現在メインストリームとなっているヒップホップのトラックを作るプロデューサーの多くが使用しているDAW、FL Studioの功績を紹介する動画がGeniusから公開された。
他のDAWと比べ抜群の使いやすさを誇り支持を集めるFL Studioは、1998年にベルギーの企業Inage-Lineによって開発された。なんとImage-Lineは音楽ソフトを開発する以前はアダルトゲーム『Porntris』などで知られていた企業だったそうだが、Didier Dambrinというエンジニアを雇ったことで音楽市場に舵を切ったという。DambrinはFL Studioが使いやすい理由について「私には音楽的なバックグラウンドがありませんでした。Fruity Loops(現在のFL Studio)は、ミュージシャンのためにデザインされたソフトでは無かったのです」と、そもそも音楽制作についての知識が無い人を対象にソフトを開発したからだと説明している。ちなみに、名前はケロッグのシリアル「FROOT LOOPS」からとった物だという。
当初ヒップホップの世界ではDAWでのビートメイキングが一般的ではなかったが、2003年頃に9th wonderがいち早くFL Studioを用いてLittle BrothersやJay-Zのビートを制作。その後、2007年に大ヒットしたSoulja Boyの“Crank That”のビートがFruity Loopsで作られていたことから使用者が爆増したという。Drakeの“Best I Ever Had”のトラックを手がけたBoi-1daは「母親のクレジットカードを使ってFruity Loopsを買った」とのエピソードを披露しており、またJuice WRLDのプロデュースで知られるNick Miraも「Cardiak FlatlineやHopsinがFL Studioを使っているのをYouTubeで見てFL Studioを買って、毎日ビートを作るようになった」と語っている。
また、違法ダウンロードしたFL Studioを使っているユーザーが多いことも触れられている。Soulja BoyもクラックのFL Studioを使っていたことを公言しており、Image-Line側も「7年間もお金があまり入っていない」と語っている。使用者が多いぶん、クラックが出回りやすいという問題も抱えているようだ。
このように様々なプロデューサーに使用され爆発的な広がりを見せたFL Studio。これからビートメイキングを始めようと思っている人は、Geniusのこの動画をDAW選びの参考にしてみてはいかがだろうか?