第89回アカデミー賞で8部門にノミネートされていた、『ムーンライト』が作品賞、脚色賞(バリー・ジェンキンス、タレル・アルビン・マクレイニー)、助演男優賞(マハーシャラ・アリ)の3部門で受賞を果たした。
作品賞の発表時には 『ラ・ラ・ランド』と発表され、チームが登壇した後、まさかの訂正の発表があり、『ムーンライト』が作品賞に選ばれるというアカデミー賞史上前代未聞のハプニングも。
バリー・ジェンキンス監督は、最強のライバルだった『ラ・ラ・ランド』のチームに敬意を払いながらも、熱のこもったスピーチを披露した。
バリー・ジェンキンス受賞スピーチ:「この映画を完成させることは不可能だと思っていました。でもここいる全員が“決してそんなことはない”と必死で励ましてくれました。そして僕に力を貸してくれた皆さんありがとうございました。選んでくれたすべての人に感謝しています。これは夢でない。これが現実なんです。なんてことでしょう!」
またイスラム教徒として史上初、黒人俳優としても助演男優賞では12年ぶりの受賞となった、マハーシャラ・アリも「多くの恩人に巡り合いました。“お前が中心ではない。物語やキャラクターに奉仕しろ”といわれたのですが、このような機会を頂けて本当に感謝してます。キャスト、スタッフ素晴らしいチームでした。キャスト皆からインスピレーションを受けました。アカデミーに感謝し、妻に感謝しています。4日間前に娘が生まれたんですが、その間もずっとサポートしてくれていました。ありがとう」とスピーチを行った。
『ムーンライト』は自分の居場所を探し求める主人公の姿を、色彩豊かで革新的な映像美と情緒的な音楽と共に3つの時代で綴っている。人種、年齢、セクシュアリティを越えた普遍的な感情が描かれている作品が受賞するというのは、とても2017年らしい出来事だったといえるのではないだろうか。
日本では『ムーンライト』は4月28日(金)、TOHOシネマズシャンテ他にて全国公開される予定だ。
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