今年3月に来日公演を開催するUKのトップラッパーStormzyがCharlamagne tha Godとのインタビューで、DrakeがUKグライムやドリルを自身の楽曲に取り入れている事を称賛した。Drakeのそうした活動は賛否両論の様々な意見を呼んでいるが、StormzyはDrakeがグライムやドリルにスポットライトを当ててくれた事に感謝すべきだとした。
Drakeは過去にSkeptaの“Boy Better Know”を高く評価し、2017年に製作したアルバム『More Life』ではUKのグライムやドリルのアーティスト、及びプロデューサー数人と共作している。また先月リリースしたシングル曲”War”ではプロデューサーAXL Beatsによるドリルビートが特徴的に使われている。
こうした取り組みの一方で、一部のリスナーからはDrakeがそれぞれのカルチャーを盗用しているに過ぎないとの声も上がっていたが、Stormzyはこれに真っ向から反対する姿勢をとった。その理由としてStormzyは「Drakeが本当にビックなアーティストであり、信じられないほど素晴らしいアーティストだからだ。」と話し、「そんな最高なアーティストが一つのスタイルやジャンルを認識し、敬意を払っている事は間違いなくポジティブな事だ。」とDrakeという大きな存在が確実にシーンに良い影響を与えると語った。
さらにStormzyは「小さいジャンルが大きなものと繋がっていくのはクラシックな事だ。こうした動きが(小さなジャンルに)スポットライトを当て、光をもたらすという事実は否定できない。」と続けた。
DrakeはPodcast番組「Rap Radar」で、自分の活動が文化盗用だとする批判に対して「文化盗用の本当に意味するところは、(自分が行なっているような)そのカルチャーをサポートしたり、カルチャーに深く根ざした人々と歌い、その人々にチャンスを与える事ではない。文化盗用とは自分自身の個人的な利益のためにそのカルチャーを搾取し、自分がそこからインスパイアを受けた事を否定する事だ。」と話している。
グライムアーティストのWileyはDrakeをカルチャーのハゲタカと非難している事で有名だが、最近StormzyはWileyと険悪な仲であるとされており、両者の文化盗用への考え方は正反対であると見られる。