15歳でDMCの世界チャンピオンとなるなどバトルDJとして伝説的な存在でありながら、プロデューサーとしても第一線を走り続けるA-Trakがインタビューにて2018年にDJが果たすべき役割について語っている。
A-TrakはDJBoothのインタビューに対し、自らの来歴やレーベルFool’s Goldの運営などについてコメント。その中の「誰もがSpotifyのプレイリストを簡単にパーティで流せるようになった2018年に、DJであることの意味はどんな物ですか?」という質問に対し、「DJの本当の役割は音楽を探して、オリジナルで個性的な選曲をすることだ。シンギュラリティが来てロボットに全てが集約されたとしても、人間のパーソナリティと選択に取って代わるものなんて無いだろ?」と、彼にとってDJの根幹となる部分は選曲であると力説。さらに、「DJのもう一つ大きな仕事は観客の雰囲気を読み取って驚くべき選曲をすることと、曲と曲の中のエネルギーを文字通り読むことだ。毎週たくさんの新曲が出てくるけど、人々は信頼出来る選曲家を求めていると思うんだ。それがDJだよ。信頼出来る選曲家だ」と続けた。
Spotifyなどサブスクリプションサービスのプレイリストやレコメンドによって新しい曲を知ることも出来るが、アルゴリズムよりも間違いないセンスを持った一人の人間の選曲の方が信頼出来ることは確かだろう。一つのイベントの中でそれぞれのDJのセンスの違いを味わうこともパーティの醍醐味であり、それはSpotifyで代用出来るものではない。
A-TrakはSheck Wesの“Mo Bamba”を批判するZeddとTwitterで激論を繰り広げるなど、日々更新される音楽を追い続け並々ならぬ思い入れを持って接していることが良く分かる。このようなDJがトップに存在し続ける限り、DJの役割が機械に奪われることは無いのかもしれない。