かつての所属レーベルであるEMI相手に訴訟を起こしていることが報じられているKanye West。既に契約を満了しているにも関わらずEMIから作品を発表しなければならない状況に置かれている彼が、かつての同レーベルとの契約によって音楽活動の引退を禁止されていることが明らかになった。
The Hollywood Reporterが入手した文書によると、EMIの契約書にはKanyeに対して「あなたはこの契約書を通じて、作曲、メジャーレーベルアルバムの制作、レコーディングに職業として積極的に関わり続けることを表明したものとします。任期中はソングライター、レコーディングアーティスト、プロデューサーとしての活動を引退、もしくはキャリアを積極的に追求していない期間を延長することはできません」と、音楽活動の引退、休止を禁止する文言が含まれている。
この契約が「労働」ではなく「奉仕」にあたるのではないか、という点が今回の裁判の論点とされており、Kanye側はこの契約がカリフォルニア州の労働法第2855条に違反しているとしている。この法律は個人奉仕契約を7年以上継続することを禁止するものであるため、主張が通ればEMIとの契約は既に満了したということになる。
加えてKanyeは自身がEMIからリリースした作品の権利を返還することも求めているが、EMI側もこの要求を巡って連邦裁判所相手に訴訟を起こすなど非常にややこしい事態に発展してしまっているようだ。
自身のレーベルG.O.O.D. Musicが成功を収めている現在、古巣のEMIとの契約は彼にとって足枷でしかないらしい。果たして無事に自由を勝ち取り、新作『Yandhi』を無事リリースすることが出来るのだろうか?