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【ライブレポート】Kvi Baba 日本武道館公演 | 「信じるもの」が凝縮された一夜

2025年8月28日、Kvi Babaが自身初の日本武道館公演を開催した。

2019年のデビューから多くのヒット曲に恵まれつつも、その道のりが決して平坦ではなかったのは、彼が歌ってきた痛みからも明らかだろう。しかし彼が、決して歩みを止めなかったのは、彼が信じるものを持っていたからこそだろう。そして何より、この武道館公演は彼が「信じるもの」が一つに凝縮された舞台となった。

ステージ両サイドに鎮座した十字架型の巨大LED。そのLEDが発光し、スクリーンにはKvi Babaのバストアップ映像が映し出され、重なるように「Shout Out To Jesus」の文字が浮かぶ。彼らしいモチーフと共に公演はスタートした。そして興奮冷めやらぬままに、最新アルバムのリード曲"I Like It"で一気にグルーヴを掴む。「Tired But Fine」の前には、彼は観客にこう語りかけた。「来れない人のことも想うよ」と、会場にいない人までも包み込むような言葉を投げかけた。その包摂的な姿勢はKvi Babaの世界観その者だった。

「Ms. U」ではこの夜初の客演として、7年前に初めて出会ってからの仲のSALUと同世代の親友idomが登場。ステージ上で「SALUと初めて会ったのは7年前」と語るKvi Babaの表情には、年月をかけて築かれた先輩との友情への確信がにじんでいた。さらに2019年発表の"A Bright"を共演し、1stツアーを再現した演出は2人の信頼関係をより鮮やかに浮かび上がらせる。

その後も「Fuck U & Love U」をアコースティックで披露し、代表曲「Fight Song」「Planted in Problem」と初期曲を続ける流れに。MCで「昔の自分の方が好きという声もあるけど、僕は今の自分の方が好き。今の自分だからこそ昔の自分も愛せる」と語った言葉どおり、過去の痛みすら肯定する姿勢がそこにはあった。

衣装を変えて最新作に収録されている、"Life Interlude"、若いJ. RioとCherishを迎えた"Last First Forever"で清涼感が漂う。そこから"Tombi"を挟みつつ、再度初期曲の"Toge Ni Bara"、"Tear Wave"と濃密な楽曲群を畳みかけると"愛鎚"の前にはこう語った。「武道館は苦労してきた人、頑張ってきた人が立つ場所。ただ、このステージに立っても自分のことは誇れない、自分はただ周りのみんなに愛されてきた。僕のことを受け入れてありがとう。みんなのことも受け入れる」

その言葉のあとに歌われた"愛槌"は、観客一人ひとりに寄り添うような響きを持っていた。

そして必然的に起こってしまう別れを通じて、人を愛する原点の気持ちを歌った"二つ目の家族"は、亡くなった最愛の祖母に捧げられた。家族を信じ、喪失すら抱えながら進む彼の姿勢は、この夜ならではの強度をもって伝わった。

クライマックスのひとつとなったのは"Luv Myself"だ。AKLOとKEIJUが登場し、武道館はこの日一番の歓声に包まれる。

「雨でも風でも Love Myself / 苦い想いもコーヒーみたいだ」

というラインのとおり、困難をも自分の力で肯定していく意思。それは「今の自分だからこそ昔の自分も愛せる」という先ほどのMCと呼応していた。続く"Too Bad Day But・・・"、"Backseat"では、仲間と彼の現在地が力強く刻まれていく。

そして「お兄ちゃんのような存在」と紹介されたKEIJUに加え、G-k.i.dもステージに現れる。文字通り"Friends, Family & God"がひとつになった瞬間、武道館は熱狂に包まれた

武道館公演のきっかけを作った"City Love City Love City Love"でライブは最終盤に突入。「2番出口を出た所で会おう。駅は九段下で」は観客も一段と声を張り上げていたのが印象的だった。「まだ終わりたくない」と、再度"I Like It"をパフォーマンスしたが、この日最大のサプライズはここで待っていた。なんと"I Like It"のリミックスでR-指定が登場し、熱気は二度目のピークを叩き出す。しかもここで更に想定外の事態が。この日は撮影禁止での開催だったが、本来ならこの"I Like It"のタイミングから撮影解禁になる予定だったということで、一度ステージから去ったR-指定を再度呼び込み"I Like It"(Remix"を再パフォーマンス。観客には嬉しいハプニングとなった。

ラストは『Shout Out to Jesus』の最後を飾る"1234"。ひたむきに前を見る姿勢を貫いてきたこの日のKvi Babaから、最後に飛び出たのは未来への決意表明だった。トラックが一瞬止まると「横浜アリーナやっからよ」と更なる大舞台への挑戦を宣言。来年8月の開催発表がされ大団円となった。

「僕のことを受け入れてくれてありがとう。みんなのことも受け入れる」そう語った彼の言葉は、武道館を越えて次の物語へと続いていくのは間違いないだろう。(取材・文 : 和田哲郎 撮影 : cherry chill will.)

Info

【Kvi Baba / 日本武道館公演 -Shout Out to Jesus- (Set List)】
https://tf.lnk.to/KXFScBkU

【横浜アリーナ公演 / 『Shout Out to Jesus in YOKOHAMA ARENA』2026年8月27日(木)開催!!】
※チケット最速先行受付開始!(締切は9/7(日)23:59まで)

▼販売URL
https://eplus.jp/kvibaba-yokohama/
 [公演詳細]
公演日時:2026年8月27日(木)
OPEN:18:00 / START:19:00
会場:横浜アリーナ
席種:全席指定
料金:9,800円
年齢制限:※未就学児入場不可 枚数制限:4枚
主催:Toy’s Factory
制作:01 creative
お問い合わせ:クリエイティブマンプロダクション
03-3499-6669
月・水・金 12:00-18:00

【10月5日(日)19:00~21:00本日の公演がフジテレビTWOにてオンエア決定!!】

 番組名:『Kvi Baba「Shout Out to Jesus』
放送日時:10月5日(日) 19時~21時
※予告なく放送時間の変更が生じる場合があります。
放送/配信:フジテレビTWO ドラマ・アニメ /フジテレビTWOsmart(スカパー!番組配信のみ)
※スカパー!放送サービスでフジテレビONE/TWO契約の方はスマホ・PCでも視聴可能。
 ※放送終了後、スカパー!番組配信にて1か月の見逃し配信を実施。
番組URL:https://otn.fujitv.co.jp/kvibaba2025

Kvi Baba / 日本武道館公演『Shout Out to Jesus』
Official Merchandise

[STORE URL]
https://store.toysfactory.co.jp/collections/67

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