ウクレレといえばハワイアンではポピュラーな楽器であり、その軽やかで落ち着く音色を聴くと、思わずハワイの青い海を思い浮かべてしまいそうになる。
そんな爽やかさすらあるウクレレと、現行のハードなラップチューンの相性がいいかといえば、あまり良いとはいえないだろう。どちらかといえば水と油といった印象がある。
しかしウクレレ1本で人気ラッパーたちと共演するアーティストがいる。Einer Bankzというのが彼の名前だ。
アメリカ西海岸で生まれ育ち6歳からバイオリンを習っていた彼は、スズキ・メソードを習得し、耳コピができるようになったとElevatorのインタビューで語っている。
中学の時にバイオリンをギターに持ち替えた彼は、ヘビーメタルとパンクバンドでプレイしていたという。彼が初めてウクレレをプレイしたのは最近になってで、家で友人たちと飲んでいた時に、家にあったウクレレで友人が彼に「Snoop Doggをプレイしてほしい」と言われてカバーしたのが最初。Bankzと友人はその模様をレコーディングしアップしたところ、なんとSnoop自身がInstagramにポストしたことから、彼のストーリーは始まっていった。
その後彼は自身のInstagramアカウントでウクレレのカバームービーをアップし始めた。最初はそこまで多くの注目を集めたわけではなかったが、徐々にそのユニークなスタイルが話題となり人気ラッパーたちと共演するようになる。
どの曲もBankzの素晴らしい演奏スキルと、ラッパーたちのコンビネーションもバッチリだ。特にエモーショナルな楽曲とウクレレのメロディーがぴったりはまっている。
これらのビデオは全てiPhone Xでだけ撮影されたもので、Bankzはインタビューで各地に親交のあるカメラマンがいると語っている。
特に最近話題となっているのが、Lil GnarとGermを迎えた上の動画だ。"Samurai Shit"という楽曲名にあわせ、2人のラッパーがフルーツをおもちゃの刀で切り刻む中、Bankzは淡々とウクレレを紡ぐ謎の世界観が出現した内容になっている。
ウクレレ一本でヒップホップシーンの人気者たちと次々にリンクするBankzは、巨大なネットワークを作り上げるのが目標だという。現在彼が最もコラボしたいのはThe WeekndとDrakeとのことだが、その夢は叶うのだろうか?