「豊かな人間性」をコンセプトにクラブカルチャー系譜の新たなチャプターを探るマルチメディアクルーetherが展示・トークディスカッション・コラボパーティのイベント『Membrane 膜』を11月2日から6日まで開催する。
『Membrane 膜』は多方面にわたるカルチャークリエイションをコンテンツとするパーティシリーズetherを展示、トーク&ディスカッションイベント、コラボパーティに拡張したもの。コレクティブとして自己実現でもあり、「とりあえずやってみよう」という門外漢な分野に敢えて踏み入れる三人の大胆な感覚が表れている。
「膜」のコンセプトは前回の『Local World x ether』を経て生まれた「言語化のできない感情の塊」から構想。感情や生活が加速している中自分を失わないようにフィルターを掛け持ち、世界とゆるくつながりながらも、過去に直面して今の自分がいること、これからはこう生きてみたいという確かな考えをキュレーションの軸に、なんとも言えない感情・葛藤を大事に、ゆっくり着々と気持ちに形を与えるアーティスト、ディスカッションゲスト、コラボパーティのラインナップが集められている。
グループ展 (11/2-6 3PM-8PM) では社会の中で自分の持つ特権に気づく、さらには同じようなコミュニティに存在しながらも、自分が他人と違う一面を持つことから来る違和感や、逆に無意識な従順さを持ってしまうことに対して、戸惑ったり突っ走ったりする過程を形にするアーティストが出展。グラフィックデザインとソーシャルエンゲイジングアートの間でパーソナルなストーリーから、集団記憶まで幅広く辛辣な表現やユーモアを効かせた、中国北京出身オランダベースのアーティストKexin Hao、アウトサイダーでありながらネイティブな環境に身を纏うような矛盾する感情と場所を写真に映すアメリカ出身日本を拠点にするアーティストCarlos Ossorio、時代の気分をデフォルメしたハッとするような痕跡を一瞬だけSNSに残す一方でKazumichi Komatsuや堀池ゆめぁの楽曲では、詩情とユーモアがないまぜになった個人的な楽曲解釈をビデオとして発表してきた砂原光 (絵画にて参加)、一切はびこることなく生きることを作品そのままにするひかる十七歳、2020年代初頭ならではの「スカムを携えた均整」とも言えるマテリアルを彫刻し、人間の痕跡を表現するwakapitch。作品メディアは油絵、彫刻から、写真、ビデオアート、日記までがオルタナティブな物語によって結ばれる。
トーク・ディスカションイベントでは「非常時にこそ今までになかった考えや、素直に意見を言い合える環境、お互いを認め合えて生きることの意味をもう一度考え直すべきではないだろうか」という考えに基づき、今の時代にあるべき「コレクティブとアーティスト性」、クラブイベントが再び入れ乱れる中の「クラブでOKな話とNGな話、その理由」、パーティドラッグに限らない「ツールとしてのハームリダクション」の三つのトークテーマが企画され、3日から5日まで毎夜6PM-8PMに開催される。
締めくくりのパーティは、同会場で11/6(土)10PM - オールナイトで開催。ブラジル拠点のプロデューサー/DJのXIAO QUANとコラボし、ブラジルの現行シーンと東京をつなぎ合わせる一夜となる。QUAN自身は、カウボーイとエイリアンを掛け合わせた独特なトライバルハウスをかける別名義JOÃO LÁGRIMA DE OURO(英訳:JOÃO TEAR OF GOLD)として出演し、またブラジルのTormenta Collectiveと新興レーベルEXPを主宰するプロデューサー/DJのepx、ダンスホールとレゲトンをラテンへと接合したオフシーズンカニバル・ストリートパーティ『TESÃOZINHO INICIAL』を主催するなどDJ/モデルのmiss tacacàがゲスト出演。etherからはDJのokadada、パフォーマンスにnizikaとひかる十七歳が出演する。
Info
イベント名:
‘Membrane’
サブタイトル:
ether presents
場所:
oa.higashiazabu 東京都港区東麻布2-35-12 https://o-a.tokyo/
日程:
グループ展 Group Exhibition 11/2-11/6 3PM-8PM
トーク+ディスカッション Talk + Discussion 11/3,4,5 6PM-8PM TBA
コラボパーティ Party Collaboration QUAN x ether 11/6 10PM-
ether https://www.instagram.com/ether.tokio/