ドイツ・ベルリンにある発電所跡地のKraftwerk、そしてClub Tresor、OHMにて毎年夏に開催されているフェス「Berlin Atonal」が初のサテライト・イベント「New Assembly Tokyo」を2017年2月17〜19日の3日間、東京で開催する。
2月18日(土)渋谷Contactで開催のクラブ・ナイトにて、Sighaは、モジュラー・シンセ、ドラムマシン、エフェクトを組み合わせた、濃密でパワフルかつ揺るぎないライブを披露する予定だ。実験的テクノの分野で最も卓越した存在として、その地位を確立しているSighaにインタビューを行った。
Interview by Jun Yokoyama
今、どこで何していて、何を聴いているか、最後に食べたか教えてください。
今はベルリンの家にいるよ。恥ずかしいんだけどもう15時なんだけど、今から今日が始まるって感じだ。キッチンでシリアルを食べながらThe Cureの"Disintegration"を聴いているよ。
日本では何度ほどパフォーマンスをしたことがありますか?
何度も日本でプレイしたことがあるよ。お世辞抜きで大好きな国の一つ。パーティに来るオーディエンスは自分がプレイするスタイルのテクノのことを良く分かっているようだし。もちろん日本の食べ物も好きだし、カルチャーを心から愛しているよ。日本の各都市には自分を夢中にさせるようなエナジーがあるよ。
Berlin Atonalをあなたなりに日本の読者に紹介してもらってもいいですか?
個人的にはBerlin Atonalっていうのは、音楽とアートの世界からなにかユニークでスペシャルなものを作ってやろうっていう志を同じ人が集まってくる象徴的な場所だと思ってる。Berlin Atonalは、いろんなジャンルのドットをつなげるように、様々な現象のエクスペリメンタルな面に向かうんだ。
だから本当にここ数年間Berlin Atonalが急成長していることは素晴らしいことだと思う。世界中から沢山の人がBerlin Atonalにやって来る。そして今やそのフェスの旅の第一回目が東京に決まったことは本当に素晴らしい。
少数派の音楽を全面に押し出した上で、成功を収めている事実は、大好きな音楽に対する自分の気持をポジティブにさせてくれる。
New Assembly Tokyoで楽しみにしているアクトはありますか?
間違いなくAlessandro CortiniのソロとMerzbowとのコラボレーションだね。Berlin Atonalっていうのは驚くようなコラボレーションを提案するのが本当に上手なんだ。
あとはEnaとRashad Beckerのコラボレーションだね。絶対におもしろい何かをこの2人は見せてくれるに違いない。
最近発見したニューミュージックを私たちにシェアしてもらってもいいですか?
テクノで言うと、Semantica(レーベル)とSpazio Disponibileだね。とってもスペシャルだよ。
あとは最近リリースされたEdit SelectとAntonio Ruscitoのコラボレーション・アルバムを聴いているよ。
日本出身/在住のアーティストであなたに影響を与えたアーティストを教えてください。
Wata Igarashiが日本のアーティストで今自分の中で来ているアーティストの一人だね。フロア・キラーな曲を作っているよ。多分このツアー中、彼に挨拶できると思うんだ。
もう一人、敬愛するDJ Nobu。2009年に初めて日本に来た時、クラブElevenにMarcel Fenglerを見に行ったんだ。その時、Marcel Fenglerの前にプレイしていたDJが、フロアを完全にキルしていて、最高ににディープだったんだ。もう完璧だったよ。友達に「誰だあれは?」って聞くと「あれはNobu、日本のテクノと言ったら彼だよ」って。最近はヨーロッパにもよく来るから、彼を見るために遠出しなくても良くなったよ。
ライブ出演以外に日本では何をする予定ですか?
原宿にあるシンセサイザーショップFive G、レコード・ショップのTechnique、Disc Unionは東京に来た時には絶対に行くね。
おそらくJuliusのストアにも行くよ。大好きなブランドの一つだよ。蔦屋書店で1日中過ごしてみたいと思うし、それ以外ならラーメンを腹いっぱい食べたいな!
---
Sighaは、2月18日(土)渋谷Contactで開催のクラブ・ナイトと、翌日にも同じく渋谷Contactのコンサート・イベントにてA Vision of Love名義での貴重なライブ・セットを披露!
Sigha
Sighaはすでに長い間、テクノというジャンルにおいて機能性と芸術性の関係を模索してきたアーティスト。James Ruskinの〈Blueprint〉、Shiftedの〈Avian〉、そして最近ではベルギーの〈Token〉といったレーベルからリリースを重ね、実験的テクノの分野で最も卓越した存在として、その地位を確立している。今回Contactで開催されるNew Assemblyでは、本邦初となる希少なライブ・セットを、モジュラー・シンセ、ドラムマシン、エフェクトを組み合わせた、濃密でパワフルかつ揺るぎない音楽体験をもたらしてくれるだろう。
A Vision of Love
A Vision of LoveはSighaによる、よりラフでノイジーなアンビエントのサイド・プロジェクト。Shiftedの〈Avian〉レーベルから作品がリリースされている。A Vision of Love名義ではインダストリアル・テクノ、ノイズ、そして広角のドローンを融合し、機械が奏でる音そのものの可能性を模索している。
---
Berlin Atonal presents - New Assembly Tokyo
Berlin Atonalは音と光を実験的な表現で探索するフェスティバルです。1982年に西ベルリンで始まり、創造性豊かなパイオニアたちが芸術、特に音を使った表現の全く新しいアイディアや可能性を試すためのプラットフォームとなりました。しかしベルリンの壁の崩壊と共に、1990年に一度休止しました。
2013年、フェスティバルはベルリンに復活し、それ以来ヨーロッパでも代表的な、新たなオーディオ・ビジュアル・アートの創造、発表、発展の場として定着しつつあります。芸術、スペース、音と光に対する、先進的で妥協を許さないアプローチの代名詞として。
2017年2月、Berlin Atonalはその歴史の新たなページを開き、初めて日本は東京へと旅をし、New Assembly第一回を開催します。3日間に渡る音の冒険には、今回のために企画された全く新しいプロジェクト、国外からのアーティストと日本のアーティスト、そして過去のBerlin Atonalのハイライトが含まれています。