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【インタビュー】GoldLink | 新しい音楽であり続けたい

GoldLink

ワシントンDC出身のラッパーGoldLinkは今年3/24に新作アルバム『At What Cost』をリリース。ファーストミックステープ『The God Complex』で注目を集めたGoldlinkは、2015年にはFetty Wap、Vince Staplesらと共にXXL Freshmenに選出された。

その後、LAを拠点とするクリエイター集団Soulectinとパートナーシップを組み、現在は名門レーベルRCA Recordsと契約している。他のラッパーとは一線を画すスタイルは、常に進化し続ける。そんなGoldLinkが6/16に渋谷 Sound Museum Visionで初来日公演を行った。

当日のライブでは、新作『At What Cost』からの楽曲と過去の作品を交えて披露。開始早々観客のボルテージは熱気に満ちていた。ライブの途中、Nirvanaの"Smells Like Teen Spirit"でエアギターを披露したり、新作に収録されている"Crew"は2度歌い、会場はカオスな状態に。

さらに、フライヤーには載っていなかったMasegoも駆け付け、ファンをエモーショナルな熱狂の渦へと昇華させた。大勢の観客からの止まぬ歓声と高く立ちこめる熱気に包まれながら、GoldLinkの渋谷 Sound Museum Visionでの日本初ライブは幕を閉じた。

その熱狂のライブ前のGoldLinkに話を聞くことができた。

取材・構成 : 野口耕一

- 日本に着いてあんまり時間は経ってないけど、雰囲気はどう?

GoldLink - 猫カフェに行ったよ。猫カフェは素晴らしくてクレイジーだったよ。あと、夜中なのに人が歩いているのがすごかったな。

- ワシントンDC出身だけど、地元はどんなところ?

GoldLink - 少し肩の力が抜ける奇妙なところだよ。ジェントリファイされて住みやすいし、トランプもいるから、警備員も大勢いる。ポリティックでワイルドな街だよ。クラブには黒人がいっぱいいる。変なところだ。

- お気に入りの場所はある?

GoldLink - ジョージタウン。とても静かだからね。

- アルバムをリリースした今の気持ちは?

GoldLink - リリース出来てやっと解放された気分だよ。

- 今回のアルバムを一言で表すとしたら?

GoldLink - ワシントンDCの歴史へのラブレター。

- "Crew"に参加したShy Glizzyも同郷ワシントンDCだよね。彼はどんな人?

GoldLink - 彼はクールだよ。彼は自分しか信じないんだ。だから、初対面の人には、怖がったり、緊張したりしちゃうんだ。だけど、彼はとてもおもしろいし、強い個性を持っている威圧感のある人間だ。とてもクールだ。

- Beats 1のインタビューでゴーゴーっていう音楽から強い影響を受けたって言ってたけど、過去にラップ以外のジャンルに挑戦したことはある?

GoldLink - それは何もない。ゴーゴーは、音楽を始める初期衝動だ。何かを創作するためのすべてのベースとなっているものだ。

- 今回のアルバムの背景には、ゴーゴー以外にどんな音楽の影響があるの?

GoldLink - アフリカ人のアーティスト。あのアルバムには60年代、70年代、80年代に世界的に活躍したアフリカンアーティストの要素がたくさん入っている。そのドラムが俺をハッピーにさせてくれるんだ。

- アルバムでの客演の人選は、どうやって決めたの?

GoldLink - 今回は感覚に頼って決めた。客演のほとんどが地元のアーティストっていうくらい95%くらいワシントンDCのアーティストになったけど。今回はアーティストの考え方で決めたんだ。

- これからコラボしたいアーティストはいる?

GoldLink - まだわかんないな。今までコラボレーションしたい人全員とやってきたから。

- Soulectionと組んだり、ディスコティックなものとか、ブーンバップなサウンドを作ったり、最近ではFalconsとの曲をリリースしたね。これからのあなたの音楽はどうなっていくと思う?

GoldLink - 新しい音楽であり続けたい。今は明確に進むべき道も分かっているよ。どこに向かって、何をするべきか。

- 最近見て心に残ったライブは何?

GoldLink - Anderson.Paakはクールだった。彼の多くの一面に驚かされる。ドラムもできるし、歌も歌える。Anderson.PaakとThe Internetだね。彼らは見ていて楽しい。

- 以前88risingに出てたけど、アジアのラップについてはどう?

GoldLink - おもしろいと思う。とても興味があるよ。彼らは基本的なことは分かっている。彼らが俺に見せてくれたものはとても気に入ったよ。よくはわからないけどクールだった。特に、Rich Chiggaには考えさせられた。彼は俺の友達に似ている。彼は才能を持っているよ。

- 最近のラッパーはSNSをよく使うけど、あなたはあまり積極的じゃないよね。SNSについてどう思う?

GoldLink - 俺にとっては時間の無駄だ。ソーシャルメディアの良い点は、世界を小さくさせ、ネット上で誰とでも繋がりやすくなった。だけど、悪い点は、多くの時間を奪われることだ。あれを使うことは自分の知覚を自分で破滅させているようなものだ。

- だけど、Migosの"Bad&Boujee"やLil Uzi Vertの"XO Tour Llif3"の様に、ソーシャルメディアがヒットソングの一助として役割を担っているところもあるよね。

GoldLink - それは確かだ。だけど、同時に今までより音楽の消費スピードを速くさせていると思う。例えば、それで下手なアーティストに驚異的なヒットを生みださせることもできる。だけど、そのアーティストは、ヒットしたことがないキャリアのあるアーティストよりも早死にする。10年前なら、それで儲けた金は同じ金じゃない。ヒットはヒットでも同じじゃない。だけど、今は同じ価値を早く手に入れられる。今の時代でもAnderson.Paakの様なアーティストが長く生き続けられるのは、みんないろんな曲を聴けて、それが消費の早い曲より質がいいと気づくからだ。それが現代にとって本当のアーティストだ。ソーシャルメディアは楽曲を強くさせ、ヒットさせる。この裂け目はさらに小さくなる。とてもおもしろいよ。だけど、俺はそんな音楽とは違う。

Recap

JAPAN Celebrates 1st
GoldLink in TOKYO
@ Sound Museum Vision

6/16(金)

OPEN22:00
ADV3300円 DOOR4000円

ACT
GoldLink

GoldLink - 『At What Cost』

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