日本レコード協会が2016年12月度及び2016年全体の音楽ソフトの生産実績を発表した。
2016年年間の音楽ソフト生産金額(オーディオレコード・音楽ビデオ
の合計)は、前年比97%の2,457億円となり、昨年同様生産高は減少する結果となった。
特に顕著なのが洋楽のCDで、邦楽のCD生産額が前年比99%なのに対し、洋楽は前年比の84%と低下傾向が目立った。
また世界的なブームが続いているレコードだが、邦楽、洋楽ともに昨年よりもそれぞれ118%、131%増と生産額は伸びているが、他国に比べるとその伸びは緩やかなものになっている。
これに対しレコード協会の担当者はFNMNLの取材に対し、「国内のアナログレコード市場は2010年以降緩やかな伸びが見られ、その裾野は広がりつつあります。日本の音楽マーケットは海外と異なり、パッケージ:配信の市場シェアとして、
パッケージシェアが7割にも及びその殆どがCDという世界に類を見ない
特殊なマーケットです。アメリカ、イギリス等の様に、パッケージと配信のシェアが逆転しておらず、相変わらずCDが根強いという事情」があるとコメントした。
何度か取り上げたようにイギリスやアメリカでレコードの売上が伸びているのは、ストリーミングプラットフォーム上での音楽の聴取が定着したことが大きな要因と言われている。これは気軽に様々な音楽に触れられるようになったことで、リスナーが、これまでソフトを買うまでではなかったアーティストのソフトを買うようになっていることや、CDを生産しなくなったため選択肢としてレコードがチョイスされるようになったことなどがあげられる。
昨年Spotifyがようやく上陸した日本、今年はリスナーの音楽の聴取環境は変わっていくのだろうか?