新作『Jesus Is King』をアルバムと映像作品という二つの形で発表するとアナウンスしているKanye West。キリスト教に傾倒し改宗も行なったという彼が、とうとうラップから離れる意向を示し話題を呼んでいる。
Complexによると、Kanye Westの牧師を務めるAdam Tyson氏がキリスト教系メディアApologia Studiosのインタビューに対し「彼はある時、“もうラップはやめる”と言い出したんだ。僕が“どうして?”と聞くと、彼は“あれは悪魔の音楽だからだ”と答えた」と語っている。Tyson氏は「僕は“ラップはジャンルだよ。神のためにラップすることも出来るんじゃないか?”と言った。彼もそのことについて少し考えていたようだけど、僕は“君は神に与えられた才能を使うべきだし、そのプラットフォームを神のために使うべきだよ”と言った」とKanyeにラップを続けることを勧めたようだが、Kanye自身はラップというジャンルそのものに懐疑的になっているようだ。
以前も「俗世の音楽から離れて、ゴスペルしか作らない」と発言していたことが報じられたKanye。Netflixの番組『デヴィッド・レターマン 今日のゲストは大スター』に出演した際にも「808はチャクラの一番下に響く。これはセックスに関するチャクラだ」としてヒップホップにおけるドラムマシンのサウンドを否定し「癒し」の効果を持つ音楽を作りたいとしていたが、やはりプロテスタントの思想に影響を受けて以降ラップが持つ攻撃的な要素を好まないようになっていると思われる。
最新作となる『Jesus Is King』についてはNick Knightが監督した映像作品版のトレーラーが既に公開されており、Kanyeが多大な影響を受けたと公言するジェームズ・タレルの作品とゴスペルライクなボーカルがフィーチャーされた映像となっている。
果たしてKanyeが今後本当にラップから離れてしまうのかどうかは分からないが、『Jesus Is King』が今までの彼の作品とは異質な物に仕上がっていることは間違いなさそうだ。