなどでは、6フィート(約2メートル弱)の距離を維持できる場合に限り、より早く再開することが合理的です。しかし大規模な集会や会議、コンサート、スポーツイベント、会議や卒業式を2020年10月にリスケジュールすると言われても、それにどういった根拠があるのか私にはさっぱりわかりません。私は、これらのイベントの再開は最後になると考えています。現実的には、早くても2021年の秋になるのではないでしょうか」と語っている。
要するに通常のオフィスワークなどは人々が一定の距離を置いて継続出来る場合に限り再開が可能になるが、不特定多数の人々が集合するようなイベントは感染の状況がさらに落ち着くのを待たなければ再開にリスクが伴う、との主張である。エマニュエル氏は感染症医学の専門家ではないためこの主張にも疑問点はあるが、もちろん人々が高い密度で集まるような場を再びオープンすることに慎重であるべきだ、との議論は一理あると言わざるを得ない。
先が見えない新型コロナウイルスを巡る現在の状況。とにかく慎重な考え方を持つことが身の安全に繋がることは確かだろう。