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2017年上半期、マストハブな映画サントラvol.2 『ラ・ラ・ランド』

2017年もはじまって数週間、すでに映画館では話題作が続々と公開されている。
映画を堪能するうえで注目すべきなのは、勿論ストーリーやキャストの演技であるが、実はその背景に流れる音楽も、映画を盛り上げる重要な役割を担っているのだ。

特に、今年の上半期までに公開される映画のサウンドトラックはかなりアツい。映画を見終わった瞬間、レコードショップに走っていきたくなるような“マストハブ”サントラをご紹介していく。

文: ANAIS(アナイス)

本日は、先日発表された第74回ゴールデングローブ賞で、映画部門において史上初の最多7部門を受賞した『ラ・ラ・ランド』のサウンドトラックについてお話しよう。

ミュージカル/コメディ部門は勿論のこと、主演女優賞、主演男優賞、監督賞、脚本賞等、ノミネートされた全ての部門で受賞をしたという快挙を果たした『ラ・ラ・ランド』

監督はあの『セッション』のDamien Chazelle(デイミアン・チャゼル)で、今作の音楽を担当したのはJustin Hurwitz(ジャスティン・フルビッツ)。

彼は『セッション』の音楽も手がけており、ジャズでありながら完璧な音の重なりを表現したサウンドトラックは当時も話題となった。そんな彼が今度はミュージカルを手がける。

先述のゴールデングローブ賞では作曲賞、主題歌賞も受賞した今作の音楽、それは一度聞けば間違いなくまた聞きたくなる、恋に落ちてしまうようなサウンドなのである。信じてほしい、私なんか毎日出勤時に聞いている始末だ。

 

以下がトラックリストである。

http://www.universal-music.co.jp/p/uics-1322/
  1. Another Day Of Sun (LA LA LAND CAST)
  2. Someone In The Crowd (Emma Stone, Callie Hernandez, Sonoya Mizuno, Jessica Rothe)
  3. Mia & Sebastian’s Theme (Justin Hurwitz)
  4. A Lovely Night (Ryan Gosling, Emma Stone)
  5. Herman’s Habit (Justin Hurwitz)
  6. City of Stars (Ryan Gosling)
  7. Planetarium (Justin Hurwitz)
  8. Summer Montage / Madeline (Justin Hurwitz)
  9. City of Stars (Ryan Gosling, Emma Stone)
  10. Start A Fire (John Legend)
  11. Engagement Party (Justin Hurwitz)
  12. Audition (The Fools Who Dream) (Emma Stone)
  13. Epilogue (Justin Hurwitz)
  14. The End (Justin Hurwitz)
  15. City of Stars (Humming) (Justin Hurwitz featuring Emma Stone)

 

http://www.hollywoodreporter.com/news/la-la-land-guide-los-angeles-locations-featured-movie-959620

 

とにもかくにも、一曲目に収録されている「Another Day Of Sun」が凄く良い。ハリウッドでの野心を歌ったこの曲は、朝一番に聞きたくなる。

まさにこれからはじまる一日に期待を抱かせるような、ウキウキとするアップテンポのサウンドなのだ。

そのすぐ後に流れてくる「Someone In The Crowd」もこのサウンドトラックの中ではダンスチューンよりだ。パーティーで人混みの中にいる、運命の人との出会いに想いを馳せた女の子たちが、おめかしをしてお出かけしながら歌った曲。

「そんなに運命の人との出会いが大事なの……?こんなにも世界では色んな事が起きているのに、頭にあるのはそれだけなの……?」と静かに、切なげに歌うエマ・ストーンのソロの後からの盛り上がりが素晴らしい。

http://www.hollywoodreporter.com/news/la-la-land-guide-los-angeles-locations-featured-movie-959620

「Mia & Sebastian’s Theme」とはつまり「City of Stars」なのだが、ピアノ演奏者が作曲者であるJustin Hurwitzか、俳優ライアン・ゴズリングかの違いがある。

実際、ライアン・ゴズリングは今までピアノを弾いた事がなかったが、今回の撮影でスタントの起用をしたくなく、自身で猛特訓したそうだ。それにしては、素晴らしい出来映えである。

 

そんなライアン・ゴズリング演じるセバスチャンと、ユーモア系素敵女優エマ・ストーン演じるミアが、お互いに「あんたなんて興味ないから」と言いながらも確実に惹かれているシーン。そこで二人がデュエットで歌う「A Lovely Night」は、あなたに初デート時のときめき、ワクワクとした気持ちを思い出させてくれるはず。

また、今作には歌手のJohn Legendが主人公の親友役として出演。彼がアツく歌う「Start a Fire」はファン必聴の一曲となっている。

http://www.cinemablend.com/news/1601120/emma-stones-amazing-la-la-land-audition-song-almost-wasnt-in-the-movie

なによりも注目すべきなのは、エマ・ストーンのソロ曲「Audition (The Fools Who Dream)」だ。女優という夢を一度諦めたミアが、もう一度挑戦をする意思がその声色へとなって、我々の心を強く揺さぶる。“鳥肌もの”とはこの事だろう。

そして、映画のクライマックスを飾るのはJustin Hurwitz による「Epilogue」。このシーンは、涙なくして見る事はできない。この素晴らしい音楽が、我々の涙腺を余計刺激するのだ。

映画の公開は2月24日と、まだ少し遠いが、今からでも映画の世界観を素晴らしいサウンドトラックで体感することはできる。

あなたも、今日から毎日をミュージカルチックに彩ってみては?

『ラ・ラ・ランド』

公開日:2017年2月24日(金)

監督・脚本:デイミアン・チャゼル『セッション』

出演:ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン、J・K・シモンズ

配給:ギャガ/ポニーキャニオン

上映:TOHOシネマズ みゆき座他全国ロードショー

 

 

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文: ANAIS(アナイス)雑誌「エルガール」のオフィシャルキュレーターを務めながら、フリーライター兼モデルとして活動中。映画を中心に、カルチャー全般の執筆を行っている。

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