今年2月に発売以来、話題を提供し続けているKanye Westのアルバム『The Life Of Pablo』が、Billboardのチャートにて「9万枚のアルバム販売と同じポイント」を獲得し、4月23日付の週間アルバムチャートで一位を取ることが確実視されている。
2月中旬に米人気番組「サタデーナイトライブ」にてパフォーマンスを行ったあと、ストリーミングサービスTIDALにて独占発表された『TLOP』は、初日にトラブルに見舞われたが、発表から10日間で250000回のストリームを記録し、50万回違法コピーファイルがダウンロードされたと報道されている。
「Appleからは発売しない」とKanyeがツイートした数週間後の3月31日に、SpotifyとApple Musicでもストリーミング可能になった『TLOP』は、もちろん両サービスのチャートのトップを独占した。Apple Musicにおいては、トップ15曲のうちの10曲、トップ10の7曲、トップ5の3曲をKanyeが占めている。
TIDALがストリーミング回数を調査会社ニールセンに発表しなかったため、2月の発表時にはニールセンのデータを使用するBillboardのチャートに入ることはなかった。しかし、3つのストリーミングサービスにて発表されたアルバムは、9万枚の売上と同じポイントを稼ぎ、来週末付のチャートでRihannaの『ANTI』やAdele、Justin Bieberらのアルバムに大差を付けて1位を獲得することが確実と見られている。
今回『TLOP』は9万枚の売上を上げたのと同じポイントを獲得すると見られているが、実際そのポイントの70%をストリーミングで叩き出し、Kanyeがツイートしたように歴史上初めて「ほぼストリーミングのみでNO.1を獲得」したアルバムである。そのストリーミングでの数字に合わせて、Def JamによるとKanyeWest.comでのダウンロード販売、TIDAL、マディソン・スクエア・ガーデンでのファッションショー『Yeezy Season 3』とシネマ・ライブストリームイベントへの入場者へのダウンロードなどがポイントに加算されている。
Thank you to everybody who made The Life of Pablo the number 1 album in the world!!!
— KANYE WEST (@kanyewest) 2016年4月9日
ストリーミングの割合だけで言うと、昨年発売されたJustin Bieberの『Purpose』の数字に歴代史上No.1を譲ることになるが、Kanyeはこれで7作連続アルバムチャート初登場No.1を獲得することになる。『Yeezus』(2013)、『My Beautiful Dark Twisted Fantasy』 (2010)、『808s & Heartbreak』 (2008)、『Graduation』 (2007) 、『Late Registration』 (2005)にて、初登場1位を獲得しているが、2004年『The College Dropout』アルバムのみ、登場時の最高2位に留まっている。