今夏、アメリカで大ヒットとなった映画『ドント・ブリーズ』が12/16に日本でも公開された。
『ドント・ブリーズ』は自動車産業と共に崩壊し、治安の荒れ果てているデトロイトが舞台。両親に育児放棄されている少女ロッキーは、全盲の老人が住む屋敷に金庫があることを知り、ボーイフレン ドのマニーとその友人アレックスで強盗を企て、侵入に成功する。しかし、そこにいたのは超人的な聴覚で侵入者を仕留めていく連続殺人者だったという内容。
キャストをほぼ4人に絞り、古い屋敷での撮影がほとんどであった為、製作費は10億円程とハリウッドにしてはかなり低予算で作られた同作は、斬新な設定が生み出す恐怖が話題となり、 製作費の12倍の興行収入120億円という利益をもたらす大ヒットとなった。Snapchatが新しく導入した360°動画広告のプロモーションとして活用されたことも成功した要因の1つである。
監督を務めたフェデ・アルバレスは、地球が巨大なロボットや戦闘機によって侵略されるという 内容のCGアニメーションを1人で製作し、YouTubeに公開したことがきっかけで注目され、ハリウッドで映画監督を務めるようになった変わった経歴の持ち主。
フェデ・アルバレス監督は2013年に『死霊のはらわた』リメイクの監督を務めたが、残酷描写以 外にあまり良い評価を受けられなかったことがきっかけで、今回の『ドント・ブリーズ』では直接的な残酷描写はほとんどなしで、斬新な設定と緊迫したムードを作ることで勝負したという。バイオレンスや幽霊、グロテスクな映画が苦手な人も、この作品ではホラーの恐怖を安心して味わうことが出来る。
そんな『ドント・ブリーズ』の元のアイデアになったと言われる作品が、『暗くなるまで待って』 というアメリカのサスペンス映画。1967年にオードリー・ヘップバーン主演で公開され、テレン ス・ヤングが監督を務めた作品である。あらかじめ映画を観る前に予習をしておきたい、公開ま で待てないという人はこの作品を観てみると、『ドント・ブリーズ』との意外な共通点やオマージュ 要素を見つけることが出来るかもしれない。
ホラーというフォーマットをベースにしながらも、その恐怖をより多くの層の人々に楽しんで貰える工夫もしっかりとなされているこの作品は、映画ファンだけでなくホラーは苦手だけどスリ リングな体験をしたいという人達にもオススメだ。『ドント・ブリーズ』は12月16日(金)から公開中だ。。