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【インタビュー】CIFIKA | デザイナーから革新的なエレクトロニックアーティストへ

LAのデザイナー事務所で平凡な日々を過ごしていたCIFIKAは、2016年にSoundCloud上に曲をアップするとそのままの流れで、ミュージシャンとして新しく生まれ変わる為に韓国への移住を決断。デビューから2年という凄まじいスピードで革新的なエレクトロニック・ミュージシャンとして様々なメディアに取り上げられる存在になった。今年3月に発表したEP『PRISM』は、制御されたミニマルサウンドの上に隙間の無いスムーズなボーカルサウンドが混ざり合い、万華鏡をテーマに様々な角度からの光の見え方を教えてくれる作品となっている。

CIFIKAの才能は海外で先に注目を浴び、イギリスのDazedでは今月のK-popに選定され、BBCやNTSでも、いち早く彼女の曲が取り上げられた。そして、韓国人アーティストとしては異例の動員数となったアメリカツアーを敢行。華やかな経歴と圧倒的な存在感は、新人アーティストとはとても思えない。
4/27(金)に渋谷WWW・WWW X・WWW βで開催される『Emotions』の出演を前に、CIFIKAに話を聞くことができた。

取材・構成:YonYon

YonYon - こんにちは。YonYonです。CIFIKAさんとは、韓国で1度お会いしてからしばらく経ちましたが、最近かなり忙しそうですね。こうしてインタビューできて嬉しいです。

CIFIKA - まず、アルバム発表後以降初めて韓国語でインタビューすることになって感慨深いです。最近、英語でのインタビューをたくさんして、デスクトップが英文のインタビューファイルでいっぱいになっていたので、韓国語で回答するのはとても新鮮で嬉しいです。

YonYon - 早速ですが、韓国の新人アーティスト史上最多の動員数を記録したアメリカツアーが記憶に新しいのですが、SXSWに出演してみてどうでしたか?

CIFIKA - SWSWでは、Korean Spotlightステージと、Reeperbahn Festivalステージに立ちました。韓国人アーティストとして米国のフェスティバルに出演できたこと自体が、まるで夢みたいだったし、まだ夢を見続けているような感覚です。

YonYon - SWSWを皮切りに、約20都市を回るアメリカツアーを敢行されましたね。ツアースケジュールを見た限りかなりハードな日々を過ごされたと思います

CIFIKA - 米国ツアーはとてもつらく、限界を超えましたね。だからこそ意味があるものになりました。他の人のために動き、他の人は私のために動いてくれるのをみて、人間を理解する機会になりましたし、私自身を理解することもできました。生まれてから、このような貴重な経験はなかったでしょうね。

NYでのライブの模様

YonYon - アメリカは東西南北でとても広いですが、地域によって公演の雰囲気は違いましたか?

CIFIKA - はい。その都市ごとに雰囲気は違いましたね。あまりにも広すぎて、一つの国と言うのが意味がないほど人々の格好から食べ物まで違いましたね。気に入ったのはLAとNY。LAは私の故郷。NYは良い公演。あ、それとシアトルではカッコいいファンの方達と遭遇しました。

YonYon - ツアー中にはドキュメンタリーの撮影もされていましたよね?ライブすること以外にも思い出に残った事はありますか?

CIFIKA - スタイリストのヤビと、ビデオグラファーのウジュとあまりにも深く、美しい物語を夜通し語ったことを覚えています。

YonYon - 具体的にどんな会話を交わしたのか少し教えてもらえませんか?

CIFIKA - それぞれが経験した出来事や感じたことについて、何の遠慮もなく素直に話し合いました。こんなに誰かと深く会話を交わしたのは初めてだった気がします。お互いを慰める時もあれば、批判する時もあったし、ある日は夜空の下で少年少女に戻った気分でした。
そして芸術が私たちにどのような影響を与えているのか、どうして私たちはここに集まるようになったのだろうか、どんな未来が私たちを待っているのだろうか、韓国に帰った後は私たちは何をしているだろうか…人との縁とは何だろうか、また運命とは何だろうか?どこかの宇宙にいる私たちと同じ他の存在は、私たちのように会話をしているのだろうか。死は恐ろしいのか…等、本当にたくさんのことを議論しました。一言で、ヤビとウジュの魂に恋に落ちました。
彼らとの会話は私の人生にあまりにも大きな影響を与え、純粋な感動を覚えました。ヤビとウジュがツアーを共に歩んでくれたのがこのツアーの中で一番大きな意味がありましたね。

YonYon - 米国で公演したのは今回が初めてでしたか?

CIFIKA - はい。初めてでした。アメリカは私の第2の故郷で大人になるまでを過ごした国です。まさにドリーム・カム・トゥルーでした。ミュージシャンになったら、いつか必ず米国で公演をしようと思っていたのが、実現されてしまいました。

YonYon - 幼い頃のあだ名がDD (Dream Designerの略)だったと、とある記事で読んだのですが音楽家になるまでこのあだ名には何か意味がありましたか?

CIFIKA - DDは、夢をデザインする人になりなさいという意味を込めて父が付けてくれたあだ名です。幼い頃から音楽をよく聴いていて歌うことが好きでした。そうするうちに、音楽を学ぶ機会ができてLAで勤めていた職場を辞めて、音楽理論や音楽の歴史を約1年半学びました。その過程の中で独学で音楽をプロデュースする方法も身につけ、SoundCloudに曲をアップしてさらに熱が入り、6ヶ月後には韓国に行ってミュージシャンになることを決意しましたね。
LAには中学3年生の頃から約10年間住んでいましたが、ミュージシャンとして新しく生まれ変わるためにソウルに移住したので、DDの意味を実行することができたと思います。

YonYon - 久々に韓国に戻った時、何か感じたものはありますか?

CIFIKA - 引っ越して来てからもう2年も経つので、その時の記憶はあまり残っていませんが、最初はとても怖くて孤独でした。友達もいなくて、どこでどのように活動するべきなのかすらわからなかったので。

YonYon - なるほど。かなり大きな決断だったと思います。そういう意味では、数年前にSounCloud上に初めてアップロードした、“Cali Vibe”の存在は大きかったのでは?

CIFIKA - はい。CIFIKAとしての1曲目で、非常に多くの人々に私を知ってもらえるきっかけとなりましたので。"Cali Vibe"の存在がかなり大きいので、"Cali Vibe II"を作りたいと長い間考えてきました。

YonYon - 韓国のエレクトロニックミュージックシーンについてどう思いますか? アメリカと異なる点はありますか?

CIFIKA - アメリカとはそもそも文化が異なるので比べることはできないと思います。韓国のシーンは常に成長していて私も嬉しいです。ただ、才能のあるアーティストが多く存在するのに発見されていないとは思いますね。もっと大衆に知ってもらえるようになって欲しいです!

YonYon - 韓国の音楽市場の中で本人の立ち位置についてどうお考えですか?

CIFIKA - 多様性に貢献したいです。音楽だけじゃなくて、アートでも様々なことをやってみたいですね。

YonYon - アートでは具体的にどんなことをチャレンジしてみたいですか?

CIFIKA - 音楽を土台に映画音楽の制作や、オーディオビジュアルも挑戦してみたいし、私の声だけを重ねて作る合唱曲で構成されたアルバムも出してみたいです…。コンセプトにあったファッションデザイナーとのコラボレーションもしてみたいです。プロジェクトとしては、美術と音楽が均等な関係にあるようなミュージックビデオ - ビデオミュージックも作ってみたいと思っています。ライブは、芸術としての価値のあるステージを考えてみたいです。

YonYon - 女性アーティストとして意識していることはありますか? 韓国のフェニミズムと社会問題ついてどう思いますか?

CIFIKA - 意識していることは全くありません。私自身が女性であることをまず考えていないので、性別は意味が無いと思っています。韓国のアンダーグラウンドシーンで、フェミパーティーなどのイベントが増えてること自体はとてもいい現象だと思います。何かサポートできることがあれば一緒にやりたいです。

YonYon - 音楽を作る上で、どういったところからインスパイアされることが多いですか?

CIFIKA - 色々な所から影響を受けます。周りの友達の会話の中から、母親の愛の中から、広大な空の美しさから、動物の純粋さから、そして鏡の中の私を通して。

YonYon - 歌い方がとても独特ですが、参考にしているアーティストなどいますか?

CIFIKA - 声楽家たちです。母親の影響で赤ちゃんの頃からアラーム音は声楽曲でした…。

YonYon - デビューしてから、2年が経ちました。心境に変化はありますか?

CIFIKA - はい。自分の実力不足に、時には絶望したりします。学びには終わりがないと痛切に感じています。

YonYon - デビューEP 『Intelligentsia」は、音楽家としての新しい出発点であり、次のアルバムの為の練習の記録だと言ってましたね。 『PRISM EP』に対する思いを教えて下さい。

CIFIKA - フルアルバムで自分の完成されたスタイルを披露する前の、もう一つの練習の記録ですね。

YonYon - レーベル Third Culture Kids に所属してから、音楽活動に変化はありましたか?

CIFIKA - Third Culture Kidsは、韓国に移住してからずっと共に歩んで来たレーベルですので変化は特に無いです。レーベルはアーティストに最終決定権を委ねてくれているので素晴らしいと思いますね。

YonYon - レーベルメイトのMoon yi rang(元:GRAYE)さんとは、デビュー当時から一緒にシングルを制作していましたね。彼の存在は大きいですか?

CIFIKA - はい。精神的にも頼れる存在で、音楽的な影響も受けています。彼がオススメする音楽は常に進歩的なものなので、聴くと謙虚な気持ちになれますね。

YonYon - オフの時は何をしていますか?

CIFIKA - 休みの時はとことん休みます。NetflixとChill。

YonYon - よくHenz Clubで遊んでいるのも目撃します。韓国で一番おすすめのクラブやDJはいますか?

CIFIKA - 実はあまりクラブで遊ぶことに慣れていなくて、同僚の公演のサポート以外ではイベントに行かないです。個人的にはClub Faustの雰囲気が好きです。国内のDJでは、MushxxxやDguruがカッコいいと思います。

YonYon - EPをリリースし、ツアーも無事に終えましたが、2018年度これからの計画はありますか?

CIFIKA -  2018年には、大衆に対してもより身近な存在になれるように多くの活動をしようと思っています。より多くのアーティストとのコラボレーションを予定していますし、メディアへの露出もいい機会を作れたらと思っています。プロセスの中で後押ししてくれる風が吹いてくれるといいなと思いますね。チャンスがあればアジア、ヨーロッパツアーも行ってみたいです。それくらいアメリカツアーがあまりにも感慨深いものだったので。

YonYon - 今週金曜日、Emotionsに出演されますが、会ってみたいアーティストや、東京でやりたいことはありますか?

CIFIKA - 今回、初となるアジア公演になります。日本には旅行にすら行ったことがないのでとても楽しみです。会ってみたいアーティストは、Yahyel。東京でやりたいことはコンビニ制覇(笑)!

Info

タイトル:Emotions
日程:2018年4月27日(金)
会場:WWW / WWW X / WWWβ
OPEN / START:18:30 (24:00 END)
※18 歳未満は 22:00 以降入場不可
料金 : 前売り ¥2,300 / 当日 ¥3,000 (ドリンク代別 )
※ WWW / WWW X / WWWβ 出入り自由。

LIVE:(A to Z)
Awich
BIM
CIFIKA (from KOREA)
GOODMOODGOKU
Jin Dogg
Kick a Show
kZm (YENTOWN)
Seiho × KID FRESINO
TAWINGS
Tohji ←NEW
VIDEOTAPEMUSIC
YamieZimmer ←NEW
ゆるふわギャング

DJ:(A to Z)
CYK (Nari / Naoki Takebayashi / DJ No Guarantee)
HIBI BLISS ←NEW
LISACHRIS ←NEW
okadada
Sapphire Slows
YonYon

チケット一般発売:3/10(土) 10:00〜
e+ / ローソンチケット[L:73511] / ぴあ[P:111-388] / iFLYER / WWW店頭 / RA

問い合わせ:WWW 03-5458-7685 / WWW X 03-5458-7688
主催・企画制作:WWW

公演詳細ページ:http://www-shibuya.jp/schedule/008825.php

4/27金 深夜
「Emotions - late nite -」
会場:WWWβ
時間:OPEN / START 24:15
料金:¥1,000 (Emotionsリストバンド提示で入場無料/切り離したリストバンドは無効)
※未成年入場不可・入場時要顔写真付ID
※再入場不可・Emotionsリストバンドは入場時に回収致します。

DJ
荒井優作
Aspara
BUSHMIND
KM

LIVE:
TENG GANG STARR
Tohji

公演詳細ページ:http://www-shibuya.jp/schedule/008988.php

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