ラッパーがゴーストライターを雇うことは現在のラップシーンにおいて珍しいことではない。Kanye WestやCardi Bがゴーストライターを雇っていることは広く知られているが、その両名のリリックを書いた経験もあるラッパーPardison FontaineのインタビューがGQにて公開された。
インタビューでPardisonは、自らが「ラッパー」としてではなく「ゴーストライター」として認知されていることに不満を表明している。彼自身は曲も多くリリースしている才能のある若手ラッパーだが、KanyeやCardi Bのような人気ラッパーにリリックを提供したばかりにアーティスト個人として認識されることが少なくなってしまったという。
その原因の一つに、KanyeがTwitterにてPardisonをゴーストライターとしてクレジットしたことがある。Kanyeは「Pardison Fontaineが“Violent Crimes”のヴァースを書いた。俺は二つのラインを変更したけど、彼が曲の全体を書いたんだ。CyHi Da Prynce、Consequence、Pardiの三人が、業界の中のゴーストだ」というツイートで、アルバム『Ye』の“Violent Crimes”が殆どPardisonの手によるものだということを暴露。それが広く拡散されたことで、Pardisonのゴーストライターとしての知名度が格段に上がってしまった。
Pardisonはこの出来事について「むかついた」と話す。「それは誰も知らなくてよかったことだ。俺はKanyeに“そんなことのために歌詞を書いたんじゃない”って言ったよ」と語る彼は、クレジットされるためではなくあくまでサービスとしてゴーストライターを務めたそう。
ゴーストライターとして知られてしまったPardison Fontaineだが、これを機会に優れたリリックを書ける彼のラッパーとしての実力も広く知られることを願うばかりだ。