ここ数年の間、ストリーミングサービスで音楽を聴くことが一般的になったことは言うまでもない。特に欧米ではほとんどのリスナーがApple MusicやSpotifyなどのサービスを使用しており圧倒的な普及率を誇っているが、今回、アメリカの音楽業界全体での昨年のストリーミング収益が大きな躍進を見せたことが発表された。
Geniusによると、アメリカレコード協会が昨年末に調査を行ったところストリーミングサービスによってもたらされた利益が88億ドル(約9697億円)以上にのぼったことが判明。2017年の記録である57億ドル(6279億円)の約1.5倍の数字となっており、ストリーミングサービスがさらに普及していることが分かる。さらにストリーミングサービスだけでなくCDやレコード、デジタルダウンロードも含む2017年の音楽業界全体の収益と比較しても、2019年のストリーミングサービスがあげた収益が上回るとのこと。
2019年のストリーミングサービス加入者の数はおよそ6040万人となり、こちらも2017年の3530万人の約2倍に及ぶ。一方で昨年のデジタルダウンロードとCDの売り上げは減少を続けているが、アナログレコードの売り上げは引き続き増加傾向にある。昨年上半期にはフィジカルでの音楽のリリースの3分の1以上をレコードが占め、CDの売り上げをレコードが抜く可能性が指摘されていた。この傾向が続けば、CDよりもレコードの方が売れるという状況が実現する日も遠くないのかもしれない。
日進月歩で変化を続ける音楽産業の動向に、今後も注目である。