昨年の7月に発表したシングル“AOI夜”でデビュー後、旺盛なシングル/MV攻勢でリスナーを驚かし続けた3人組ユニット、FNCY。彼らの1stアルバム『FNCY』がこの夏、ついにリリースされた。本グループはZEN-LA ROCK、鎮座DOPENESS、G.RINAという各々がソロアーティストとしても活躍するプレイヤーズユニオンでもある。本稿ではグループ結成のいきさつにはじまり、楽曲制作秘話を通じて、3人が考える「ダサさ」の定義にまで話は飛躍。FNCYというスーパーグループの持つバランス感の妙、この文面からすこしでも伝わればと思う。
取材・構成 : 高橋圭太
- まずは基礎的な部分……グループの成り立ちから順に伺っていこうと思うんですが、みなさんが最初にどこでどうリンクしていったのか教えてもらえますか?
鎮座 - RINAさんと最初に会ったのはPART2STYLEが主催してるパーティーだったよね、たしか。
G.RINA - わたしが一番覚えてるのはたぶん2012年に港区のTABLOIDでやったOUTLOOK FESTIVALで、道を挟んで反対側を鎮くんが歩いてるって光景。それを見かけて「鎮く〜ん、今度いっしょに曲作ろうよ〜」って道路越しに言ったんだよね。そのときのことをすごく覚えてるんだけど、初対面じゃないね(笑)。それより前に中野のheavysick ZEROのイベントでわたしが明け方にDJしてるときに鎮くんが横でずっとサイドMCしてくれてたって情報もあって。もうどこが最初なんてわかんない(笑)。
鎮座 - 代官山UNITの楽屋でRINAさんがバンダナ巻いてアクティブな感じのファッションで“これからライブに行くぞ!”って感じの光景は覚えてるんだけど、あれはいつだったっけ? たしかRUB-A-DUB MARKETのリリパだったと思うんだけど。
- RUB-A-DUB MARKET『Digikal Rockers』のリリパですかね? 調べたら2007年に開催されてます。
G.RINA - そうかも。初対面はそのくらいなのかな。
- ZEN-LAさんがおふたりと最初に会ったのは?
ZEN-LA-ROCK - RINAさんと会ったのはたぶん90年代じゃないかな。昔すぎて細かいシチュエーションは覚えてないなぁ。鎮さんと最初に会ったのはHARVEST(2000年代前半に恵比寿みるくで開催されていたヒップホップ・パーティー。現在も不定期で開催されている)がいちばん最初だと思うんだけど。でも、会う前から一方的に存在は知ってたんですよ。当時、シスコ坂でのフリースタイル映像が話題になってたから。そう思うとグループ結成までとてつもない年月がかかってる(笑)。
- その時代から断続的な共演を経てのFNCY結成。そもそもZEN-LAさんの楽曲“SEVENTH HEAVEN”での手応えを受けて、という感じだったと聞いていますが。
ZEN-LA-ROCK - そうですね。“SEVENTH HEAVEN”以降、3人でイベントに呼んでもらえる機会が増えて。3人ともDJもやれるからDJやったり、ライブのセクションがあったりとか。3人でうまいこと楽しい90分とか120分をやっていきましょう、みたいなね。なかなかスケジュールも合わないけど、行くとなったら道中も楽しいわけで、音楽の話以外にもいろんな話をして。そういうのの積み重ねで「ユニットとしてやれたらおもしろいな」って漠然と考えてた感じ。とはいってもね、いざ現実的な話にするときにどう誘ったらいいのかなと思ってて。なんとなくレーベルやリリースの可能性があるところに話をしてみて、みんなに聞くのはその先かなって。で、キングレコードにプレゼンをしたら興味を持ってくれてる感触だったんで、みんなに伝えたと。それがたぶん2年前の年末の渋谷VISIONのパーティー。
- G.RINAさんはグループの打診をされたときどんなことを思いました?
G.RINA - おもしろそうだなって。この3人でやることに音楽的な好奇心があったので、もっと曲を作ったらどういうことができるか楽しみでもありましたね。
- 鎮さんはどうでしょう。
鎮座 - 誘われてすぐ「来年の仕事はこれだ」って。「このひとたちとだったらできそう。いっしょにやったらちゃんとアルバムできそうだ」って(笑)。
- なるほど。みなさんソロ・アーティストとしても長年活動されてますが、ソロとグループでやるときの違いはどんな部分だと思いますか?
ZEN-LA-ROCK - グループだとやっぱりね、必殺技の出しあいがおもしろい。各々の得意技の応酬というか。
鎮座 - グループでやることによってハマりどころというか、自分のやるポイントが見えてくる。
G.RINA - 「そっちがそう来るなら、こっちはこうしよう」っていうね。そういうバランスの取り方が自然にできるんですよ、この3人だと。あまり綿密に打ち合わせしなくてもフィーリングでいける。ライブの日に着てく服とかもあらかじめ話したりしないんだけど、現場に行ったらシンクロしてるときとかもあって(笑)。
- 3人の役割分担は?
ZEN-LA-ROCK - RINAさんが基本的にトラック面でのプロデューサーですよね。
G.RINA - で、ZEN-LAくんが旗振り役。
鎮座 - で、おれがふたりのうしろで口笛吹いてる。
- ハハハ! いいポジショニングができてますねぇ。
ZEN-LA-ROCK - 3人とも大人だしね。若かったら無理だったかもしれないけど。
鎮座 - 若いと変な緊張感っていうか、シャイな部分があるからなぁ。長く会って言葉を交わらせることで緊張が解けてきたっていうのもありますね。だっていっしょに作ってると書いてるリリック見られるのも恥ずかしいじゃん、最初は。ボーカル入れるときもまず咳払いしたりして。
ZEN-LA-ROCK - たしかに(笑)。
鎮座 - けど、最近はすっげえ見せるようにしてる(笑)。そしたらリリックが書けるようになりましたね。FNCYはいっしょに作る恥ずかしさみたいなものから解放されたグループですよ、自分にとって。なんかあっても、てへペロで済んじゃう。
- その後、グループでの活動を決めてからリリースまでは、どのように進んでいったんでしょうか?
ZEN-LA-ROCK - まずグループ名を決める。そしてロゴ。そこからアーティスト写真を撮って、最初の曲を作る、って流れですね。この工程のなかでいったら、グループ名がいちばん難航しましたねぇ。ロゴは石黒景太さん、アーティスト写真もcherry chill willさんに撮ってもらうことはすぐ決まったんだけど、名前が全然決まらなくて。曲のタイトルとかから名前に使えそうな語呂をめちゃめちゃ探したり。“silky”なんかはそのときのボツ案で、その後、曲名として使ったんですけど。
- ボツ案、ほかにどのようなものがあったのか気になります。
鎮座 - 「Silky Hotel」っていうのもあったね。
ZEN-LA-ROCK - いろいろあったんですよ。FNCYも最初は「Fancy」って字面だったんだけど、締め切りが迫ってきちゃって、“FNCY”って形にしてやっと着地したって感じで。
- 無事にグループ名も決まり、そこから最初のシングル“AOI夜”の制作に入るわけですが、制作の流れはどのように?
ZEN-LA-ROCK - まず最初にRINAさんからトラックが3つぐらい送られてきて。そのなかから自分のなかでリード・シングルっぽいトラックを選んだ感じっすね。そこからサビが入ったバージョンが送られてきて、おれたちがラップ部分を入れる、みたいな。そんなに複雑な工程はなかったね。
G.RINA - ZEN-LAくんからは“SEVENTH HEAVEN”を経ての1曲目ってとこを踏まえてやってほしいって意見があって。そういうムードを意識して作りました。ヒップホップのトラックっていうよりは、3人全員が歌ってるような感じがいいなと思って。最終的にアルバムを作るって流れは共有されてたので、違うことは先々でできるかなと。この3人でしかできないヒップホップって考えると、メロディアスな感じがいいかなっていう。
- たとえば、3人でトラップのトラックで、みたいな方向性はなかった?
G.RINA - アルバムのなかではもっとそういう感じもやりたかったんですけど。
ZEN-LA-ROCK - 議題には出たんですけどね。
G.RINA - もろにトラップ感のあるトラックではない曲で、自分たちなりのトラップ感とかノリを入れたかったっていうのはありますね。
鎮座 - やっぱり中途半端な、おじさんがシュプリーム着て登場、みたいなのは避けたかったっていうね(笑)。
ZEN-LA-ROCK - それ、遅えよっていう(笑)。
G.RINA - 新しいUSのヒップホップもすごい好きだし聴いてるけど、自分たちがやるときにどうするかっていうのはけっこう考えてますね。
- では、アルバム制作工程でのいちばんの佳境はどんな部分だったでしょうか?
鎮座 - 後半だね。前半はほぼ夜に作業してるの。でも後半は昼にRINAさんの家で、かなり早い時間から作業してて。だいたい午前11時から午後4時くらいまで。あの時間帯にやった作業、かなりスピリチュアルな速さがあって。「あ、これでアルバムできる」って(笑)。
ZEN-LA-ROCK - 前半は夜のムードが入りすぎちゃって。そうなってくると作業もだんだん進まなくなる。そこから抜本的に制作スタイルを変えていこう、みたいになってRINAさんの家に行くようになるんですよ。おれも長いことやってるけど、まさか午前中に女性の家に行ってラップするなんて思ってなかった(笑)。でも、それが結果的にすげえよかった。
G.RINA - 基本的に9割はおしゃべりなんですよ。ただ、残りの1割でかなり進む。それ、かなり大事なことで。
鎮座 - しゃべりながら書いてるしね。しゃべってることがそのまま歌詞にドッキングしたりもするから。
- 大人のアルバム制作という感じがしますねぇ。
ZEN-LA-ROCK - 昔だったら絶対無理だよね。まず起きれないもん。午前中なんてもうガチガチでしょ(笑)。お酒も飲んでないし。
鎮座 - 夜の作業と昼の作業を感じられるのは楽しかったな。できてくる曲の感じも違うもんね。
ZEN-LA-ROCK - 具体的に曲を挙げると、昼に作ったのは“FNCY CLOTHES”、“en”、“Deep Continue”っすね。やっぱりそれまで作ってた曲とは微妙にムードが違うというか。
- ちなみにアルバム収録曲でいちばん難産だった楽曲は?
G.RINA - “DRVN'”がいちばん難産だったな。サビを何度も録り直したり。時間もなかったから、もうこれで終わりにしてもいいかなって思ったけど「絶対もっといいのができる」って。
鎮座 - おれが家でプリプロしたのを「これはハマったな」って思って送ったら、姐さんが(首を横に振り)「うんにゃ」って(笑)。完成前のはブリッジ部分をサビにしてたような感じだったんだけど、一度解体して。いやぁ、この曲のレコーディングが終わったあとは胸を撫でおろしたっすねぇ。
ZEN-LA-ROCK - だいぶがんばったよねぇ。
G.RINA -「鎮くんだったらここが限界じゃない! まだできる!」って。自分もだし、誰に対してもそれを感じた時は、踏ん張りたくて。
鎮座 - もうコーチだよね(笑)。
G.RINA - そういう意味では“DRVN”がアルバム制作の佳境。しかもこの曲を境に扱うテーマも変わったというか。工程の前半で作った曲ではヒップホップ的なトピックをFNCY的に歌うというのがサブテーマとしてあったんですけど、後半はもっと突き詰めた部分……より精神的なことを歌えたんじゃないかなと。
鎮座 - かつパーソナルな側面が出てきた。あと前半でイメージしてたのはクラブ感だよね。クラブでライブをやることを想定してる。で、もちろんクラブ以外でのライブももちろんあって、後半の制作ではその部分がうまく出たね。シチュエーションを限定しないようなアルバムになった。
- “FNCY CLOTHES”にはプロデュースにMidas Hutchが参加しています。これはどういう経緯で?
ZEN-LA-ROCK - RINAさんから「Midas Hutchとかいいんじゃない?」って提案があって、そういえば日本盤がマンハッタンレコードから出てたなって思って。「訊くだけ訊いてみよう」が今回のプロジェクトのテーマでもあるので。そこからけっこうすぐに本人とつながったんですよ。そしたら向こうが「ひさびさ〜!」みたいな。なんかね、6〜7年前に遊んだことがあるらしくって。おれはちょっと覚えてなかったんだけど(笑)。で、FNCYの曲を聴かせたら彼も気にいってくれて、まだお金の話もしてない段階で3曲ぐらいデモを送ってくれて。“あれ、これ大丈夫なのかな?”とか思いつつ、1曲キープしてもらって。そんな感じですね。
- なるほど。今回、Midus Hutch以外で外部からアルバムに参加しているのは?
ZEN-LA-ROCK - BTB特効氏とBRONZEが参加してますね。それにYasterizeと楽器の演奏でKASHIFくんと五十嵐さん。
鎮座 - KASHIFくんは2人の作品でもけっこうギター弾いてもらってるもんね。
- BTB特効さんもみなさんだいぶお付き合いが長いですよね。
G.RINA - ちょうどわたしたちの制作中にでた彼の『SWEET MACHINE』ってアルバムもすごくよかった。
ZEN-LA-ROCK - みんなで「いやぁ、あのアルバムはヤバかった」って。
鎮座 - おれはもう頭ブチ抜かれましたね。
- そして楽曲のミックスはD.O.I.さんが担当されてますね。なぜD.O.I.さんをチョイスされたのか伺いたいんですが。
G.RINA - FNCYなりのヒップホップ的な人選やテーマをやってみたくて。ちょうどFNCYのアルバムを作ろうっていう段階で、C.O.S.A.くんのライブを見る機会があって。ライブを見ててトラックの出音が、特に低音域がすごい良くて。その場でSummitのA&RのRENさんに訊いたらエンジニアはD.O.I.さんだと。そのタイミングもガイダンスだなと、それでわたしたちもお願いしてみることにしました。D.O.I.さん、ミックスはもちろん素晴らしいんですけど、作業に立ち会ったときの時間もまたおもしろくて。ヒップホップ界のおもしろエピソードがもう無限に出てきたりして。
鎮座 - すげえ打ち解けやすいひとでしたね。OGすぎて緊張したけど、会うと全然壁のないひとで。
ZEN-LA-ROCK - おれもああいう方だって思ってなかったから超意外だったな。
- G.RINAさんから見て、D.O.I.さんがミックスするサウンドの醍醐味はどんなところだと思いますか?
G.RINA - USの最新の音をすごく聴いてらっしゃるうえで、こっちが求めてるものをうまく分解して仕上げてくれる感じというか。
鎮座 - こっちの意識を汲み取ってくれるよね。最新の音楽を聴いてるって意識が共通のベースとしてあって、なおかつ、こういう音楽をやってることが共有されてる。
ZEN-LA-ROCK - “AOI夜”とか“DRVN’”は違うミックスしちゃうとノスタルジックな方向に寄っちゃう恐れがあるんだけど、そこらへんもちゃんと汲み取ってくれる。2019年的な、普通に自分がDJするときに混ぜられるような塩梅にしてくれるっていう。
- クラブミュージックとしてはかなり重要な部分ですもんね。
ZEN-LA-ROCK - たとえば家でいい曲だなと思って聴いてる曲をクラブでかけても、前後の曲との相性で「んん?」ってなることってあるでしょ。やっぱりそういうのって楽曲自体のミックスがかなり大事で。D.O.I.さんがやることによって、ちゃんといまっぽい鳴りになる。
- G.RINAさんからD.O.I.さんに対して出音のリクエストみたいなものはあったんですか?
G.RINA - 曲ごとに細かくありましたね。あとはリファレンスを提出して「この曲聴いてからミックスしてください」みたいなのもありました。全然違うタイプの曲なんだけどこの感じのバランスで、みたいな。“DRVN”のときはMigosの曲を送ったのを覚えてますね。
ZEN-LA-ROCK - ほかにもD.O.I.さんにお願いしたからこそのミラクルはいろいろありましたね。“今夜はmedecine”も鎮くんのヴァースにオートチューンがいきなりかかって返ってきたり。しかもオートチューンの塩梅も絶妙だった。そんなにケロケロにする感じではなくって。
- アルバムを聴いて、FNCYはやはり特殊なグループだと改めて思ったんですよね。それこそヒップホップの定番的なトピックを扱っても、いわゆる「それっぽい」感じにはならない。そういったグループとしてのおもしろさはアルバム中のスキットやこれまで発表したPVからも感じ取れますね。
G.RINA - 20代ではできなかったことができてるっていうは感じはありますね。「ワック」って言葉が昔流行ってたんですよね。その時代じゃ、こんな風にポジティブに等身大にはなれなかっただろうな(笑)。3人でセンスは共有してるから、いけるかいけないかのボーダーラインはもちろんあるんですけどね。
鎮座 - 「ワック」っていっても「これ、ワックだね〜! ゲラゲラ〜」くらいの感覚だよね。
ZEN-LA-ROCK - 「わ〜、これすごいダサいね~! 笑える〜」みたいな(笑)。
- その話の延長で、3人が答えてる別のインタビューを読んで興味深かったのは、「ダサいって思えるものが共通してる」って話で。そのダサさのラインってもうすこし具体的に説明すると?
G.RINA - むしろなんとなくカッコいい、みたいな。そういうのはアウトかも。
ZEN-LA-ROCK - 全国のクリエイター必見(笑)!
鎮座 - 「ふ、雰囲気だけはなんとなくカッコいい……? ぼ、ぼくのこと?」(笑)。
G.RINA - でも、これってみんなやりかねないんですよね。自戒も込めて。さっきも言ったけど、90年代のヒップホップ界って「ワック」ってめちゃめちゃ言ってたじゃないですか。いまはそれがなくていいと思うな。時代、時代で似たような表現はあるのかもしれないけれど。そもそも、ヒップホップの中でも、いろんな価値観が受容されてきているのを感じますね。女性ラッパーの活躍、セクシュアリティの多様さを見ても。
- 排外主義というか、ストリクトリーなヒップホップマインドしか尊重しない空気感はあって、息苦しかったかもしれないですね。
鎮座 - 乱暴な考え方でしょ。それが乱暴かどうかわからなくて、なんとなくそのエネルギーにひれ伏してた。本当は自分で考えなきゃいけないから。「ワック」と「リアル」は。
ZEN-LA-ROCK - あとさぁ、さっきのおじさんのシュプリーム問題じゃないけど、むりやりシュプリーム着てる感じとかはヤバいよね。
鎮座 - それがいいアイテムだって広まりすぎちゃって、なんの考えもなしに着てる、って状態ね。自分の筋とは違うものを表層だけで持ってくることはやめたほうがいいんじゃないの? っていう。
ZEN-LA-ROCK - 笑えないしね。ただ、コロッケがつけてるクロムハーツは笑える(笑)。そう考えると基準がむずかしいんだけど。
鎮座 - やっぱ宿ってる人が着ると違う。
ZEN-LA-ROCK - でもそんな人はなかなかいないじゃん? コロッケ先生ぐらいのレベルまでいかないと。
鎮座 - 志村けんが着るエイプとかね。「なしなんだけどあり」みたいな。それもさっきの話と共通してるのはピュアネスがあるかないかっていうことで。自分たちが「フェイク」や「ワック」って概念をどう解釈するかっていうと、「むりやり」とか「つくろい」ってことなんだよね、結局。
G.RINA - 明確になにがきらいとか言うってことじゃなくって、「なんかあれ苦手なんだよね。世の中ではそうじゃないみたいだけどどう思う?」みたいなことを話して、苦手な理由を突き詰めていけるのが重要だと思ってて。この3人ではそういう話がちゃんと共有できるっていう。
鎮座 - きらいって言ってても、それに関していろいろ考えてるわけで。本当にきらいだったらそこまで愛情持てないもんね。
G.RINA - そうそう。掘り下げると、自分の大事にしているものに気づくこともあるしね。世の中にある物事に対して、世の中の感じ方、自分たちの受け止め方、いちいち考えてみるってのは結構FNCYな時間。
鎮座 - そうだね。否定するっていうか「ちゃんと考えよう」みたいなマインドが大事。
Info
Stream & Download『FNCY』
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