CreativeDrugStoreに所属するビートメイカーのdooooが、今年リリースしたアルバム『PANIC』のジャケットに使用され、衝撃を与えた人肉MPC。
その後公開された仙人掌をフィーチャーした”Pain”のミュージックビデオは、この人肉MPCの誕生秘話も描かれたホラータッチの内容になっていた。
そうホラー映画こそがビートメイカーdooooに強く影響を与えたものなのだ。ということでFNMNLではdooooに影響を受けたホラー映画10本を紹介してもらった。
dooooが影響を受けたホラー映画10選
1.『ギニーピッグ3 戦慄!死なない男 (1986)』
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第1作目の『ギニーピッグ 悪魔の実験』が男達が女性に暴力を振るい、むごい拷問をする映像がひたすら流れるスナッフフィルム仕立てのものだったのですが、本作はコメディタッチのストーリーで心に余裕をもって見る事ができます。会社勤めに疲れた男が自分が死なない体である事に気づき、自分を刃物で傷つけ始めます。
「大腸取っても大丈夫」「胃腸を取っても良い調子」などと韻を踏みながら同僚に自分の内臓を投げつけるシーンが見れるのは、世界中探してもこの作品だけだと思います。
2. 『オールナイトロング』 (1992)
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小学生の時に野球をして帰ってきたら、兄が女の人のアキレス腱をハサミで切る映画を見ていてびっくりしたのを覚えています。殺人現場に居合わせた事からとある3人の若者が知り合い、女の子を誘ってパーティーを開こうとする・・・というシンプルなストーリーで見やすいのですが、これでもかという位異常な人物、狂気に溢れた生々しいシーンが詰め込こまれています。『オールナイトロング』は2も3も超面白いです。おすすめです。
3. 『人喰族』 (1984)
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中学生の時に食人系の映画が好きな友人が何人かいてこの手の映画を結構見ていたのですが、この映画はその友人達と見た事もあり印象に残っています。これをやられたら痛いという残虐なシーンの数々はリアルでトラウマになってしまいますが、つい最後まで見てしまいました。ストーリーはタイトルから想像できる通りのものだと思います。
4. 『神風』 (1986)
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会社をクビになったマッドサイエンティストがテレビに映る人を殺せる銃を作り次々に人を殺していくというホラーなSF映画です。ホラーうんぬんを抜きにしてストーリーがとにかく面白く、かんしゃく持ちのマッドサイエンティストのキャラクターも凄く好きです。あと音楽が80'sのエレクトロで超かっこいいです。
5. 『顔のない眼』 (1959)
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事故で顔が醜くなってしまった娘の為に、父親が若い女性の顔を切り取り娘に移植しようとするという話です。娘を思う気持ちからの行動なのか研究熱心なのか、とにかくやっている事は狂ってます。こちらもストーリーが面白いのはもちろん、映像の質感、出てくるセットや衣装の雰囲気が綺麗なのに不気味で好みです。
6. 『フリークス』 (1932)
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異形に生まれた人々のサーカス団を舞台にした映画で、本当かわかりませんが公開当時は、失神者が続出したり流産してしまう人もいたと言われているみたいです。復讐劇ですがそこまで怖さは無く、コミカルな雰囲気で話は進み、暗い気持ちにならずに見ることができます。実際にサーカス団や見世物小屋で働いていたという登場人物達、とにかく濃いです。
7. 『CUBE』 (1997)
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様々な殺人トラップが仕掛けられた部屋が連なる建物(?)から脱出する映画です。ただ残酷なシーンが流れるというわけではなく、登場人物のバラエティの豊かさ、罠のセンス、重厚感のある空間など僕の好みがとても詰まっています。CUBEシリーズ、何作かありますが本作が1番好きです。
8. 『ヤコペッティの大残酷』 (1974)
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お姫様と引き裂かれて城から追放された男がお姫様と再会すべく奮闘する、という一見ファンタジーのようなストーリーですが、まともな人間は一人も出て来ず、話の展開や映像の効果など、トータルで見てかなりぶっ飛んだ映画だなと思いました。邦題の「大残酷」というタイトルほど派手な残酷シーンは無く、暴力的なシーンは表現がストレート過ぎてどこか笑えます。
9. 『悪魔の毒々モンスター』 (1986)
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主人公の男の子がいじめられた末に有毒廃棄物の液体につかってしまい、醜いけど強いモンスター(ヒーロー)に変身して街にはびこる悪者を退治するというストーリーです。悪者を退治するシーンは、ヒーローなのにやり方が残酷で描写もかなりリアルです。悪者達は子供を轢き殺すゲームをしたり、おばあさんをぶん殴ったり、盲導犬を撃ち殺したり、本当にどうしようもない連中なのですが、全体的に明るいテンションでユーモアに溢れていて、嫌な気持ちになり過ぎずに見る事ができました。
10. 『地獄』 (1999)
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タイトルの通り悪い事をした人が罰を受ける地獄についてのお話です。オウム真理教の麻原彰晃など、実在する地獄に落ちるであろう人物達が、生前どのような行いをしたか描かれた上で裁かれます。地獄の描き方は僕が昔見たお寺にかざってある地獄絵図や本で読んでイメージしていた地獄そのものといった感じなのですが、全体の作りが(良い意味で)チープな為凄く独特な雰囲気が出ていて面白かったです。
10作品選んでみて、ホラーだけどどこか笑える作品が好きなのだなと改めて思いました。ホラー映画からは本当に強く影響を受けていて、今の自分の血となり肉となっています。10作品の中には選びませんでしたが『ザ ・フライ』というハエ人間の映画は、アルバム『PANIC』のジャケットに使用した人肉MPCのアイデアを生むキッカケだったりします。とても楽しく振り返ることができました。ありがとうございました。
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