先日Lil PumpがTwitter上でプレビューした新曲“Butterfly Doors”にアジア人を差別するようなリリックと「Ching Chong」というアドリブが含まれていることが問題となっている。日系アメリカ人ラッパーのMiyachiがこの件に対してリアクションを行なったことも取り上げたが、中国からはラッパーたちによってLil Pumpのディス曲が続々と発表されている。
ラップグループCD Revは“Fuck Lil Pump”と題された英語のディス曲をリリース。
「お前と白人のレイシスト共は同じだ、お前だって痛みに苦しんで来たはずなのに/お前は歴史を知らない、移民の国に生きているのに/これを真剣に捉えられないなら、インディアンについて調べてみろ」という歌詞で、Lil Pumpにアメリカ人として必要な意識が欠如していることを痛烈に批判している。
他にもPG One、Lil Andy、AnsrJなどのラッパーがディス曲をアップロードしている。
問題となった“Butterfly Doors”のビートを即座にリミックスするスピード感と、Lil Pump以上のラップスキルを見せることで応戦しようとする姿勢を持っているディス曲が多いことから、いずれのラッパーも中国のラップシーン、ひいては文化への誇りを示そうとしていることが分かる。
いち早くディス曲を発表したCD RevのLi YijieはSouth China Morning Postの取材に対し「最初に感じたのは怒りだった。侮辱的な歌詞だけじゃなくて、彼が作った顔のジェスチャーも含めてだ。彼があの仕草を見せたということは、歌詞が差別的だと分かっているということだから。無責任だと思う」と怒りを表明している。アジア人を示す時に目を細めるジェスチャーは古くからアジア人を差別する常套手段として用いられており、Lil Pumpもそのことを理解していた可能性が高い。悪意の有無に関わらず、あまりに思慮が欠けている行為だ。
Lil Pumpの問題となった動画は未だに彼のアカウントから削除されずに残っている。
BUTTERFLY DOORS
— Lil pump (@lilpump) 2018年12月16日
彼が自身に向けられた反発の声を認識していないとは考えにくいが、何らかのリアクションを彼が見せることはあるのだろうか?