写真家の夢一平による写真展『DREAMS AND DAYS』が、1/27(金)から代田橋のflotsam booksで開催される。
夢一平は国内外で活躍するフォトグラファー 鈴木親の右腕として長らくその活躍を支える一方で、自身の写真表現を続けて来たフォトグラファー。これまでに同タイトルの写真展を国内で何度か開催してきたが、今回も新作などが展示される。
必要な断片をサンプリングしただけのイメージから得るものが少ないのは、そこに発見や遭遇を見出すことができないからだ。逆にいえば、未だ自分が見えていなかった物事を意識し、創りあげていくことに人は喜びを感じてきたのだと思う。新しい試みには、不確定な要素が付きまとう。昨今、予め予想のできないことをリスクと置き換え、更にそれを埋めるべき欠如とすり替え続けた結果、清潔で管理された社会が出来上がりつつあるのではないだろうか?
夢一平が引き寄せた光景には、「こうであるべきだ」という社会通念を解放する力を宿していると思う。規範から外れているとおぼしき人物や一瞬で消えてしまう出来事、消えようもなく残り続けるであろう爪痕。ピリピリとした緊張感を孕みつつも、見る人への回路が開かれていると感じるのは夢自身のユニークな視点がそこにあるからであろう。
現実の喧騒は束の間の解放区であることは誰もが知っている。だが、そこに躊躇なく飛び込むことができるのは数少ない人間たちだけである。最中で渦巻く欲望から自分を守ってくれるのは、その人が培ってきた生存のスタイルだ。
だからこそ、剥き出しの生き様が映り込むのだ。覚えていない夢を確かに見たと感じるのは、圧倒的なリアリティが体を貫いているからだ。何も荒唐無稽なシーンの連続が夢だとは限らない。目覚めている状態で見る夢のことを白昼夢と呼ぶが、それにも似た光景 を今、確かに見た気がする。(文: 磯山進伍)
Info
会期: 2022/1/27(金)- 2月5日(土) 14:00-20:00
水曜日定休
会場: flotsam books
住所: 東京都杉並区和泉1-10-7
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