レーベルとの契約問題を乗り越えリリースされたアルバム『SUGA』でも高い評価を受けたMegan Thee Stallion。そんな彼女が、自身のラップで取り扱うトピックについての意見やジェンダー観についての持論を語っている。
Geniusによると、Megan Thee Stallionはインタビューの中で自身のリリックが受ける批判について触れ、「男はいくら平凡なことを歌っていても称賛を受けることが出来る。ドラッグをやって、家を襲ったりね。でも私がヴァギナのことを歌った途端、この世の終わり?みんな何に怒っているの?セックスのことについてラップしても怒らないでしょ。みんなが怒ってるのはそういうことじゃない」と語った。要するに、男性がいくらドラッグや暴力などについてラップしても批判を受けないのに対し女性がセクシャルなトピックを取り扱った途端批判を受ける、というジェンダーバイアスが存在するということだろう。
続けて「これは根深いものだと思う。私はただセックスについてラップするだけじゃなくて、男が私を気持ち良くさせることについて歌ってる。私があんたたちのモノを舐めることについて歌ってるんじゃない。あなたが私の言った通りにしてくれる、ってことで、それが威圧的に感じられることもあるかもしれない。一部の男性にとってはね。彼らはそれをどう捉えて良いか分からなくて、動揺して、怖がってるんだと思う。でも別に私はどこにも行かないから、慣れてほしいね」と語り、自身の直情的なリリックにショックを受ける男性に対し一定の理解を示しつつも恐れることはないとメッセージを送った。「私は女性がパワフルな存在だってことを知ってる。私たちは女性がみんな子供を産むってことを知ってる。こういうことを知ってるから、女性がもっと高い水準で扱われるべき、っていう考えに腹を立てることも出来ない。私たちは究極の存在、超越した存在なんだよ」との言葉から、彼女の持つ女性に対するエンパワメントの意識が伝わる。
女性が過激なリリックを歌うことに対して批判的な意見を寄せられるケースは未だに存在するが、それがある種のジェンダーバイアスに基づいたものであることは確かだ。Megan Thee Stallionのようなスタイルのラッパーでさえもそのような批判を受ける辺りに問題の根深さが窺えるだろう。
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