ターナー賞アーティストであり、異性装者(トランスヴェスタイト)としても知られるグレイソン・ペリーが、新しい時代のジェンダーとしなやかな男性のあり方を模索した一冊『男らしさの終焉』を発表した。
英国生まれのアーティストであり、TVメディアでパーソナリティを務めるグレイソン・ペリーは、12歳の時に自分の男性性に疑問を抱き、やがて女性の服を着ることに魅力を感じるようになった。また、暴力的な継父など周囲の男性たちやジェンダーの縛りのせいで苦しんだ経験をもつグレイソン・ペリーは、男性の最大の敵は、男性自身だとし、男性性の被害者は女性だけでないとし、男性自身もまたジェンダーを演じることに駆り立てられている犠牲者としている。
そんなグレイソン・ペリーは、人種、階級、性別、セクシュアリティ、経済学、人類学、社会学、および心理学など、さまざまな分野を横断しながら、冷静に(時には風刺を交えて)分析。そして、本書のラストでは、男性向けの未来のマニフェストを提示している。
Info
『男らしさの終焉』
グレイソン・ペリー=著|小磯洋光=訳
発売日:2019年12月25日
四六判|208頁|本体:2,000+税|ISBN 978-4-8459-1830-0
フィルムアート社