イギリスレコード産業協会が2016年の音楽セールスのレポートをまとめたが、前年比でレコードは53%の売り上げ増で、総売上枚数は300万枚以上となったとガーディアン紙が報じている。
300万枚以上のセールスは1991年以来となる数値で、ガーディアン紙は多数の大物アーティストが亡くなったこと、(例えばデヴィッド・ボウイは2016年最もレコードを売ったアーティストだ)これまでレコードを購入してこなかった若い世代が、レコードに高い関心を寄せていることを理由に挙げている。
イギリスレコード産業協会の評議員であるVanessa Higginsは「これまで人々は、若い世代はストリームやデジタルだけでOKだと考えていたが、実際は若い世代も形があって、リアルなものを求めているのがわかった。これまでCDが担っていたポジションをレコードが担うようになった」と語る。
ストリーミングが音楽の聴き方の主流になったのが、レコードを購入する大きな要因にもなっているという。それはストリーミングサービスが新しいアーティストを発見する場所になっているからだ。
「これまではラジオが新しい音楽を発見する場所だったが、1日でかかる曲は限られていた。しかしストリーミングサービスだとすべての種類の音楽を好きなように聴ける。なのでこれまでにないくらい多くの音楽をストリーミングサービス上で発見できるようになった」とHigginsは付け加える。
現状レコードセールスの恩恵を授かっているのは、メジャーレーベルのアーティストが多いが、その状況も徐々に変化するだろうとHigginsは予測する。「今年はより多くの小さいレーベルやアーティストが、レコードで利益を得られるようになるだろう。多くの違った種類の音楽ファンがレコードを買うようになっているからだ」
ストリーミングサービスの充実がもたらすレコード市場の活況という状況はUKやアメリカでは、続いていきそうだが、果たして日本では同じ状態になる日はくるのだろうか?
Via The Guardian