イギリスのEvening Standard紙に掲載されたM.I.A.のインタビューの中で、彼女の「アメリカではBlack Lives Matterについて語ることは許されていて、BeyonceやKendrick Lamarが”Muslim Lives Matter”とは言わないだろう」という発言が、批判を巻き起こしている。
H&Mのキャンペーンに登場したM.I.A.は、Evening Standard紙のインタビューで、BeyonceのSuper Bowlでのパフォーマンスについて以下のように語った。
アメリカで語ることが許されている問題は、Black Lives Matterであるってことは興味深い。それは新しいことでもなくて、それって80年代にLauryn Hillが、90年代にPublic Enemyが言ってたことだから。BeyonceやKendrick Lamarが”Muslim Lives Matterとか"Syrian Lives Matter” "this kid in Pakistan matters”っていう思う?
と、アメリカにおける反人種差別運動が黒人のみにばかり焦点があたっていることを批判した。そしてさらにM.I.A.は、それがメディアの問題でもあることを指摘する。
Muslim Lives Matterのようなテーマの曲をAppleに配信してもらったりとか、アメリカのTVプログラムに乗せたり、Twitterのハッシュタグにしたりすることは出来ないし、ミシェル・オバマも付き合ってくれないでしょうね
以上の発言は、スリランカのタミル人の活動家を父に持ち、さまざまな抑圧と戦ってきた彼女のフラストレーションから来ているものであり、一定の理解はできるだろうが、彼女のもとには多数の批判が寄せられた。それらの批判は、Black Lives Matterが話すことやメディアで取り上げられることを「許されている」とM.I.A.が表現したことについて向けられている。
「もう少し"許される"ということについて説明してくれないか?」
.@MIAuniverse, I'm not sure "allow" is the right word here. Remember, we were teargassed for standing up. https://t.co/b8hUBlU0Kc
— deray mckesson (@deray) 2016年4月21日
『許される』っていう言葉が正しいとは思わないよ。思い出して、立ち上がったがために催涙ガスを吹きかけられたことを」
Define "allowed" for us, please? @MIAuniverse pic.twitter.com/U5gd1RtqcI
— Sus Frerotte (@Flames_Baldwin) 2016年4月21日
「人々はBlack Lives Matterのために立ち上がることを許されているわけじゃない。Black Livesのために立ち上がるために闘ってるんだから」
@MIAuniverse People are not being "allowed" to stand up for Black Lives Matter. They're FIGHTING to stand up for Black lives.
— Jenee Darden (@CocoaFly) 2016年4月21日
ムスリムやアメリカでのマイノリティに対する人種差別への対抗運動がBlack Lives Matterレベルで起こっていない以上、彼女の認識や不満はそれほど的外れなものではないだろう。しかしながら、彼女はその問題を提起するために、困難に立ち上がっている人たちを批判の対象としてしまったために、彼らから批判を受けることに鳴ってしまった。
M.I.A.のインタビューはこちらで全文を読むことができる。