「Chopped()&Screwed(チョップド&スクリュード)という曲のピッチを極端に下げ、さらに半拍ずらしてミックスする手法を考案したとされるDJ Screwの伝記映画『All Screwed Up』が、彼の死から20年経った今年公開される。
DJ Screwは上述したChopped&Screwedという手法でもって、ヒップホップ界に大いに貢献した人物であり、事実現在人気を誇るラップソングは彼の影響を多大に受けていると言える。Travis Scottの『ASTROWORLD』、Megan Thee Stallionの『Fever』、Solangeの『When I Get Home』などからも彼の影響が見られ、コデインの服用過多によって死去した2000年以降の世代からは、自然と彼の残した功績が浮かび上がってくる。
Isaac Yowman監督が手がける今作は、DJ Screwになる以前のRobert Earl Davis Jr.(DJ Screwの本名)の頃から描かれ、彼を慕う仲間を中心に結成されたScrewed Up Clickや、ヒューストンの北部と南部での争いなどが語られている。
今作は現在のヒップホップシーンに蔓延する問題に対しても関連した物語になっており、コデインの服用過多によるDJ Screwの死は、現在のLil PeepやJuice WRLDのような新進気鋭のアーティスト達の死に通じるカルチャー全体の問題として捉えられている。現時点ではどのネットワークが今作を取り扱うのかはアナウンスされていないが、是非チェックしてみてはいかがだろうか。