以前FNMNLで2010年代のダンスホール・レゲエチューン10曲を選んでもらった1TA (Bim One) が、自身のレーベルRiddim Changoのポッドキャストシリーズで、ダンスホール・レゲエのインストルメンタル/ヴァージョンオンリーのミックスを公開した。
このミックスはIshan Sound & Rider Shafique Japan Tour 『BS03IS』のプロモーションミックスでもある。レゲエ/ダブを軸に世界中に点在するストリート・ミュージックの"リズム"を追求してきた1TAらしい強烈なミックスとなっている。
またこのミックス公開にあわせて、ダンスホールチューン10曲に続いて、1TAのフェイヴァリットなリディム10選を公開。ダンスホールレゲエのエッセンスとなってきたリディムの数々を紹介する。
10. Kings of Kings - Coolie Dance Riddim
2003年作。その頃プロデューサー/
9. Daseca Production - Anger Management Riddim
2004年作、ダンスホール・アーティストMavadoを男にしたビッグ・リディム。
当時ダークでキラーな雰囲気のトラックが増え始めてきた時期で、わりとこのリズムが分岐点だったような気がします。オケだけ聴くとなんのジャンルかわからない感じがやはり面白い。(1TA)
8. Blaxx - Egyptian Riddim
2003年作Coolie Danceと同時代に作られていて、この時期は120BPM周辺でワールド・ミュージックとの親和性も感じる作品がなぜか多かったのも面白い。
タイトル通り中東ムード漂うキラー・ダンスホール・リディムです。(1TA)
7. Steely & Clevie - Nine Night Riddim
80年代から2009年にSteelyが亡くなるまで常に革新的なリズムを作り上げてきたプロデューサー・チームSteely & Clevieによる2000年初期のヒット・リディム。
トライバルなお祭りムードを感じさせる好ダンス・トラック。ちなみにNine Nightとは日本でいう49日のようなジャマイカの葬儀上の儀式です。(1TA)
6. Equiknoxx Musiq - Jim Screechie Riddim
今年大躍進を果たしているEquiknoxxが放った2010年作のダンスホール・リディム。ダンスホール・アーティストAidoniaがこのトラックで小ヒットを飛ばしてましたが、やはりオケだけ聴いてもこの頃からユニーク。(1TA)
5. Big Ship - Shadow After Dark Riddim
レゲエ大御所シンガーFreddie McGregorの息子であり、少年の頃からプロデュース業をこなしてきた天才Stephen "Di Genious" McGregorによるキラー・トラック。グライムにも通じる攻撃的なリディム。(1TA)
4. Acid Rain Records - Acid Hall Riddim
2000年作の奇抜リズムの代表作。Salaam Remiが実験的にやっていたダンスホール・レーベルで、TB-303とTR-808だけで作ったと思われるアシッド・ダンスホール。最高です。(1TA)
3. How Yu Fi Say Dat? - Now Thing Riddim
今回のミックスにも収録した個人的トップ3に入るくらい大好きなキラー・リディム。ファイヤーハウス産スレンテンを効果的にサンプリングし、ヘヴィーな裏打ちダンスホールに変身させたモンスター・トラックです。ダンスホールはこういったヘヴィーな要素があるのも素敵ですよね。(1TA)
2. Redman International - Koroko Riddim
Steely & Clevieが89年にリリースしたビッグ・リディム。ほんとうはこのリズム・アルバム収録の笑い声がこだまする違うテイクを挙げたかったがサンプルがないので割愛。スティクリ特有であるDXドラムマシーンを改造して作ったスネアロール炸裂の"とんち"が効いたキラー・ミニマル・トラックです。狂ってる。(1TA)
1. Massive B - Cuss Cuss Riddim
レゲエ古典リズムCuss CussのMassive Bプロデュース作品。大御所バンドRoots Radicsがバックを構え、オールド・スクールなムードを再現しています。随所入るディレイが効いた声ネタのスクラッチが狂ってる。お気に入りのヴァージョンです。オケだけのサンプルがないので2:55くらいからインストが聴けることを記しときます。(1TA)
<Info>
1TA
レゲエ/ダブを軸に世界中に点在するストリート・ミュージックの"リズム"を有機的に結合していくオリジネーターDJ。また、Bim One Productionsのプロデュース兼レーベルRiddim Chango主宰の一人でもあり、ベース・カルチャー発信集団BS0のメンバーでもある。2003年頃から数々のMix CDやトラック提供、リミックスなど作品を残し、2010年から2012年までロンドンに長期滞在を決行。これまでにロンドン随一のトロピカル・ベース・パーティ「Arriba la Cumbia」でのレギュラー出演や、バルセロナの老舗ビッグ・クラブApollo2の人気パーティ「Rumba Club」で日本人初のゲストDJとして招かれた。2011年にはヨーロッパ最高峰といわれるレゲエフェス"Rototom Regaae Fes"にDJとして出演、2012年3月に行われたUK滞在集大成となるヨーロッパツアーも各都市で大成功を収めた。現在Bim One名義を中心に数多くの音源作品をリリース中。
Ishan Sound & Rider Shafique Japan Tour Nov/Dec 2016
22 Tokyo / 25 Nagoya / 26 Kyoto / 27 Fukuoka / 12/2 Kanazawa / 3 Utsunomiya