先月リリースされ、初の全米アルバムチャート1位を獲得したことでも話題となったTyler, The Creatorの最新作『IGOR』。リリース時から集中して聴くことをリスナーに要求するなどかなり気合の入った作品である同作の中から、Tyler自身が気に入っている部分が明かされている。
Tylerは今日、自身のTwitterで「“NEW MAGIC WAND”の1分25秒で、スピーカーから最も高い音が出るのが俺が作った中でお気に入りの瞬間だ。純粋な感情を基にしてる。どうしてかを表現することは今まで出来なかった。俺は、あれが一番お気に入りの曲だっていう結論にたどり着いたよ。俺があの曲で試したことは全て完璧だ」と、“NEW MAGIC WAND”が『IGOR』の中で最も好きな楽曲であると語っている。
1:25 on NEW MAGIC WAND, speaker at its highest, is my favorite moment ive made, purely based on feeling. havent been able to articulate why. ive also came to the conclusion this is my favorite song ive made. its so, tyler: everything ive attempted in one, executed perfectly
— Tyler, The Creator (@tylerthecreator) 2019年7月2日
その後もKanye Westが参加した“PUPPET”について「“PUPPET”の2分52秒のラララっていうのが、全ての曲に入れようとした甘いボーカルだよ。あれが俺のヴァースを誠実で熱いものにしてる。俺はそういう細かい部分が大好きなんだ」というこだわりを明かし、また“WHATS GOOD”についても「“WHATS GOOD”のドラキュラのパートではとても怒っていて、それにはみんな賛成してくれると思う。あの曲でのブレスはアルバムの全ての曲に入っていて、あれが曲を人間らしくしてるんだ」と細かなディテール部分の効果を説明。
other than my verse cause it was so honest and fire, the 'la laaa' at 2:52 on PUPPET is one of those little sugar vocals i try to add in every song. i love small things like that
— Tyler, The Creator (@tylerthecreator) 2019年7月2日
the dracula part on WHATS GOOD is so screw face, i think we can all agree on that. and the breathing throughout the song is a little detail i implimented on the whole album, makes it human.
— Tyler, The Creator (@tylerthecreator) 2019年7月2日
そして、「“GONE GONE/THANK YOU”の5分20秒のコードは、どこからともなく俺の愛が出ているように感じる。俺にとってあのコードは水のように聞こえるんだ。青い透明な水で、黄色も少し入ってる。ボーカルでコードを台無しにしたくなかったから大部分をインストにして、ボーカルはフックに留めるようにしたんだ」と、楽曲の一瞬のコード進行が持つ感情についても語った。
its a chord at 5:20 on THANK YOU that feels like it comes outta nowhere that i fucking LOVE. it sounds like water to me. saturated clearwater blueish, a hint of yellow in it. i didnt wanna ruin it with vocals so i just left it mostly instrumental and keep my voice on the hook.
— Tyler, The Creator (@tylerthecreator) 2019年7月2日
通常の場合アーティストは自身の作品の音作りやコードのディテールについて多くを語らないことが多いが、細部についても詳細に語ることが出来るほど『IGOR』にはTylerのこだわりが数多く詰め込まれているということだろう。
Tyler自身のこれらのコメントを踏まえて『IGOR』を改めて聴き直せば、初めて聴いたときとはまた違った楽しみ方をすることが出来そうだ。