FNMNL (フェノメナル)

【インタビュー】Juice WRLD | 自分だけのためじゃなくみんなのために

シカゴ出身の19歳のラッパーJuice WRLD。とっつきやすいメロディアスなフロウと、失恋など普遍的なテーマを描く彼のエモーショナルなリリックは、いま多くの同世代のファンを掴んでいる。

昨年SoundCloud上でリリースしたEP『999』に収録されていたStingをサンプリングした"Lucid Dreams"が大きな話題となり、なんと全米シングルチャートで最高2位に上り詰めた。

今年アルバム『Goodbye & Good Riddance』をリリースした彼は、矢継ぎ早にFutureとのコラボミックステープ『WRLD ON DRUGS』もリリース、現代のラッパーらしいせわしない動きで楽曲を量産している。

ツアーの合間をぬって初来日を行った彼に、短い時間ながら話を聞く機会があった。

取材・構成 : 和田哲郎

- まず、サプライズでリリースしたFutureとのミックステープについて聞きたいんですが、どのようにFutureと作品を作るようになったんですか?

Juice WRLD - 俺は元々Futureのファンで、ファンとして彼に連絡を取ったんだ。そこから彼と連絡を取り合うようになったんだ。それで一緒に曲を作るようになったんだけど、作った曲が沢山集まって今回のアルバムになった。

 - Futureは曲を作るのが早くスタジオでの集中力が物凄いという話を聞いたことがあるんですが、二人でスタジオに入ったんですか?

Juice WRLD - 一緒にスタジオに入ったんだけど、俺も曲を作るのが早いから曲作りがすごく上手くいったよ。

 - あなたが一時間以上途切れずフリースタイルをする動画を見たことがあるんですが、フロウのアイデアが尽きることはないんですか?

Juice WRLD - エンドレスに続けられるのは子供の頃に本を沢山読んだから、語彙が豊富なんだ。それとイマジネーションもすごく幅広いし、その2つが一緒になったおかげでフリースタイルをずっと続けられるんだよ。

 - ちなみに、どういう本を読んでいたんですか?

Juice WRLD - ナルニア国シリーズやパーシージャクソンも読んでいたし、シェイクスピアや哲学の本も読んでいた。

 - あなたのリリックはエモーショナルな物が多く、女の子を失うなど悲しい感情を歌うものが多いですよね。そう言った部分も読書体験からインスピレーションを受けて考えた物なんですか?

Juice WRLD - リリックの中で、伝え方やアドバイスをするときの言い方は昔読んだ本の影響が大きいんだけど、リリックで語っている内容自体は全部自分の実体験から来てる。俺の気持ちをそのまま伝えたかったんだ。

 - リリックを思いつくのも、何か自分に大きな影響を与えるような体験があったときなんですか?

Juice WRLD - 俺がリリックを書くプロセスは、まずビートを聴いてスタジオに入って、ビートから自分がどこに導かれるか、という形で作られるんだ。もちろん曲によっては先にある程度のアイデアを持っていることもあるけど、ほとんどの場合ビートを聴きながら思い浮かんだことをフリースタイルでラップしてる。

 - じゃあ、ほとんどの曲がフリースタイルなんですね。

Juice WRLD - その通りだよ。

 - 去年"Lucid Dreams"や“All Girls Are the Same”でいきなり注目されて、今年“Lucid Dreams”がビルボードチャートで2位になった訳ですが、自分の名前がここまでのスピード感で世界に広がると予想はしていましたか?

Juice WRLD - みんなが曲を聴いてくれて、曲のおかげで注目されたことも分かっているけど、始める前からここまで注目されるとは思ってなかったね。

 - 若いファンが沢山いると思うんですが、キッズたちが自分の曲のどういう部分に共感したり好きになっていると自己分析していますか?

Juice WRLD - 俺の曲は、自分が子供の頃から経験したことだったり、自分が大人たちの中でどうやって育ってきたのか、って所から来てる。アメリカの子供たちはみんな同じような経験をしてるから、それだけ共感もしやすいと思うし、俺自身も音楽をやるときに俺だけのためじゃなくてみんなのために曲を書いてるんだ。

 - エゴというよりも、感覚をシェアするためにやっているということですか?

Juice WRLD  - ああ、その通りだ。

 - Lil PeepとXXXTentacionを追悼する“Legends”という曲もありましたが、彼らも同様に同世代の感覚をシェアするアーティストですよね。

Juice WRLD - もちろんLil PeepとXXXTentacionに共感する部分が多かったし、特にXXXTentacionは個人的にもよく知っていて何度も話したし、素晴らしい才能を持ってる2人が、あれほど若く亡くなったことが本当に悲しかったんだ。

 - 他にも同世代でシンパシーを覚えたり、尊敬しているアーティストにはどのような人がいますか?

Juice WRLD - 俺が凄く共感しているアーティストはDrakeだ。『Thank Me Later』が出たとき俺は小学生で、その時は彼の音楽が好きで聴いていたんだけど、今聴くとまるで俺が今経験していることをそのアルバムで語っているような感覚になる。それがタイムレスな音楽だと思うし、俺もそういうことをやっていきたいんだ。そういう音楽を作っているDrakeには凄く共感できるよ。

 - 最後の質問ですが、今年はアルバムを出して、Futureとのミックステープも出して、Ski Mask The Slump Godとのミックステープも準備していますよね。他にどのようなコラボをする予定がありますか?

Juice WRLD - Skiとは数曲しか作ってなくて作品として出すかはまだ分からないんだけど、最高の友達の一人だ。彼にシャウトアウトを送るよ。俺は今後色々なアーティストとコラボしたいと思ってて、The Chainsmokersとも曲を作ったんだ。Lil WayneやDrakeとも一緒に曲を作りたい。Trippie Reddと作った曲もあるんだけど、それが世に出るかはまだ分からないかな。

 - ありがとうございました。

Info

Juice WRLD
“Goodbye & Good Redence”
配信中

Tracklist
01. Intro
02. All Girls Are the Same
03. Lucid Dreams
04. Lean Wit Me
05. I'm Still
06. Betrayal (Skit)
07. Candles
08. Scared of Love
09. Used To
10. Karma (Skit)
11. Hurt Me
12. Black & White
13. Long Gone
14. End of the Road
15. I'll Be Fine

Exit mobile version