2013年に設立された上海の出版レーベル兼スタジオSame Paperの新作写真集『Still Life』のローンチイベントが、幡ヶ谷のgallery communeで11/14(土)~11/15(日)の2日間限定開催される。
写真集や雑誌を出版する傍ら、アートを愛する全ての友人達と共有するためにビジュアルアートブックの収集も行っているSame Paper。『Still Life』はコロナ禍で身動きの取れない状況を利用し、屋内で限られた機材を使い、自由なテーマでストーリーを紡ぎ出した13人の写真家による作品が掲載されている。
世界中の誰もが似たような苦境を経験した2020年を如実に表す、素晴らしい叙情的ビジュアルブックとなっている。gallery communeを始め今週末は世界数カ所でローンチイベントが同時開催されるという。
“静物画”は通常「人生は平穏」といった美しい意味を備えた、西洋美術の主要なジャンルの1つと見なされています。
最近の写真における静物画と言えば、屋内のセットにオブジェクトがしっかりとしたバランスで注意深く配置されていますが、実際は固定されていない彫刻のようなイメージの視覚体験が頭に浮かびます。
“静物画”の弱点は、常にクリエイターによってロマンチックにされていることです。世界はパンデミックと混沌の中にあり、このような時間を楽しむことはふさわしくないとされています。2020年はどこにいても、私たちは皆、同じではないが似たような苦境を経験し、『正常』は停滞に取って代わられています。この本の中で「Still Life / 静物」は、この停滞した苦境で生活し続けるメタファーとして機能しています。
この本では様々な都市に拠点を置く13人の写真家が”静物”についてのストーリーを紡いでいます。必要なものにアクセスしたり、必要な場所に旅をしたりと、使いたい全ての素材を十分に活用してイメージを作り上げられた彼らの過去。すなわちコロナ前の作品は、素晴らしく気ままに自由でした。それが今では、パンデミックが私たちの生活のルール全てを壊してしまったので、写真家はもはや以前のように仕事が得られなくなりました。代わりに、終わりのない停滞に対処しながら私たちは家に居続けるのです。その状況を逆手にとって、それぞれの写真家には屋内で限られた機材を使い、自由なテーマでストーリーを紡ぎ出してもらいました。
私たちは写真家たちが今のこの状況、混乱や不安といった受難に対してどのように反応するのか、そして誰を、または何のために写真を撮るのか、興味がありました。2020年の春から新しい作品を次々と受け取りました。いくつかはオブジェクトをミックスすることで生まれたモニュメントだったり、動物や仲間との親密な関係、架空の逃亡、または彼らの精神状態の描写だったり。その結果、彼らは楽観的または抑鬱的、漸進的で洗練され、かつ脆弱性を抱えた現実に溺れるような一連のイメージを提示しています。
Info
Same Paper Presents『Still Life』ローンチイベント(即売会)
※Same Paperメンバーの来日はございません。
会場: gallery commune
東京都渋谷区西原1-18-7
11/14(土) 13:00 - 18:00
11/15(日) 13:00 - 18:00
Same Paper Presents『Still Life』
Photographers:
Antje Peters @antjepetersstustustudio
Bobby Doherty @blobbybloherty
Caroline Tompkins @cahlinetompkins
Charles Negre @charlesnegre
David Brandon Geeting @davidbrandongeeting
Geray Mena @geraymena
Harley Weir @harleyweir
Makoto Oono @oonomakoto
Peng Ke @ke_peng
Sergiy Barchuk @sergiybarchuk
Sophie Tianxin Chen @sophietianxinchen
Thomas Albdorf @albdorf
Xiaopeng Yuan @xiaopeng_yuan
246 pages
21 × 27 × 2.4cm
Edition of 900
Published by Same Paper