FNMNL (フェノメナル)

【メールインタビュー】The Japanese House|自然なメランコリア

UKのシンガーソングライターAmber Bainによるソロプロジェクト、The Japanese House。アコースティックサウンドとエレクトロを自然に融合させたサウンド、そして内省的な歌詞で世界的に注目を集める彼女の初来日公演が今年の9月に東京と大阪の二箇所で開催される。

今回、来日公演に先駆けてAmber Bainにメールインタビューを敢行した。今年リリースのアルバム『Good at Falling』の話題を中心に、彼女の表現の元となるインスピレーションを探るインタビューとなっている。

取材・構成 : 山本輝洋

- 今回のアルバムでは失恋などのパーソナルな経験からインスピレーションを受けて曲を作っているようですが、そういった心の動きを楽曲に落とし込む際にどのようにして音や歌詞などを考えていますか?

Amber Bain - 私は自分の関係性に関してとてもオープンで正直なので、失恋に関する曲を書く際、歌詞は自然と沸き上がってきました。私にとって歌詞を書くことはとてもパーソナルなことで、徐々に湧いてくるものです。一度曲の大部分ができたら、歌詞は自然と簡単に出てくるものだと思います。

- アコースティックなトーンと電子音やエレクトロ的なビートが繊細なバランスで共存した楽曲が多いですが、どんなアーティストから影響を受けてそのようなサウンドに行き着きましたか?

Amber Bain - 最初に音楽を作り始めた時、アコースティックとエレクトロを織り交ぜ、ボーカルを加えてユニークな音を作っていたBon IverやJames Blakeには大きく影響されました。どんどん音楽を作るようになってからは、自分の好きな形になっていきました。

- アルバムの制作プロセスについて教えてください。『Good at Falling』のプロデュースはBon IverやFrancis and The Lightsなどを手がけるBJ BurtonとThe 1975のGeorge Danielによるものですが、彼らとのレコーディングはどんなものでしたか?

Amber Bain - ジョージとはとても仲が良く、知り合ってから何年も経っているので、彼と働くのはとても自然でオーガニックでした。彼とは同じ音楽の影響を受けたりしているので、プロダクションの際は常に同じ考えを共有できていたかと思います。これは私にとってはとても重要なことでした。また、私が大好きなレコードをプロデュースしてきたBJと働けたのは最高でした。実は最終的にウィスコンシンにあるジャスティン・ヴァ―ノンのキャビンで2カ月間レコーディングをしてから、The 1975と一緒にブリュッセルとオックスフォードでレコードにしました。これらは本当に特別な時間でした。

- 今作のラストとなる “i saw you in a dream”は2017年のEPのタイトルトラック“Saw You in a Dream”のセルフカバーですが、以前のものではなく新しいバージョンをアルバムの最後に置いた理由はどうしてですか?また、タイトルに“i”という言葉が付け足されている理由も教えてください。

Amber Bain - アルバム自体は前作のEPなどからの曲は収録していなく、完全に新しいものです。“Saw You in a Dream”は他の楽曲と合っていたので、無視はできませんでした。この曲は本当に特別な曲で、私が初めて愛した女性について書いた曲で、彼女は亡くなってしまいました。この曲のセカンドバージョンを録ってアルバムの最後に入れたのはスペースを埋めるためではなく、この曲の居場所がそこだったからです。アコースティックでむき出しの曲として良いものができたと思います。

- ちなみに、アルバムの11曲目“faraway”だけ表記が全角になっていますが、あえてこの表記にした理由は何ですか?

Amber Bain - ただ、見た目が好きだっただけです。

- 右利き用のギターをそのまま逆さまに持つユニークなプレイスタイルですが、どうしてそのように弾いているのか教えてください。

Amber Bain - 実は私がギターを習い始めたのは父の影響だったのですが、彼は右利きで私は左利きでした。習いたての頃、私が間違えていることを常に指摘してくる、「ちゃんとした」レッスンが苦手だった上に、私は左利き用ギターを使うのが本当に嫌だったので、もうこのままにしようと。実際にギターを逆さまに持ってる見た目は笑えることに気づきましたが、私にとっては普通のことで、普通に持たれてるギターの方が変に感じます。

- レーベルメイトであるThe 1975の昨年リリースされたアルバムもエレクトロとアコースティックな楽曲がどちらも含まれるバランスのアルバムになっていましたが、普段彼らとはどのように交流していますか?

Amber Bain - The 1975はとても仲の良い友達で、結構長いことクリエイティブな関係性を続けています。

 - アルバムのアートワークやInstagramにアップされる写真には山や草原など自然の写真が多いですよね。楽曲もそのような景色をイメージして作っていますか?

Amber Bain - 私は周りのものや自然や子供の頃行った場所などから多くのインスピレーションを受けています。基本的は常にNikon Point and Shootカメラを持ち歩いていて、過去のEPのカバーは全て私が撮ったものです。

- The Japanese Houseというアーティスト名は幼少期に訪れたコテージの思い出が由来だと聞きましたが、実際に日本を訪れて行ってみたい場所などはありますか?

Amber Bain - 日本に行くのは初めてなので、とても楽しみにしています。まだプランなどは特に決まっていませんが、公演の間に見て回る時間があることを願っています。

INFO

2019年9月3日(火)東京LIQUIDROOM
OPEN 18:00 / START 19:00
オールスタンディング¥6,000(税込・別途1Drink代)
※未就学児場入場不可
企画・制作・招聘: Live Nation Japan
協力:Hostess Entertainment
お問い合わせ:Live Nation Japan info@livenation.co.jp

2019年9月4日(水)大阪 UMEDA CLUB QUATTRO
OPEN 18:00 / START 19:00
オールスタンディング¥6,000(税込・別途1Drink代)
※未就学児入場不可
企画・制作・招聘: Live Nation Japan
協力:Hostess Entertainment
お問い合わせ先:梅田クラブクアトロ 06-6311-8111

チケット
Live Nation Member 先行:2019年4月17日(水)18:00 ~ 4月19日(金)23:59
http://bit.ly/TJHJP19 *先着受付
PG独占:2019年4月20日(土)~ 4月26日(金)
その他先⾏:2019年4月27日(土)~
⼀般発売:2019年5月11日(土)10:00~ チケットぴあ、イープラス、ローソンチケットにて発売

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