ラッパー、DJ、トラックメイカー、アートディレクターなど総勢16名が所属する国内屈指のヒップホップクルーKANDYTOWNが、2ndアルバム『ADVISORY』をリリースした。1stアルバムをリリース後、ソロ活動が活発化し、メンバー各々の個性がくっきりと見えるようになってきていた。
そんな中リリースされた2ndアルバム『ADVISORY』。NeetzとRyohuがビートを手がけた今作は、それぞれのソロ活動からのフィードバックも盛り込みつつも、2019年らしい形でKANDYTOWNをアップデートした作品となっていた。
ツアーファイナルを明日に控えるメンバーからGottz、Neetz、Ryohuの3人がインタビューに登場。本作の制作についてやKANDYTOWNらしさなどについて話を訊いた。
取材・構成:和田哲郎
- 1stアルバムが出た後に、それぞれのソロ活動が活発化しましたよね。ソロの活動はKANDYTOWNらしさもあるんですけど、それよりもそれぞれの個性が前面にでたので、グループでは今後やり辛いのかなと思ったんです。どうやってまたグループでの活動に向かって行ったのか教えてください。
Ryohu - 俺はむしろ逆だと思ってて、今までKANDYTOWNのメンバーと10代から曲を作ってることが基本的にKANDYTOWNの面々のベーシックの部分になってると思っていて。それは全員が出来ることなんですよ。だから、そこから俺やGottz、Neetzや他のメンバーがソロでいこうというのはみんながプッシュしてやるべきことで、1stアルバム後は各々それをやっていこうと。でも結局それがまた帰ってきただけなんで、それがあるから足枷になるというのは逆で、やれることが各々増えたことによってKANDYTOWNもまた新しいことが出来たりとか。逆にそこに帰って、ベーシックのものに立ち帰れる瞬間だったりとか。俺はそういうイメージでいますね。
Neetz - 俺もそうだと思いますね。俺はソロ作品を出したことによって、自分だけの作品だと悩むことが多くて時間かかったりすることもあって、そこからまたKANDYTOWNやることになって、KANDYTOWNだと親しい仲だから家も近いしプリプロだったら録れるんで。そこのやり易さはあったから、足枷というよりは自然に出来た。
Gottz - 俺はもう超楽ですね。自分のソロやる時って、自分でビート集めてNeetzとかにやってもらうときも俺からお願いして、客演の人にも自分から声かけてって、やることが多すぎて。MVの監督にも自分で連絡しなきゃいけなかったり。そう考えると、KANDYTOWNは本当にラップ書けばいいだけだし、どんどんビートも上がってくるし、大変さは10分の1って感じですね(笑)だから本当に楽しくやれた。やっぱり自分が好きなビートとか、作品の志向はソロに寄ると思うんですけど、KANDYTOWNはみんな10代から一緒にやってるんで、大体「このビートはコイツが良いんじゃん」っていうのがNeetzとかRyohuくんの中にもあって、その上で限界突破してるやつは新しいのに挑戦するみたいな。そこは成長というか、新しい自分の中での「こういうのやれるんだ、俺」みたいな発見もあるし。自分のソロでは絶対触らないようなビートもKANDYTOWNではやるし。普通に良いビートだったし、コンセプトも決まってガッてやれる時に、みんなで集まってやったりするんで。空気感で曲がポンポン出来ていったと思いますね。
- 実際の制作期間はどれくらいですか?聴いた印象だと、ビートの質感もまとまってるし、グッと濃縮されて作ったような気がしたんですが。
Neetz -レコーディングとビート制作含め5ヶ月から半年ぐらいですね。ビートはアルバムのために作った曲で、自分のソロアルバムと『LOCAL SERVICE』が出た後に作り始めた感じです。
- レコーディングにかかったのはどれくらいですか?
Ryohu - 3ヶ月も無かったんじゃないですか?単純にレコーディング日で言うと7、8回。ガッと詰めて。後はビートが上がってきて、リリックを書き始めたりとか、大体全体像が見えてくるまで2、3ヶ月くらいだと思います。
- Gottzさんがビートを作った時に誰がラップするのを想定してるとお話ししてましたが、大体そんな感じでしたか?
Neetz - ミュージックビデオになった曲はそうで、そうじゃないビートもあるし、みたいな。「このビートはこの面子でやろう」って決めた曲と、そうじゃない定まってないビートの2通りがある感じです。
- 定まってないビートはどうやって決めたんですか?
Gottz - 「やりたい人~」(笑)それでHolly Qとかが今回テンション高くて、あいつはやる気に満ち溢れてたんで「これやりたい、これやりたい」みたいな。あいつの良いところは「これをやりたい」って言って終わるんじゃなくて、ちゃんとプリプロまで録ってくる。「ラッパーじゃん」みたいな(笑)それで周りのみんなのモチベーションも上がるというか。「急に来た奴にそんなにやらせてやれないっしょ」みたいな(笑)
- じゃあHolly Qさんのラッパーとしての登場はみんなのモチベーションになったんですね。
Gottz - なったと思いますね。
- でも実際一番曲に参加してるのはGottzさんですよね。
Gottz - 俺の場合は結構夏休みの宿題はやらないタイプなんですけど、今回に関しては最初にレコーディングする段階で凄く速く終わっちゃって。1、2回目のレコーディングの時に俺はもうやることない、みたいになっちゃったんですよ。“Imperial”とか“Winelight”とかはもともと入る予定じゃなかったんですけど、多分任命されて、やったって感じです。
Ryohu - Gottz確かにめっちゃ速かったな...(笑)一人だけ余裕ありましたもん。
- 前にGottzさんに話し聞いたときに「MUDさんも速いよ」とおっしゃってましたが、MUDさんも今回速かったですか?
Gottz - MUDもそうですね。でも一緒に作るタイミングがよくあるんで、俺らは二人でやるとき携帯のボイスメモで送りあったりするんで。レスポンスは毎回速いですね。
- 作るのに時間がかかった曲はありますか?
Gottz - “Winelight”ですね。Ryohuくんのビートが上がって、「ビートめっちゃいいっすね。俺これやりたいです」って。IOくんも結構「いいね」って言ってて、でも3人とも「ビートはいいんだけど、どうする?」みたいになってたところでタイトルを取り敢えず決めて、みたいな。
Ryohu - 何のことをリリックのテーマとするか、みたいなところから始まり。結構しばらく空いて俺がフック入れて、「これで行く」って。決まっちゃったらすぐ。
Gottz - Ryohuくんが自分のスタジオで作ってくれたやつがあって、俺とかは特にそうなんですけど、フックとかがある程度決まってる方が7割くらい労力が減るんですよ。そうなったら速かったですね。
- 一曲一曲参加メンバーでコンセプトなどを話し合うんですか?
Gottz - Ryohuくんがビートを作るときはRyohuくんが仕切って、LINEグループとか作ってくれる(笑)
Ryohu - そういうの大好きなんですよ。構成もガッツリ決めて。
Gottz - 「このビートに参加するメンバーはここに集合」みたいな。でもNeetzは人間的にそういうことがあまり出来ない(笑)自分の頭の中ではめっちゃあるんですよ。ここに誰が入って、みたいな。でもそれをいざみんなに伝える能力が無い(笑)だからそこは助け合いというか。
Neetz - そうですね(笑)
- Ryohuさんは結構ディレクションをするんですね。
Ryohu - したくなっちゃうタイプなんですよね。性格なんですよ。自分で作った曲は自分が思い描いた通りに進んで欲しい。もちろん進まないときもあって、その時は変えますけど。
- Neetzさんは自分の中ではあるけど、それは別にという感じですか?
Gottz - まあでも結局伝わるからね。みんな仲良しだから。スタジオとかでは言うんですよ。携帯には入れないというか。
Neetz - あと、トラックにコンセプトっぽいタイトルをつけて、そのまま行くとかもあるから。基本的にはコンセプトとかリリックとかに関してはラッパー任せというのはあるけど、発信は自分ですね。
- “Slide”などは前のKANDYTOWNでは入ってこない感じのビートですよね。
Neetz - KANDYTOWNと言えばブーンバップっぽいイメージがあったと思うのでそれも大事だけど、それだけじゃないというか。新しいものにチャレンジしたというか。あとデカい箱で鳴らすって考えると四つ打ちっぽい物も入れてみたくなったんで、今まで作ったことないビートにチャレンジした感じです。
Gottz - キャッチーでとても良いですよね(笑)
- KANDYTOWNイコール90sっぽいとかブーンバップっぽいみたいなのは、個々のソロ活動である程度払拭された感じがありますよね。90sのブーンバップっぽいものって、日本では=ヒップホップという価値観と結びついてたと思うんですけど、その考え方自体がもう古くなってるというか。トラップだからどうこうということもあまり無くて、それが自然にKANDYTOWNらしくアップデートされる感じがビートを聴いても良いなと思うんですよね。
Gottz - Meek MillとかA$AP FergとかNipseyとか、あの人たちが聴いて育ってきた音楽ってブーンバップじゃないですか。それをトラップというか、最近の音で普通にやってて、でもラップのスタイルは変わらないじゃないですか。あれがカッコいいんだよね。
Neetz - 確かに。聴いてきた音楽はブーンバップで、王道的なやつだけど。
Gottz - でもラップは自分じゃん。どちらかと言ったらそういう感覚なのかなって。音でジャンル分けするよりは、何でも出来る奴が強いって俺は思うんですけどね。
- 実際にアルバム全体のコンセプトをみんなで話し合ったことはありましたか?
Ryohu - Neetz次第でした。
Neetz - でもZepp TOURが最初の段階で決まってたので、無意識でZepp TOURに向けた音作りはしました。それがコンセプトかは分からないけど、音的にはそういう感じ。
Ryohu - デカいキャパの会場で鳴らしたらよさそう、みたいな。
- しかもライブでやることも想定してると。
Ryohu - それくらいでしたね。後はNeetzのビート待ちでした。
Gottz - ラップの内容も、良くも悪くもいつもと変わらない(笑)
- ソロ活動が盛んになると一人での仕事も増えていきますよね。外部の人と会う機会がどんどん増えて、相対的にKANDYTOWNである時間は減ってると思うんですが。それを経て結束というか、そういったものは逆に強くなったのかなということをリリックからは感じます。
Gottz - 確かにそうかも。俺的にはソロが増えて、馴れ合い感というかかお楽しみ感が減った。でも楽しいからやってるというのはベースにあるんですけど、1st作った時よりもレコーディングの時は引き締まってたというか。俺のテンションがそうっていうのはありますけど、そういう雰囲気はありましたね。しかもZepp TOURがあったんで、生半可のものじゃヤバいじゃないですか。
Ryohu - まあでも、みんなちょっと大人になって取り敢えず人として固まって来た(笑)社会に順応して。 俺は個人的に集まってライブすると楽しいなって。一人でやる楽しさもありますけど、KANDYTOWNになるとそれを超越した...言葉では言い表せないけど、男16人の凄みというか、それを昔より感じるようになった。
Gottz - この人数でやるとアクシデントは起きて当然なんで。ソロの時は一人だし、ミスったら目立つじゃないですか。でもこの人数でいるとかまし合いじゃないけど、それはあると思いますね。。
- KANDYTOWNでやるのは自然なこと、という。そこでやるのは本当にリラックスして出来るという感じですか?
Gottz - そうですね。リリック書いてこないでレコーディング来る奴とかもいるんで。リラックスして良いなって(笑)俺もたまにあるんですけど、その場で書いちゃうんで。リラックスし過ぎて書いてこない(笑)
- さっき「大人になった」という話も出ましたが、グループとして変化した部分をそれぞれ感じますか?
Ryohu - ソロを殆どの奴が出したのは、俺個人としては良いことだなと思うというか。KANDYTOWNにずっと居続けると馴れちゃうというか楽しちゃうところもあるし。一人でやるということは基本的に自分がどうカッコ良く映るかをひたすら考えて、誰にも怒られないし、誰にもケツ叩かれないし。そういう時間があって、そこでみんなで仲良く肩組んでってところよりも、みんなフロントマンだと思うし、目立とうと思って活動して。でも帰ってきて落ち着ける...アーティストはよく、入り過ぎちゃって行くところまで行って落ち込んだりするじゃないですか。でもKANDYTOWNがいるから、仲間が居て帰るところがあってみんなで音楽できるし、帰る家があるからソロでやってくことがみんなの自信になって、それが結果的に俺らの自信になるというか。俺はそれは良いことだなと思ってます。一人で何かするって大事なことだと思うんで。人間としても、お母さんがいつもまでもご飯作ってくれる訳じゃないと思うし、世に出ていく。そういう意味では俺らが「Life」って付けてる意味もあるし、還元されてると思います。
Gottz - ソロはやっぱり刺激を貰えますよね。「こういうことをやって来たんだ」みたいな。IOくんのDefJamのやつとかも、下田のあそこでレコーディングのとこ出してたじゃん。CDのジャケもそうだけど、凄えなって。KANDYTOWNの曲作りは、直接刺激を貰えるんですよ。他の人たちはこういう経験無いと思うけど、近場に刺激をくれる人がいっぱい居て、でもそれが昔からの友達で。だから外にあまり出ないというか(笑)
Neetz - 俺も音楽活動って意味ではそれが一番大きいかな。
- 今作で、個人的に一番印象的なメンバーはいますか?
Ryohu - やっぱHolly Qがかっさらって行くんじゃないですか。
Neetz - まあ、みんな印象的だけど...(笑)
Gottz - そういう面白くないの求めてないぞ(笑)
Ryohu - 後はGottzとか8曲ぐらいやって、本来だったら凄いなって思うところですけど、なんかちょっと当たり前になってる(笑)
Gottz - 自分でもそこまでやった感無い(笑)でも“So Far”は俺がサビやったんですけど、俺がこのサビ入れた後MASATOが「俺もこの曲やるわ」って言ったのが嬉しかった。「それは俺のフックが良かったってこと?」って聞いたら「まあそうだね」って(笑)認めてくれたわって。
Neetz - Holly Q以外で...まあHolly Qが一番印象的ですけどね。
- じゃあHolly Qさんは最初はそんなに入る予定じゃなかったんですか?
Gottz - 誰もが多分そう思ってましたね(笑)多分2曲とかじゃないか、って。
Ryohu - 水を得た魚のようだったね。
Neetz - だから定まってないビートをいち早く拾い上げて、1ヴァース目をプリプロで録って。
Gottz - あいつが始めたから出来た曲多いからね。最後の“Until The End Of Time”もそうだし、“Legacy”もそうだし、“So Far”も。
Ryohu - “In Need”もそうだよね。
Neetz - それ以外はちゃんと決めて作ったよね。
Gottz - ダークホースでしたね。
- さっきGottzさんからMeek MillやNipsey Hussleの名前が出ましたけど、アルバム制作中にそれぞれよく聴いた作品はありますか?
Gottz - Dreamvilleのアルバムとか。あとYoung Thugの『So Much Fun』。
Ryohu - Nipsey Hussleも遡って聴いてたな。
Gottz - あと最初のレコーディングの日にツボイさんがA$AP Fergの“Floor Seats”を流してたんですよ。「コレヤバいっすね」って話をした覚えがあります。
- Dreamvilleのアルバムとかは、元々別々のグループが一つのレーベルとしてやっていて近さを感じます。Neetzさんはどうでしたか?
Neetz - Dreamvilleも聴いてたし、『ブラックパンサー』のやつとか、色んな人がフィーチャリングで参加してる曲は聴くのかな。
Gottz - 後はScHoolboy Qの『CrasH Talk』。
Neetz - ScHoolboy Qも聴いてたな。
Gottz - Young Nudyとかもね。後は椎名林檎の『三毒史』かな(笑)
Neetz - 後はスタジオに入ってる映像とかを見てモチベーションを高めますかね。
Gottz - IOくんの『Player's Ballad』も聴いてた。
Ryohu - 新譜もガンガンチェックしてたな。それはそれで楽しんでましたね。俺は後ずっとNeetzのビートの様子を窺ってました。新譜聴きつつ、Neetzのビートをずっと聴いてました。
Neetz - 色んなの聴いて整理ついてないな。
- 今回はビートメイカーが二人ですが、お互いのビートの良さはどんな部分だと思いますか?
Ryohu - 前作もそうですけど、Neetzがビートの核になってるというか。それでKANDYTOWNらしさを保ってくれるというか、もちろんNeetzの中でも“Slide”みたいに変化があると思うんですけど。俺はさらに「Neetzがこう来たからこう行く」みたいな。Neetzが作ってくれなかったらKANDYTOWNも一生作れないみたいな、要であるというか。一ラッパーとしても、Neetzが作ってくれないと困る。それぐらいKANDYTOWNのビートはNeetzになってるというか。
Neetz - RyohuのトラックはRyohuの色があると思っていて、俺と2パターンあるのが強み。ビートメイカーが二人居て、2パターン色が出せるから。そこがお互い刺激しあってるところだと思うし。
Ryohu - “Bustle”はNeetzが元々作ってて、それを俺がパラデータ貰って構成を全然別にして、その場でみんなでラップ書いて完成させたんですけど。意外とそういうのが楽しくて。変に一緒にやると訳分からなくなると思うんで、それがどういう作り方かは分からないけど、俺が上ネタ作ってNeetzがそれを変えるとか、リズムパターンだけNeetzにやってもらうとか。Neetzは機械的なことが得意というか。自分でエンジニアも出来るんで、そういう所も含めてビートの細かいところに触れる。俺はどちらかというと勘で行くんです。
Neetz - それを人に投げて、楽器弾ける人にRyohuが頼んだりとかを明確に自分で分かってるから、上手く人を使うのが俺と全然違う作り方ですね。俺は自己完結なんです。
Ryohu - 先にイメージしつつ余白も作りたいタイプなんで。曲の構成はある程度決めるけど、そこに何が載るかは決めないというか。そこは感性に任せる。もちろん「このビートにこういう譜割でラップ入ったらカッコ良いな」みたいなのはあるんですけど、それを超えてくる方が面白いと思うんで。そういう意識はあるかもしれないです。
- なるほど。改めて2ndを作り終えて、それぞれが思うサウンドとしてのKANDYTOWNらしさってどんなところですか?
Ryohu - 難しいですね(笑)
Gottz - バランスだよ。
Ryohu - バランスは確かに大事。
Gottz - Neetzは自分のソロのアルバムは『Figure Chord』って名前だけど、本当は「バランス」ってタイトルにするとかしないとか言ってました(笑)
Ryohu - Neetzはバランス感覚が良いというか、やり過ぎないし、でも攻めるみたいな。自分ではあまり理解してないと思うんですけど(笑)
Neetz - あと、自分ではサンプリングに頼らず曲を作るのは自分でも大事にしてますね。サンプリングだとまんま使ってやることも出来るけど、自分で組み立てて作るのが大事だと思うから。ビートメイカーとしてのバランス感覚。
Gottz - 俺はビートは作れないけど、「あのコード感やばいね」とか言われると嬉しいの?
Neetz - いや、単純にビートがカッコよければそれでいいんだよ。だけど、自分で作るのが大事っていう。
Gittz - じゃあビートのどういう所を褒められたら嬉しいの?
Neetz - 単純にカッコ良いっていうのがいいし、「これ使いたい」っていうテンションが好きだしね。まずラッパーに「これに乗りたい」って言わせるのが一番重要。
Ryohu - 俺は良くも悪くも度外視するタイプなんで。KANDYTOWNらしさみたいなのは基本的にNeetzが担ってくれてるし、それはNeetzも分かってくれてる部分だと思うんで。後は俺がどれだけギリギリのラインで外しに行くか、みたいなところ。それを同じようにラッパーにどう楽しんでもらえるかってところは個人的にありますね。そういうのを含めて、いつも毎回「KANDYTOWNっぽいね」ってなるんで。このアルバムも、前回同様じわじわ来るようなアルバムになると思いますね。後は、古いものと新しいものを混ぜるっすね。
Gottz - 温故知新。
Ryohu - 「KANDYTOWNが好きそう」みたいなコードはあるんですけど、それやってたら全部同じになっちゃうんで。それをいかに面白くするかってところはビートメイカーありきだと思うし。凄い深い系のビート作って深いこと言わせようと思ったら深いこと言いたそうな奴に頼めばいいし、それが結果KANDYTOWNになれば。KANDYTOWN内でもヤバいヴァース書いたらそれが響く奴もいるだろうし。逆にかっ飛ばすビート作ればヤバいねってなれば良いと思うし。新しくも古くもあり、自分たちが楽しめる音楽を作って行くのが結果的にKANDYTOWNになってるというか。もちろんトレンドや普段聴いてる物は反映されてきますけど、その時自分たちで思って作ったものがKANDYTOWNの音になってるというか。そんなに意識はしてないですけどね。結果的にそうなってきてるというか、誰かが言った「KANDYTOWNっぽい」とかじゃなくて、自分たちが思ったものがKANDYTOWNなんだって。それが気づいたら「KANDYTOWNっぽい」って言われてる感じになるのかな。
- それを常に更新してるというか。
Ryohu - そこは恐れたらダメだと思ってる。みんないるからみんなのせいになるし(笑)
- それぞれが一番気に入ってる曲を教えてもらえますか?
Ryohu - でもやっぱ、最後の曲(“Until The End Of Time”)良いんだよな。
Gottz - 俺も自分が入ってない曲だったらそれが好き。まあでも、“Last Week”とかは言わずもがなカッコ良いから、“Imperial”とか好きだな。
Neetz - 俺も15曲目好きだわ。
Gottz - IOヴァースが全てを物語ってる感あるんだよな。“WIinelight”のIOくんのヴァースも超良いし。
Neetz - 俺も気に入ってる。5曲目(“Local Area”)も好きだけどな。1曲目(“HND”)も良いな。やべえな、全部良いになってる(笑)
Ryohu - それぞれ個人的に思い入れあって。“In Need”はHolly Qが一番最初にヴァースを書いてきて、一番最後にKEIJUのフックが入ったんですよ。それは俺が思い描いてたようなフックだったんで、「よくやった」って。“Imperial”はNeetzのラップがカッコ良い。“Winelight”はIOのラップがちょうど良い。あの曲はGottzから始まって、流れ的にちょうど良かったんですよ。
Neetz - “Cruisin'”は、“Cruisin'”って感じで...(笑)
Ryohu - でも、俺これの自分のラップは好きです。
Neetz - 15曲目はバイオリンとチェロを入れたんだよ。
Gottz -「 KANDYTOWNのアルバムだったんだな」って感じだよね。ど頭から最後まで通して聴いて欲しい、っていうのがNeetzくんの気持ちです(笑)
Neetz - 並び的にもRyohuのメロウな曲が後半になって、最後の15曲目の「自分たちは終わらない」ってテーマで、最後のアウトロっぽいところにチェロとバイオリンが入ってたりして。「この先もあるぞ」っていうのを臭わす。
- 今日話を聞いてると、KANDYTOWNでの制作は本当にリラックスしてる感じを受けました。
Ryohu - リラックスしつつ、やってる時はめちゃくちゃ集中してる。
Gottz - Neetzとかみんなに「ビートまだ?」って言われてるタイプだから、その時は気が気じゃないんじゃない?
Neetz - いや、まあ...(笑)リラックスしつつ集中できたと思いますけどね。
- このアルバムを経て、11月にZeppで過去最大規模のワンマンライブがあると思うんですけど、ライブに向けてはいかがですか?(東京公演は既に終了)
Gottz - ステージングは準備してますけど、そこは基本的にIO先生がやってくれてるんで、楽しみですかないというか。どうなっちゃうんだろう、みたいな。後は、どれだけ誰が一番盛り上げるかって。
Neetz - そこに向けて今回作ったんで。デカい音でよく聴こえるような曲を。
Ryohu - 是非ライブに来て欲しいです。
- 今後のそれぞれの予定は決まってますか?
Neetz - 他のメンバーのソロ作品に提供します。意外とまだソロが動いてるんで、それは乞うご期待。
Gottz - 次は三枚目だけど、Neetz次第で速く出せるから。後は、Holly Qの1stフルアルバム聴きたいよね。
- ありがとうございました。
Info
< KANDYTOWN「ADVISORY TOUR ’19」>
■大阪公演
日程:11月22日(金)
時間:OPEN 18:00 / START 19:00
会場:Zepp Osaka Bayside
お問い合わせ:サウンドクリエーター 06‐6357‐4400
チケット販売URL:https://eplus.jp/kandytown/
【KANDYTOWN 2nd ALBUM「ADVISORY」】
Title:ADVISORY
Release Date:2019.10.23(Wed)
Track List
1. HND
Rap: MUD,BSC,DIAN / Music: Neetz
2. Slide
Rap: IO,Neetz,Gottz / Music: Neetz
3. Last Week
Rap: IO,Gottz,MUD / Music: Neetz
4. Core
Rap: KIKUMARU,Holly Q,DONY JOINT / Music: Neetz
5. Local Area
Rap: Gottz,Neetz,KEIJU / Music: Neetz
6. Take It
Rap: Gottz,KIKUMARU,MUD / Music: Neetz
7. Knot
Rap: Ryohu,KEIJU / Music: Neetz
8. In Need
Rap: KEIJU,Holly Q,KIKUMARU,Ryohu / Music: Ryohu
9. So Far
Rap: Holly Q,Gottz,MASATO,BSC,DIAN / Music: Neetz
10. Legacy
Rap: Holly Q,MUD,BSC,DIAN / Music: Neetz
11. Bustle
Rap: Ryohu,Holly Q,Gottz,Neetz / Music: Neetz
12. Imperial
Rap: Gottz,Neetz,Ryohu / Music: Ryohu
13. Winelight
Rap: Ryohu,Gottz,IO / Music: Ryohu
14. Cruisin'
Rap: Ryohu,MASATO,DONY JOINT / Music: Ryohu
15. Until The End Of Time
Rap:DONY JOINT,Holly Q,IO / Music: Neetz
Produced by KANDYTOWN LIFE
Mixed by The Anticipation Illicit Tsuboi @ RDS Toritsudai
■TOWER RECORD限定 先着購入特典:「Harder」
■Amazon限定 先着購入特典:「Abstract」
■先着購入特典:オリジナルステッカー
※いずれも数量限定となります。
※ステッカーはTOWER RECORD、Amazon以外のチェーン/店舗が対象となります。
※一部店舗では対応していませんので事前に店舗へお問い合わせください。