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アラバマ州で成立した妊娠中絶法にRihannaやLady Gagaらが抗議

Rihanna

今週水曜日、アメリカのアラバマ州で妊娠中絶を全面的に禁止する法案が可決された。「人命保護法」と命名されたこの法案は「全米で最も厳しい中絶禁止法」とされ、手術を行った医師は最大99年の禁固刑に処され、更にレイプや近親相姦などによる望まない妊娠でさえも中絶が認められないという法律である。

共和党に所属する白人男性議員のみの賛成によって可決されたこの法案に対しては全世界から非難の声が上がっており、音楽シーンからもRihannaやLady Gagaなどが強く抗議を行なっている。昨日Instagramを更新したRihannaは、法案に賛成した白人議員たちの顔写真を並べ「見て。これがアメリカの女性のための決定を下したバカどもだよ。州知事のKay Ivey、恥を知れ」と最終的に法案を認可したアラバマ州知事のKay Iveyと賛成した議員たちを痛烈に批判している。

Lady Gagaは自身のTwitterにて「アラバマの中絶禁止に怒ってる。さらに邪悪なのは、レイプや同意の上での妊娠かそうでないかを問わないこと。性犯罪者よりも手術した医師に重い罰が課されるってこと?これは茶番だし、このシステムのために苦しむ全ての女性や若い女の子のために祈ってる」とする声明を発表。

女性の人権を一切無視した法案に、女性の人権にコンシャスなアーティストである彼女たちはいち早く声を上げている。

人気番組『エレンの部屋』の司会者として知られるEllen DeGeneresは「私はアラバマ、ジョージア、ケンタッキー、ミシシッピー、オハイオ、ミズーリ、全ての場所の女性たちを支持する。彼女たちは自らの体に起こることを決定する権利を持ってる」と発言。

俳優のChris Evansも「これは本当に信じられない。ロー対ウェイド事件(アメリカ合衆国憲法で人工中絶の権利を保証した最高裁の判決)について考えていないのなら、国民に注意を向けていないということだ。これが投票の意味だ」と、アメリカの憲法にアラバマ州の法案が違反していることを指摘している。

BBCの記事によると中絶に反対した州議員の一人は法案の決定をきっかけに「『ロー対ウェイド』判決の是非について最高裁に直接判断を求める」ことが可能になると述べているとのことで、最終的にはアメリカ合衆国憲法の記述を覆すことさえ目的にしているようだ。全米女性機構は共和党議員たちによる決定を「選挙に向けて、中絶反対候補への支援を集めるのが目的」と断じており、問題の根深さが窺える。

キリスト教福音派や保守派に多い妊娠中絶反対の向きが顕在化した形となったアラバマ州の法案。女性の人権に対する一切の考慮を欠いた非道としか言いようがない決定だが、今後のアメリカの未来はどうなってしまうのだろうか。

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