ソフィア・コッポラのデビュー作となる『Lick the Star”』がYouTubeにアップされている。この作品は16mmフィルムを使った14分のショートフィルムである。
Ibuki Kasai
コッポラの有名な作品には、『The Virgin Suicides』 や『Lost in Translation』などがあり、どれも若い女性を中心に大ヒットし、ヴェネチア国際映画祭での最優秀賞を含む数々の賞を受賞してきた。
今回とりあげるデビュー作の『Lick the Star』は、ティーンエイジャーの女不良グループの学校生活を舞台に、そのグループの悪だくみや他の生徒に対する意地悪が描写される。ところがグループのリーダーのクロエがあることをきっかけに周りから省かれるようになり、連む仲間がいなくなっていく。思春期の女の子の孤独が美しく描かれた作品になっている。
コッポラの作品はどれも、どこか哀しげで孤独や苦悩、不安など負の感情を描くものが多い。スローモーションやロングショット、使う音楽はパンクロックなど、他ではない映像、音の演出が特徴的だ。このデビュー作で演出された女性の孤独感や思春期の女の子の苦悩などは、彼女の後の作品『The Virgin Suicides』 や『Lost in Translation』でも表現されている。