Apple MusicやSpotifyのようなストリーミングサービス、あるいはSoundCloudやBandcampの誕生以前に、音楽プラットフォームとして大きなシェアを誇っていたMySpace。ヒップホップではSoulja Boyの“Crank That”がMyspaceをきっかけに全世界で流行したことも知られているが、今回、MySpaceにアップロードされた2003年〜2015年までの楽曲データが全て消失したことが明らかになった。
Myspace accidentally lost all the music uploaded from its first 12 years in a server migration, losing over 50 million songs from 14 million artists. https://t.co/OyKB5Dxtw9
— Andy Baio (@waxpancake) 2019年3月18日
Consequence of Soundが報じるところによると、アメリカのフォーラムサイトRedditのユーザーが「MySpaceから2015年までの楽曲が全て消えている」と指摘。昨年よりMySpace上の音源を聴くことが出来ないことが報告されていたが、今回、あるユーザーが問い合わせを行ったところ「サーバーの移動の結果、ファイルが破壊され移動することが出来ませんでした。復元する手段はありません。ありがとうございます」との返答が返ってきたという。あまりにあっさりしたコメントである。
https://t.co/m4itH5Hx1u Just in case you're wondering how it's going. pic.twitter.com/3O5l551F7e
— Jason Scott (@textfiles) 2019年3月17日
その後、公式に「サーバーの移動の結果、三年前までにアップロードされた写真や動画、音源が全て利用不可能になってしまいました。ご不便をおかけして申し訳ありません」との発表が行われた。
消失した12年分のデータはおよそ5000万曲にのぼるそう。確かに現在MySpaceに音楽をアップロードするユーザーは少ないだろうが、様々なプラットフォームが隆盛する以前に上げられた、そこでしか聴くことの出来ない音源がMyspaceには多数存在していた。貴重なディグの鉱脈が失われ、音楽ファンの間には悲しみの声が広がっている。
一時代の感じさせる今回の一件。「貴重なデータはバックアップをとっておくべき」というのがせめてもの教訓だろうか。