アートディレクター/グラフィックデザイナーとして活動する坂脇慶による初の個展『Individuality of temporary moments 変化していく瞬間と総体』が、麻布のCaleで本日6/16(金)から開催される。
坂脇はグラフィックデザイナーとして協業者と共にマルチプルな媒体の作品、プロジェクトを世の中に提案してきた。坂脇自身の美的感覚やムードとは少しズレた角度で進行し発表される事もあるクライアントワークとは違い、今回発表される作品はクライアントの意向や何かを啓蒙しなければならない対象は無く、「グラフィック」とされるイメージがプリントされている。
Photoshop上にドロップした色の素材をフィルターを用いて変容させ続け、坂脇自身が瞬間を決定して一枚のフレーム(コマ)をイメージとして固定するというプロセスで制作された作品。このイメージはどの様に形容されるべきですかという問いに対して坂脇は「グラフィックデザイン」と答え、フレームに入れて物体になった状態のものを何と表しますかと続けて尋ねたところ「グラフィックデザインをポスター化してフレームに入れたものと呼ぶのが最も近い」と語っている。
自分とは本当にあてにならないもので、ある事象に判断をあたえなくてはいけないときにAという思いとその真裏にあるBという思いを同時に抱くことが往々にしてある。他者とコミュニケーションをとるためにどちらか一方を自分の意見と仮定してみるが、あくまでも一時的なもので時間が経てばAやBでもないCやDがあらわれることもある。一貫性のある自分の判断があるのはごく稀で、そこにはAやBという思いではなく、AやBやCやDの間をゆっくりとまたは高速で行き来を繰り返す、他人とは共有することができない運動?時間?空間?が常に“ある”という事実のようなものが存在していることは確かである。そういったコントロールできないものを多数抱えてなんともいえない不自由さを感じつつ生活が続いている。
Info
会期: 2023年6月16日(金)-7月7日(金) 開廊時間: 13時-19時
会場: Cale 東京都港区東麻布 3-4-6
Web: http://cale.jp/
[お問い合せ]
Cale 03-6441-3661 info@cale.jp