いよいよやって来たグラミー賞発表の季節。ヒップホップファンにとってきになる賞はやはり最優秀ラップアルバムと最優秀ラップ楽曲だが、今年は21 SavageとJ. Coleの“a lot”が最優秀ラップ楽曲賞を受賞。そんな同曲のビートが、わずか1時間で作られたものであることが明かされている。
“a lot”のプロデューサーであるDJ DahiとJ. WhiteがComplexのインタビューにて語ったところによると、同曲のビートは2018年にSpotifyによって開催された作曲キャンプにて制作されたとのこと。当時の状況について、DJ Dahiは「21のトラックにEast of Undergroundをサンプリングするアイデアはちょっと前からあったんだ。(中略)俺は彼に“ソウルのサンプルを使ったらドープになると思うんだ。クラシックなヒップホップの感じで、ドラムの隙間にお前のエネルギーが合うタイプのバイブスだよ”と言ったら、あいつは“いいと思う。俺はそんなビートをずっと探してたんだ”って感じだった」と語り、続けて「一時間程度で作ったよ。次の日、21が別の部屋で音楽を聴いていた。彼がやって来て俺がビートを聞かせると、あいつは“これはアルバムのイントロにぴったりだよ”って言ってた」と、短時間で作ったビートながら21 Savageも非常に気に入っていたことを明かしている。
DJ Dahiはさらに、共に制作を行ったJ. Whiteについても「彼は俺が思ってもいなかったような場所にあの曲を連れて行ってくれたんだ。Three 6 Mafiaに影響を受けたような感じのエネルギーだ。チョップド&スクリュードされたボーカルとスクラッチのバイブスがあって、他のサンプルも入れてくれたんだよ」と語り、楽曲の雰囲気を作ることに彼が大きく貢献したとしている。
結果的に大ヒットを記録しグラミーを受賞するに至った“a lot”。新たなクラシックの一つであることは間違いないだろう。