伝説の中国武術家であり俳優のブルース・リーの伝記映画として話題の『Birth of the Dragon』が9月のトロント国際映画祭でプレミア上映された。
しかしブルース・リーの伝記映画であるはずの『Birth of the Dragon』の、内容がおかしいと鑑賞者から不満の声があがっているのだ。
映画データベースサイトIMDBに投稿したレビューをニュースサイトNext Sharkが集めたところによれば、この映画でブルース・リーは主役ではなくサイドキャラクターになっており、 Billy Magnussen演じるSteve McKeeという白人のキャラクターが主役のポジションになってしまっているという。メインのストーリーはSteve McKeeがカンフーを習得し、助けた中国人女性と恋に落ちるというものだという。
あるユーザーは「監督はブルース・リーを戯画化させてしまった。これはブルース・リーの記憶に泥を塗るものだ。ブルース・リーのファンとしても、アジア人もとしても、この映画は私を怒らせた」とIMDBにポストした。
また別のユーザーは「映画は本来は主役であるはずのブルース・リーを脇役に追いやり、白人のキャラクターを中心にもってきた。アジア人男性は、自分たちがテーマの映画ですら永遠に主役を演じることができない。白人よ、あなた方はどんなものにでも自分たちを入れようとするのを止められないのか」と苦々しい心情を書き込んでいる。
このような例は最近製作発表されたばかりの『攻殻機動隊』のハリウッド版でも起こっている。『攻殻機動隊』ではスカーレット・ヨハンソンが日本人の主人公を演じると発表されたのだ。ハリウッドのこのような不自然なキャスティングはどのように変わっていくのだろうか?