小池健輔、河野未彩、白鳥啓によるスクロール型プロジェクト『POLE & TOTEM』の初展示が、8月19日(水)から9月6日(日)までCalm & Punk Galleryにて開催される。
同プロジェクトはヨーロッパ各地で集めた5万枚以上のアーカイブの中からランダムに選ばれた、たった一枚のポートレート写真から目、鼻、口のみを抽出した「Unknown」の肖像 T シャツを制作。ECサイトを活動拠点にスタートし、本展では EC サイトで発表したアーカイブのほかに、多数の未発表の作品や、モバイル端末を使った AR 作品が初披露される。
「不労所得に興味ある?」 ヴェネチア在住の小池を訪れた白鳥の何気ない一言から全ては始まった。
小池作品は、一枚のビンテージ写真を何も足し引きせず、カット & ペーストすることで奇想天外な視覚効果をもたらす。世界中にそのクリエイティブに魅力されるファンが存在し、SNS でも多くのフォロワーが、#singleimageprocessing 等のハッシュタグでインスピレーションを発散している。ユニークピースのため点数も限られていた。この供給と需要のアンバランスを解消するために T シャツを作ることになった。
彼がヨーロッパ各地で集めた5万枚以上のアーカイブの中からランダムに選ばれた、たった一枚のポートレート写真から目・鼻・口のみを抽出した「Unknown」の肖像 T シャツが生まれ、その展開を考えているうちに河野が加わった。
そうしてビジュアルアーティストの小池健輔のプロセスを、視覚ディレクターの河野未彩、メディアアーティストの白鳥啓と共に発展させるスクロール型プロジェクト「POLE & TOTEM」(ポールアンドトーテム)が、2020 年 7 月に EC サイトを活動拠点にスタートした。
EC サイトでは、誰もが手に入れることができる T シャツとして「Unknown」を素材化する。このベースの T シャツに連なる形で、それをリアレンジした 1 点物の「ユニークピース」や限定数の「スペシャルエディション」が随時アップされ、顔が連続していく。レディーメイドであり、ユニークピースにもなりうる。また、シーズンを問わず物資を無駄にせず展開できるメリットもある。
1 つのモチーフを繰り返し使用することは、その可能性を掘りさげる一方で、目的や存在意義なども曖昧にしていくような気がする。これは、オープンソース化されたプロセスのもと、誰もが入手可能な素材で作られたものに、付加価値が存在するのかという問いを浮き彫りにするのかもしれない。
「これはアートなのか、服なのか」
本展は、EC サイトで発表したアーカイブのほかに、多数の未発表の作品や、モバイル端末を使った AR 作品も公開される。ちなみに、未知の素材と対峙する興奮や各々のこだわりにより、当初の目的と逆の運命を辿ることになってしまったことは言うまでもない。
Info
<開催概要>
日程:2020年8月19日(水) ~ 9月6日(日)
水曜 - 土曜 オープン(日、月、火曜 休廊)
*最終日曜 6日(日) は開廊
開廊:13:00-19:00
場所:CALM & PUNK GALLERY
東京都港区西麻布 1-15-15 浅井ビル 1F *入場無料
http://calmandpunk.com/exhibition/times-of-crisis/